新型「CX-8」「CX-5」「CX-3」を雪上で試乗|マツダが狙う動的質感向上の決め手は“躍度(やくど)”にあり!?(3/3)
- 筆者: 山田 弘樹
- カメラマン:茂呂 幸正
CX-3 2リッター“SKYACTIV-G”ガソリンエンジンならではの軽快な吹け上がりを堪能
一般道の部・後半は、2リッターガソリンエンジン搭載の「SKYACTIVーG2.0」を搭載したCX-3に試乗した。
ここで一番最初に感じたのは、ガソリンエンジンの気持ちよさ。
軽やかに吹け上がる様はディーゼルよりも一枚上手であり、実用域で積極的にエンジンを回す愉しさがある。CVTを使わずトルコンATにこだわっていることも、違和感のない加減速の気持ちよさにしっかりと役立っている。
シャシー面ではCX-8に対する車格的なステップダウン感と、躍度的にもひとつ前の世代といえるNVHに対するダンピングの弱さや、操作に対する応答遅れを感じたが、面白かったのは数分も経つとCX-8同様CX-3の動きがカラダに馴染んで、雪上でも緊張することなく動かすコツがつかめたことだった。
つまりここにはマツダが追い求めてきた「躍度」に対する完成度が、段階的に進歩している様子が見て取れる。そしてまたこのCX-3でも、現状の躍度へとキャリブレーションを図れば、まだまだ十分このプラットフォームが現役として使えることがわかった。つまり乗り始めてからクルマがカラダに馴染むまでの時間を短縮できれば、CX-3もCX-8同様リニアな躍度感が出せる。どうやらマツダには、その考えが既にありそうな気配ではあるが…。
で“躍度”とはいったいなんだ!? その答えとは・・・
要するに「躍度」とは、加速やブレーキング、そしてコーナリング時における「過渡領域」の特性である。そしてクルマを意のままに操るためにドライバーはこの躍度グラフを穏やかに立ち上げなくてはならないのだが、逆を言えばクルマ側も、その操作がしやすいものでなくてはならないのである。
そしてマツダは、ここに真剣に取り組んでおり、その成果が新型CX-8から確実に見え始めている。
だからCX-8は、評価が非常に高いのである。
[レポート:山田弘樹/Photo:茂呂幸正]
マツダ CX-8スペック
マツダ 新型CX-8主要諸元 | ||
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全長 | 4,900mm | |
全幅(車幅) | 1,840mm | |
全高(車高) | 1,730mm | |
ホイールベース | 2,930mm | |
駆動方式 | 2WD/4WD(i-ACTIV AWD) | |
乗車定員 | 6/7名 | |
エンジン種類 | SKYACTIV-D 2.2(水冷直列4気筒DOHC16バルブ直噴ターボ) | |
最高出力 | 190PS(140kW)/4500rpm | |
最大トルク | 45.9kgf・m(450N・m) | |
トランスミッション | 6速AT(SKYACTIV-DRIVE 6EC-AT) | |
燃費消費量 | <FF>15.8km/L(WLTCモード) | <4WD>15.4km/L(WLTCモード) | |
使用燃料 | 軽油 | |
サスペンション形式[前/後] | マクファーソンストラット式/マルチリンク式 | |
タイヤサイズ | 225/65R17・225/55R19 |
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