エスティマ生産終了から2年! 後継車は未だ現れず 未来的な卵型フォルムはEVやFCVとなってよみがえる!?

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トヨタのミニバン「エスティマ」が2019年秋に生産を終了してから、早くも2年が経過しようとしている。Mクラスの「ヴォクシー」「ノア」とLクラスの「アルファード」の中間に位置したエスティマだが、他のミニバンとは異なる独自の個性で支持を集めていたモデルだ。一番のライバル車だった「ホンダ オデッセイ」も2021年中の販売終了を発表。ユーザーからは「次に乗り換えるクルマがない」との悲痛な声も聞かれる。そんなエスティマの次期モデルは、案外EVやFCVとなってよみがえってくるかもしれない。

目次[開く][閉じる]
  1. “ミニバン”の呼び名も定着していない1990年に現れた、未来的なフォルムの初代エスティマ
  2. 初代以来の卵型フォルムを貫き通し13年間販売された3代目エスティマは2019年末に生産を終える
  3. 流麗でカッコよいフォルムよりも、実用的で効率の良さが重視される時代に、エスティマの生きる道はないのか

“ミニバン”の呼び名も定着していない1990年に現れた、未来的なフォルムの初代エスティマ

トヨタのエスティマは、まだ世の中で“ミニバン”という言葉が浸透するはるか前の1990年に誕生した。初代モデルは、卵型の未来的なフォルムで、床下にエンジンを配置し3列シートをレイアウトした独特のパッケージングが特徴だ。ハイエースなど四角い商用1BOXバンから派生するワゴン車しかなかった時代に、文字通りの衝撃的なデビューを果たしたのだった。

その後、車幅を狭めたエスティマ エミーナ/ルシーダも追加したことで、年間10万台規模で販売を維持しながら、初代エスティマは2000年まで10年間に渡り生産された。

2代目エスティマは2000年に登場 ピーク時には年間12万台以上を販売するヒット作に

2000年に登場した2代目は、一般的なフロントエンジンレイアウトに変更。フォルムだけを継承したと、一部のカーマニアは揶揄したものの、販売面では好調。2000年の発売初年には12万台以上と、初代以上の好調な立ち上がりとなっている。その後ハイブリッドモデルを追加するなど、先進的なフォルムに相応しい進化を遂げながら、2006年に3代目へバトンタッチ。

その頃既に主流となっていた箱型のミニバンとは一線を画す卵型フォルムは健在で、引き続き独自路線を貫いた。この3代目エスティマは2019年まで、およそ13年に渡り生産された長寿モデルとなった。

初代以来の卵型フォルムを貫き通し13年間販売された3代目エスティマは2019年末に生産を終える

人気モデルと語られるエスティマだが、上記の通り3代目エスティマは13年間モデルチェンジをせず、生産を維持し続けた、というのが正しい説明かもしれない。

デビュー年の2006年こそ年間9万5640台を売った3代目エスティマだったが、その後の売れ行きは下降の一途をたどっている。

2016年には大規模なマイナーチェンジを実施し、内外装デザインのリフレッシュや、先進運転支援機能「TOYOTA Safety Sence(トヨタセーフティセンス)」の採用などで刷新されたが、翌年2017年の年間販売台数は1万3904台(月平均1159台)に留まる。

例えば同期間、Mクラスミニバンのヴォクシーは年間8万8753台(月平均7396台)、Lクラスミニバンのヴェルファイアは年間4万6399台(月平均3866台)を売っていることを考えると、3列シートミニバンの需要自体は旺盛な状況。

ちなみにライバルのホンダ オデッセイは2013年9月にフルモデルチェンジし、デビュー4年目となる2017年の年間販売台数は2万832台(月平均1736台)。やはり同社のステップワゴン、年間4万6457台(月平均3871台)には及ばない。

流麗でカッコよいフォルムよりも、実用的で効率の良さが重視される時代に、エスティマの生きる道はないのか

1990年にエスティマが登場し、次いで1994年に初代オデッセイが誕生したことでブームの先駆けとなった3列シートミニバンは、各社から2000年初頭には大小さまざまなモデルが登場。ミニバンブームのピークを迎えた。

しかし2010年頃からは早くも淘汰が始まる。そんな中で唯一売れ行きを維持し、いつしかミニバンの主流となったのは、ヴォクシーやステップワゴンなどのMクラスミニバンだった。

5ナンバーサイズの扱いやすいサイズ内に背が高く四角いボディを与えることで圧倒的に広い室内空間を生み出す、高効率なパッケージングを特徴としている。

それに対しエスティマやオデッセイは、室内の広さをそこそこに抑え、効率よりも流麗なフォルムを重視したことが災いし、時代のニーズから取り残されてしまったのだ。

四角いクルマばっかりの世の中だけど、近未来のEVは、なぜだかエスティマみたいな格好をしている気がする!?

リーマンショックや大震災などを経て、ユーザーはクルマに対し効率を特に重視し始めた。軽自動車の売れ行きも乗用車全体の4割近くになって久しいが、軽で最も売れているのは、やはり背高で後席にスライドドアのある効率重視なタイプばかりだ。

SNSをのぞいてみると、そんな風潮を嘆く声は少なくない。

「四角いクルマばっかだ」

「クルマに”カッコいい”は求められていないのか」

「クルマに趣味性を求める人は外車に行くしかないのか」

といった感じである。

夢のあるカッコいいデザインのクルマを求めるニーズは、まだまだある。例えば、薄いバッテリーを床に敷き詰め、EV(電気自動車)に進化した次期型エスティマなんて、不思議と容易に想像出来るのが面白い。

どう考えても格好良さそうな、そんな近未来のエスティマが一日でも早く現れることを楽しみに待ちたい。

[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル/撮影:TOYOTA]

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トクダ トオル(MOTA)
筆者トクダ トオル(MOTA)

昭和44年生まれ。週末は愛車に乗って(時に鉄道に乗って)家族とともにドライブやキャンプを楽しむ1児のパパ。自動車メディアに携わるようになってから15年余りが経過。乗り換えに悩むユーザーの目線に立った平易なコンテンツ作りを常に意識し続けている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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