日産 新型リーフ試乗|動力性能が向上し、迫力が伴う加速感(1/2)

世界累計台数28万台に達した、EVのパイオニア、日産リーフがフルモデルチェンジ

フランスやイギリスの政府は、2040年までにガソリン/ディーゼル車の販売禁止を発表した。技術の否定は自動車が進化する可能性を狭めるから行うべきではないが、大胆な方針が打ち出されたことを受けて、各メーカーとも電気自動車(EV)の対応に追われている。

その意味で一歩先んじると見られるのが日産だ。先代(初代)リーフが2010年12月に世界初の量販電気自動車として発売され、世界販売台数は累計で28万台に達した。

そして2017年10月2日には、フルモデルチェンジを受けた2代目の日産 新型リーフが発売された。車両の詳細は2017年9月6日に掲載した「日産新型リーフ最新情報」を参照いただくとして、今回は試乗記をお届けしたい。

>>EVのパイオニア、日産リーフがフルモデルチェンジ!フォトギャラリーで徹底分析!

フロントマスクを刷新し、一般的なデザインとなったエクステリア

ボディタイプは先代型と同様の5ドアハッチバックで、プラットフォームなどの基本部分は先代型と共通化されている。フロント側のドアパネルも同じで、フロントウインドウの角度も同程度だ。

つまりフルモデルチェンジといってもボディの造りはマイナーチェンジに近いが、フロントマスクの刷新で外観の見栄えはかなり異なる。先代型は電気自動車でなくては実現できない外観とするため、冷却用グリルを持たないフロントマスクとしていた。しかし新型はフロントマスクの中央部分をブラックにすることで、エンジンを搭載するクルマに似た顔つきにしている。良し悪しは見た人の感覚で異なるが、一般的なデザインになった。

ボディサイズは全長が4480mm、全幅が1790mm、全高が1540mmだから、先代型に比べると35mm長く、20mm広く、10mm低い。若干ではあるがボディを拡大した。

運転席に座るとボディサイズの違いはさほど気にならないが、先代型と同様にボンネットが見えず、寝かされたフロントウインドウによってインパネ上面の奥行が深い。この形状だとボディの先端位置や車幅が分かりくい。

サイドウインドウの下端の高さは今の日本車の平均水準だが、後ろに向けて持ち上げた。後方では下端の位置が先代型よりも30mmほど高い。ボディ後端のピラー(柱)も先代型と同様に太くデザインされたから、斜め後方が見にくい。今日の新型車の多くに当てはまる欠点で、新型リーフでも注意が必要だ。

インパネの視認性と操作性は平均レベルだ。カーナビやエアコンのスイッチも扱いにくさは感じない。

ただしATレバーは丸型で、スライド式ATレバーのクルマを使うユーザーは少し慣れを要する。eペダルのスイッチはATレバーの前側に装着されるが、エコモードのスイッチはインパネの右下にあり(車庫入れを支援するプロパイロットパーキング装着車の場合)、統一が取れていない印象も受ける。

シートの座り心地は好みが分かれるところ

内装の質感は満足できる。インパネにソフトパッドは使われないが、立体的にデザインされて見栄えは相応に良い。

好みが分かれるのはシートの座り心地だ。前席は背もたれやサイドサポートが柔らかく、リラックス感覚を重視している。座面は体が適度に沈んだところでしっかりと支えるからサポート性に不満はないが、今の日本車のシートとしてはフンワリとした座り心地だ。購入するなら実際に座って確認したい。

後席も同じく柔軟に仕上げた。床下に駆動用リチウムイオン電池を搭載するので、床の位置が高まり、座ると膝が大きめに持ち上がる。そのために先代型では後席に座る乗員の大腿部が座面から離れたが、新型は座面が柔軟だからフィット感が伴う。背もたれを含めて柔らかい座り心地は好みが分かれるが、膝の持ち上がる着座姿勢には合っている。

前後席の居住性は先代型とほぼ同じだ。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る同乗者の膝先には、握りコブシ2つ程度の余裕がある。頭上は握りコブシ半分程度だ。膝の持ち上がる座り方によって少し窮屈に感じるが、大人4名の乗車は妨げない。

荷室の容量は、先代型は370リットルだったが新型は435リットルに拡大した。荷室の張り出しを抑え、全長の拡大で奥行寸法も少し増したからだ。後席の背もたれを前方に倒した時は、広げた荷室の床に大きめの段差ができるが、5ドアハッチバックとして不満のない容量を備える。

ちなみに、他社で同じボディサイズにカテゴリーされるマツダ アクセラスポーツの荷室容量は364リットル、スバル インプレッサスポーツが385リットルだから(いずれも後席を使った状態)、ライバル車と比べても新型リーフの積載性に遜色はない。

日産/リーフ
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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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