日産 新型リーフ 電費(燃費)レポート|航続距離はどこまで伸びたのか、2代目リーフを街乗りから高速道路まで徹底検証!(1/6)

  • 筆者: 永田 恵一
  • カメラマン:小林 岳夫・茂呂 幸正・永田 恵一

日産 新型リーフ電費(燃費)レポート|結果まとめ

起用グレード

今回の燃費テストでは、2017年9月にフルモデルチェンジが行われた日産 リーフをテスト。グレードは最上級グレードのG(車両本体価格399万600円/一充電の航続距離400km)を起用した。

※リーフはクリーンエネルギー車普及のための補助金40万円が適応となり、Gグレードの場合実質的な価格は359万600円となる。

電費(燃費)テスト概要

テストは10月31日(火)の午前7時頃開始し、午後2時半頃帰京するというスケジュールで実施。テスト中の天候は晴れのち曇り、最高気温17度という気候で、交通状況は比較的スムースであった。

>>日産 新型リーフの画像を見る(画像52枚)

2代目・新型リーフの実電費は7.9km/kWh

新型リーフの燃費テスト(電気自動車なのでエンジン車の燃料1リッターで走れる距離にあたる、電気自動車が1kWhの電気で走れる距離を表す電費であるが)の結果は以下の通り

※電費とは:電気自動車が1kWhの消費電力量で走れる走行可能距離のこと(例:8.9km/kWh)

日産 新型リーフ 実電費(燃費)まとめ
2代目リーフ初代リーフ(後期型)

グレード

G        

30Gサンクスエディション

駆動方式

2WD

2WD

駆動用バッテリー容量

40kWh

30kWh

航続可能距離(JC08モード)

400km

280km

カタログ電費(計算値)

10.0km/kWh

9.3km/kWh

実電費:平均

7.9km/kWh

8.0km/kWh

実電費:市街地・街乗り

8.2km/kWh

7.4km/kWh

実電費:郊外路

8.1km/kWh

8.3km/kWh

実電費:高速道路

7.6km/kWh

8.2km/kWh

>>日産 初代リーフ電費(燃費)レポート|慣れない単位に困惑!?

電費自体は初代モデルの後期型と同等だった。また詳細は後述するが、満充電状態からの航続距離をテスト前日とテスト当日に計測したところ、新型リーフはおおよそ220km~240kmであった。先代リーフ(バッテリー容量:30kWh)の航続距離が170km~180kmだったので、バッテリー容量が増えた分だけ満充電での航続可能距離が延びたということになる。

テレビCMやカタログでは大々的に「航続距離400km」とアピールされているにもかかわらず、JC08モードで計測した数値と実際に走れる距離の差が大きい点には苦言を呈しておきたい。

しかし、電気自動車の補助金は現在40万円を上限に「一充電の航続距離×1000円」という計算になっている。その点を考えると、公表される航続距離が長い = 補助金が増える、という意味でユーザーにメリットがあるのも事実なので、航続距離の公表値と実際の乖離を一方的に批判することもできない。

ここからは一充電の航続距離を含め、高速道路編、郊外路編、市街地編、それぞれの章で燃費や走りの質について詳細な評価を行っているので、新型リーフの購入を考えている人にはぜひ参考にしてほしい。

新型リーフが満充電から走行できる航続可能距離は?

テスト前日と翌日のテスト当日に一充電の航続距離を計測した。

航続可能距離テスト1回目:227.1km

テスト前日の1回目は2017年の木枯らし一号となった10m程度の強風に加え、首都高速で5~10分停止してしまう激しい渋滞にも遭遇したという厳しい条件だった。

テスト車引き取り時のバッテリー残量100%(残り走行可能距離296km)から、バッテリー残量3%まで使い、電費6.9km/kWhで227.1km走行できた。

走行できた227.1kmの内訳は、高速道路165km、前述した激しい渋滞を含む首都高速20km、一般道42kmだった。

バッテリー残量が乏しくなり、充電を促すまでの過程を振り返ると

(1)バッテリー残量9%(213km走行時点、残り走行可能距離25km)で初めての警告

(2)バッテリー残量4%(残り走行可能距離はバー表示)でナビ画面に「充電スポットを探しますか」のアナウンスが出る。

その後、バッテリー残量3%の状態で最寄りの日産ディーラーで急速充電をしたのだが、1回30分の急速充電で回復するバッテリー残量は以下の通りだった。

・1回目(0~30分):3%から54%

・2回目(30分~60分):54%から90%

・3回目(60分~88分):90%から97%

※バッテリーが100%に近くなると充電のスピードが極端に遅くなり、満充電までには長い時間が掛かる。3回目の急速充電を28分で止めたのは、次の利用者が来たため。

やはり新型リーフはバッテリー容量が大きくなったため、急速充電でもバッテリー残量がそれなりに充電されるまでの時間は長くなっている。頻度は別にして、遠出の時には充電時間や次の人との兼ね合いを考えると、特に2回目の急速充電をどうするか悩みどころになるかもしれない。

航続可能距離テスト2回目:243km

テスト当日の2回目は、バッテリー残量97%(残り走行可能距離258km)でスタートし、筆者の自宅からテスト開始までの58kmと、テストで走った185kmの合計243kmを走行することができた(テスト終了時点のバッテリー残量は6%)。

なお、電費テスト中に充電する必要はなかった。先代リーフを同じコースでテストした際、途中で急速充電が1回必要だったことを考えると、新型リーフの実用性は大きく向上していると断言できる。

また、「バッテリー残量10%くらいで充電したい」という精神的な余裕も含めると、新型リーフの一充電の航続距離はおおよそ220km~240kmといったところだろう。

ちなみに、アメリカ仕様の新型リーフの一充電の航続距離は同じ40kWhのバッテリーを積んだモデルで240kmと公表されており、アメリカで公表される燃費や航続距離の正確さを裏付ける結果となった。

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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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