ボルボ 新型V60クロスカントリー 海外試乗|美し過ぎる北欧の銀世界でゲレンデエクスプレスの限界に挑戦(2/2)

  • 筆者: 山本 シンヤ
  • カメラマン:ボルボ・カー・ジャパン
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新型V60クロスカントリーの走りを北欧の銀世界で徹底的に試してみる

地上高はアップしたがV60と変わらぬスポーティな走り、そして快適性も兼ね備える

スパイクタイヤを履いた新型V60クロスカントリーの走りはどうだったのか?

一般論では、ステーションワゴンベースのクロスオーバーSUVはベース車よりも穏やかな方向にセットされることが多く、兄貴分のV90クロスカントリーもそのような印象を受けたが、V60クロスカントリーはちょっと違っていた。走りの印象はベース車と変わらずレスポンス重視で軽快、初期ロールを抑えたスポーティな味付けに仕上がっている。つまり、エクスキューズなしに「目線が高いステーションワゴン」なのだ。

その一方で、快適性はスパイクタイヤを履いているにも関わらず非常に高いレベル。特に路面の凹凸のいなし方などは「可変ダンパーいらず」に感じた。

もっとパワーが欲しくなる高いコントロール性

氷上はESPスポーツモードで走行したが、いい意味で裏切られた。基本的には安定志向ではあるものの、ドライバーが適正なキッカケを与えるとダイナミックな姿勢変化も可能。特設コースと言うことで3速全開でコーナーに侵入→テールが流れる……と言うような状況もあったが、そんな時でも穏やかな挙動とコントロール性の高さに「おまえはスポーツワゴンか!?」と錯覚したくらい(笑)。

ちなみに普通に走る限りは十分以上のパフォーマンスのパワートレインだが、この時ばかりは「もう少し力が欲しい!!」と思ってしまった。そういう人のために、ポールスター・パフォーマンス・ソフトウェアも用意されている。

AWDや電子デバイスの巧みな制御に感銘

更にAWDシステムの巧みな制御にもビックリ。ESCとの協調制御も相まって、車両の安定状態を保ちながら運転者の意図するコーナリングになるように前後駆動力の適切なトルク配分をリアルタイムで制御。ボルボには似合わない(!?)ゼロカウンター・ドリフトも楽々。

また、オンデマンド式のAWDの場合、過酷な走行条件では電子制御多版クラッチが熱で音を上げることが多いが、V60クロスカントリーは1時間近く元気に走っても一切問題なかった。

「ボルボは安全、長距離走行が楽」と言われるが、普段は決して表に出る事のないこうした限界走行での“懐の深さ”も一役買っているのは間違いない。まさに「性能を極めると安全になる」を体現していることが、北欧の銀世界で体感した非日常の試乗で理解できたような気がする。グループAやWTCCでチャンピオンを取ってきたのはダテではない。

一方、オフロード性能もナンチャッテレベルではなく、急な下り坂や斜面の走行などは重心の低さと言った素性の良さや適切に設定されたアプローチアングル/デパーチャーアングル、そして電子デバイスの巧みな制御も相まって、下手なクロスオーバーSUVよりも上だと感じた。

新型V60クロスカントリーをオススメしたいのはこんな人

結論、「クロスオーバーSUVは興味があるけど走りもまだまだ楽しみたい」と言う欲張りな人にピッタリな選択だろう。ジャーマン3からの乗り換えはもちろん、日本車からの乗り換えもお勧めしたい。

中には「輸入車はハードルが高い」と言う声も聞くが、輸入車初の5年保証やアクティブローン/スマボなどニーズに合わせた様々なファイナンスプログラムも用意されているので安心である。

AWDの巧みな制御とコントロール性、そしてスポーティかつ快適な走り。新型V60クロスカントリーはまさに新時代の「ゲレンデエクスプレス」と呼びたい。

[筆者:山本シンヤ/撮影:ボルボ・カー・ジャパン]

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山本 シンヤ
筆者山本 シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車雑誌の世界に転職。2013年に独立し。「造り手」と「使い手」の両方の気持ちを“解りやすく上手”に伝えることをモットーに「自動車研究家」を名乗って活動をしている。西部警察は子供時代にリアルでTV放送を見て以来大ファンに。現在も暇があれば再放送を入念にチェックしており、当時の番組事情の分析も行なう。プラモデルやミニカー、資料の収集はもちろん、すでにコンプリートBOXも入手済み。現在は木暮課長が着るような派手な裏地のスーツとベストの購入を検討中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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