最新人気ミニバン 徹底比較(4/4)
- 筆者: 松下 宏
- カメラマン:原田淳
スムーズな走りとラグジュアリーな室内空間
上級ミニバンの中でも一番人気のモデルがエスティマ。発売直後の2月には1万台を超える売れ行きを記録し、販売ランキングの2位に躍り出たほどの好調さだ。エスティマの特徴は静かでスムーズな走りと、優れた乗り心地、ラグジュアリーな室内空間などにある。全高を抑えた新パッケージングを採用して走り志向を強めたとはいえ、エスティマの特徴はこうした点にある。
予算に余裕があるなら、V型6気筒3.5Lエンジンの搭載車を選びたいところ。豪快な走りや充実した快適装備が用意されるので、満足度の高いクルマになるからだ。でも3.5LのGにカーナビから安全装備まで、欲しい装備をいろいろと装着していくと、車両価格は500万円を超える。これでは簡単に買えるクルマにならない。ベースグレードの2.4Xに欲しいオプションを装着するのが現実的な買い方ではないか。
エスティマにもエアロパーツなどを装着したアエラスが設定されていて、高い人気を集めている。今回のモデルではアエラスのほうに充実したバリエーションが用意されているほどだ。ただ、アエラスはXに比べると20万円ほど高い。この分をオプション装備などに振り向けたほうが賢い買い方ができるだろう。2月下旬時点での値引きは10万円程度と渋めだ。3月に入ってどこまで拡大するか。
走り志向のユーザーも満足させる走行性能
新しいMPVは走りのしっかりしたミニバンになった。スポーツカーの発想でミニバンを作ったというキャッチフレーズもあながちオーバーではないように思えるほどだ。
自然吸気エンジンの搭載車でタイヤサイズによって2種類、さらにターボ仕様車用と、3種類の足回りが設定されている。一人で乗るなら18インチのタイヤを装着したターボ車の走りが楽しいが、高架道路の継ぎ目などでは突き上げも大きい。オデッセイほどの硬さではないが、家族を乗せての試乗が必要なクルマといえる。
自然吸気仕様車の足回りもけっこうしっかりした印象。ターボ車と乗り比べると柔らかいが、普通に乗ったら安定感の高いミニバンという印象受けるはずだ。
このように考えるとMPVでは23Cがお勧め。スポーティパッケージを選択するとエアロパーツと17インチタイヤによって12万円ほど高くなるので、あえて選択しなくても良いように思う。走り志向のユーザーにはスポーティパッケージに20万円を足してターボ仕様の23Tを選んだほうが良い。
発売当初は手堅い売り方をしていたMPVも3月に入って値引きが拡大しているとの情報もある。3月以降は旧型モデルほどではないが、20万円を超える値引き額になると見られる。
スポーテイな走りを志向するユーザーにイチ推し
スポーティな走りを志向するユーザーにはオデッセイがイチ推しのモデルとなる。エスティマやMPVがフルモデルチェンジを受けたばかりのため、動力性能のレベルこそ一番低くなってしまったが、ロールを抑えた安定感のある走りはオデッセイならではだ。ただ、アブソルートなどは乗り心地もかなり硬めになるので、家族と一緒に試乗して決めると良いと思う。
設計時点が古くなったのは不利な要素といえるが、逆に新型になったばかりのエスティマやMPVに比べると大幅な値引きが可能。40万円級の値引きだから、実質的な買い得感という点でもオデッセイがイチ推しのクルマになる。
お勧めグレードはL。ベースグレードのMでも良いのだが、快適装備の充実度の高いLを選んだほうが買った後で満足して乗れるので、長く乗るにはLを選んだほうが良いだろう。ただ、カーナビや安全装備などをオプション装着することを考えると、値引きを考慮に入れてもかなりの購入予算が必要になる。状況によってはMをベースに必要な快適装備をオプション装着するほうが良いかも知れない。
パワフルなエンジンを搭載し、エアロパーツを装着したアブソルートも良いが、これだと本体価格がL並みで快適装備の充実度が低いので、それをオプション装着すると予算総額がかなり多くなる。
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