ボルボ 新型XC40 Momentum/Inscription 試乗│いよいよ大幅デリバリー間近!XC40最大の推しグレードが登場

意外にウケなかったの? いいえ「世界で売れすぎてて生産が追いついてない」のです!!

今年2018年2月に予約が開始され、3月に販売がスタートしたはず、なのに!

そして相当なる注目車種であったハズ、なのに!

なぜか街中遭遇率の異様に低いクルマ、それがボルボのSUVシリーズの末っ子、XC40。

かくいう筆者も国際試乗会に参加し、そのあまりの完成度(コンセプトも走りも!)に感激した末「もう売れる予感しかしない」なんてくらいの記事書いてたのに、コレは一体どうしたことか。意外にウケなかったのか。

……いんや、ちゃいます。

答えはズバリ、「世界で売れすぎてて生産が追いついてない」という一言に尽きるんです! そう、このXC40、欧州はモチロンのこと、広大なマーケットを誇る中国や北米でも販売されているモデル。つまり世界中で争奪戦が繰り広げられている、というワケ。

事実、日本においても待ちわびるユーザーからのラブコールは絶えず、国内受注台数は2018年9月27日現在で3,024台。にもかかわらず登録台数は800台に満たず、さらに実走しているのは400台程度、と、需要ラインと供給ラインの乖離すること甚だしい内情がある。

世界中で引っ張りダコな理由は、もう、乗ったら一発で納得しちゃうはず

な〜んていうこのタイミングで「導入時に試乗してもらった“ファーストエディション”以外の試乗車がやっと導入されたので、乗りに来ませんか」とお声がけを頂戴したので「え、でも記事書いてもモノがないなら意味ないんじゃ……」なんていう一抹のギモンを抱きつつも、いそいそと出掛けてきたのでレポートしたい。

結果、「やっぱりイイ!待つ価値めちゃアリ!」と再び感激することとなり、どうしてもこの感動をシェアしたくなっちゃったんだから、やっぱりXC40はスゴイ。世界中で引っ張りダコな理由は、もう、乗ったら一発で納得しちゃうはずだから!

そして、モデルイヤー制を採用するボルボ・カー・ジャパンには、今回の試乗車とともに2019年モデルが到着したそうだから、大幅にデリバリーが進みそう。

街で見かけて、心射抜かれちゃった貴方も是非、ここでXC40への気持ちをアゲて欲しい。

XC40から小型車用最新プラットフォーム「CMA」が新採用

さて、少しおさらいをしておくと、XC40は冒頭にも書いた通り、ボルボのSUVファミリー中最も小さいボディーを持つ、末っ子に当たる。

兄貴分であるフルサイズSUVがXC90、そしてミドルサイズはXC60となり、余談だがこの兄貴分2モデルも世界中で大人気となっている。

この偉大なる長兄2モデルと末っ子XC40の大きな違いは、ずばりプラットフォームだ。

XC90とXC60がSPAプラットフォームという中〜大型モデル用のソレを使用しているのに対し、XC40はまさにこのXC40からのスタートとなるCMA(Compact Modular Architecture)という小型車用プラットフォームを採用した。

これによって小型車(具体的には40シリーズ)にもモジュラー化がスタートすることを示唆し、さらに電動化やフルEV化までを視野に入れていることも発表されたから、このCMAは今後も注目を続けてほしい。

具体的にイマのユーザーメリットとしては、SPAとCMA、ふたつのプラットフォーム間でテクノロジーを共有出来る、ということが挙げられる。つまり、モジュラー化されたからこそ、ボルボの誇る先進安全技術やまた、美しいインフォテイメント、車載ネットワークなどを、上級モデルとシェアすることが可能になったのだ。

3兄弟の中でもXC40はカジュアルで親しみやすいイメージ

そんな上質さを備えた上で、XC40には他の上位モデルにはない、特別な個性を手に入れている。

ものすご〜く乱暴にかつわかりやすく言えば、めっちゃイマっぽい、のだ。

イメージするコアターゲットは、そうね、青山あたりのスターバックスを拠点にし、フレックスタイムでノマドワークをこなす、有能かつある程度の収入を確保したシステムエンジニア、趣味はワークアウトとアウトドア、的な感じかな。

つまり流行のツボがっつりと抑えた、キラキラパッケージが叶えられているんである(ノマドワーカーにシンデレラフィットのストレージは、過去記事をご参照下さい!)。

ほかのボルボの上位モデルがスーパークリーンなオペ室のような、ある種潔癖なまでに洗練された室内空間を誇るのと違って、XC40はもうちょっとカジュアルで親しみやすいようなイメージだ。

事実、以前インタビューした本国の開発チームも話していた。

「XC90、XC60、そしてXC40の違いは、ボディーサイズや価格で表現されるものではありません。XC90は革のビジネスシューズ、XC60はスエードのシューズ、XC40は上質なスニーカー。それぞれにキャラクターが与えられていますから、ユーザーには自分のライフスタイルに合わせて自分に似合う靴を選ぶように、ボルボを選んで欲しい」

ベーシックな「モメンタム」こそが最大の推しモデル!

実は、XC40のモデル内のグレード構成にも、同じようなユニークな手法が採用されている。

つまり、一番高いグレードが、一番贅沢なモデルでは、ある意味ない、ということだ。

先行導入モデルである「ファーストエディション」以降、カタログモデルは以下のようになる。

まずエンジンはT5とT4の2種類。

どちらも2リッター直4ターボで8速ATの組み合わせだが、T5は252ps、T4は190psと、出力違い。ほぼAWDだがT4にのみFFが用意されている。

低出力のT4は一番価格の安いベーシックな17インチの「T4」、18インチタイヤを装着した「T4 モメンタム」(前述のFFとAWDの2種類)、そして19インチタイヤを装着したスポーティーなグレード「T4 AWD R-design」、同じく19インチの最上位バージョン「T4 AWDインスクリプション」と、ほぼすべての選択肢を持つ。

が、高出力のT5はAWDとの組み合わせで「R-design」と「インスクリプション」にしか設定されていない。

となると、「モメンタム」は単なる廉価グレードなのか、と思われがちだけれども、実はコレこそ私の最大の推しモデル。

何故ならばいっこも安普請感がない! むしろオシャレすぎて胸キュンしてしまうから!という点に尽きる。

単に高い安いが良い悪いに直結しているのではない

まず、最もアイコニックなパートである、カラーリングを見てみよう。

かの往年の同社の名車「アマゾン」からインスパイアされたというその名も「アマゾン・ブルー」はこの「モメンタム」の専用色だし、XC40のキャラを最も雄弁に語る(と私は思っている)ホワイトルーフ&ホワイトミラー&ホワイトホイールの3点セットも「モメンタム」専用。

しかも、このホワイトホイールを選択すると、なんと自動的に19インチにインチアップするんだから、見栄え最高だ。

さらに「モメンタム」の内装は、白基調。「R-design」ではドアの内張りが黒かオレンジの濃い色設定になるが、「モメンタム」と「インスクリプション」では白っぽい淡グレーが選択肢として用意される。

シートも同色のファブリックとレザーのコンビが使用されていて、これがかなり上質かつ温かみもあり、そしてなによりふわっふわ!なのだ。そうそう、オールド・ボルボのシートってこんな感じだったよね!なんて、240GLあたりを思い出しちゃう感じ。

オプション設定にはなるが、ハーマンカードンのオーディオを選択することも可能だし、インフォテイメントや先進安全技術はすべて同じモノが用意されるからその点でも見劣りすることはない。

よって、白基調のややカフェっぽいエクステリア&インテリアを望むなら、断然コレしかない!なんて思ってしまった私だ。

むろん、価格的にはその上行く「R-design」ならブラックルーフの2トーンカラーリングを選べるし、「インスクリプション」はノーマルにワントーンのボディーカラーでこれはこれでアーバンな雰囲気。上位グレードになるとシートもレザーになるから、コンサバティブな室内空間を堪能出来る。正直ここまで来ると好みで選んで下さいとしか言えない。

というわけで、話はようやく収束に向かうが、XC40においては、単に高い安いが良い悪いに直結しているのではない、ということだ。これこそが北欧らしい洒落心ではないかなと思った次第だ。

競合車に比べるとやや大きいボディサイズも、見た目以上に小回りが効く

さて、肝心の走りについて。

今回の試乗ではT4のAWDの2台、「モメンタム」と「インスクリプション」、双方19インチを選択したが、やっぱりとても良かった。

このボディーサイズで見た目重視の20インチあたりを履かせると、格好は良いのだけどやはり乗り心地がよろしくない。

そのへん、19インチは双方がうまく両立されている良き落とし所だ。静粛性も高く突き上げもなく、程よいインフォメーションはあるけれどアタリ柔らか。さらに乗り心地を追求するなら、「モメンタム」の標準装備で18インチが用意されているので、そちらもむしろ良いかもしれない。

XC40は競合車に比べるとややボディサイズが大きい。そのへんの取り回し感だが、これは心配するに及ばなかった。

これもシャシー由来の理由なのだが、ハンドルのキレ角が大きいので、見た目以上に小回りが効く。さらに360度ビューカメラやパークアシストなども充実しているので、慣れも早いと思う。

出力を抑えたT4エンジンだが、これも街中でクルーズするには十二分のパワフルさだ。スカスカもしなけれ有り余るわけでもなく、こっちもエエ塩梅。

むしろT5はキャラに似合わないくらいに速く、トルクもモリモリで元気だから、毎日しゃかりきに山道走ります!みたいな人ではない限り、燃費面でもアドバンテージのあるT4を選択するのは、ベストだと感じた。

ただし、これはT5にも言えることだけれど、エンジンサウンドはわりと勇ましく車内に入ってくる。この辺がどうしても気になるなら上位モデルをどうぞ、ということだと思う。

「ブリッジSMAVO(スマボ)」で、新車2モデルを短期間で乗り継ごう!

とかく好みのパッケージすぎて、XC40に関しては語ることが尽きないのだけど、最後に朗報を。

今、これだけ在庫がないのにもかかわらず、ボルボ・カー・ジャパンが好調を続けている理由に、ユニークな販売戦略がある。

残念ながら、今オーダーしたところで到着は来年中旬あたり(見込み)。じゃあおめえ、そこまで待てって言うのかよう!というフラストレーションはごもっとも。

しかし今、ボルボでは購入者を対象に、納車待ちの間、他の即納車を超低額でリース出来るシステム「ブリッジSMAVO(スマボ)」があるのだ。つまり、実質、追い金ナシで新車2モデルを短期間で乗り継げるという、クルマ好き垂涎のプログラムってこと!

さあ、迷う理由はない!安心して待って下さい!

[Text:今井 優杏/Photo:和田 清志]

ボルボ XC40(試乗車両) 主要スペック

グレード

XC40 T4 AWD Momentum

XC40 T4 AWD Inscription

全長×全幅×全高

4425×1875×1660mm

ホイールベース

2700mm

車両重量

1670kg

乗車定員

5人

エンジン種類

水冷直列4気筒DOHCターボチャージャー

排気量

1968cc

最高出力

140kW(190PS)/4700rpm

最大トルク

300N・m(30.6kg・m)/1,400-4,000rpm

駆動方式

AWD(常時全輪駆動)

トランスミッション

電子制御前進8速A/T(ロックアップ機構付)ギアトロニック

JC08モード燃費

13.2km/L

価格(消費税込)

459万円

499万円

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今井 優杏
筆者今井 優杏

自動車ジャーナリストとして、新車や乗用車に関する記事を自動車専門誌、WEBメディア、一般ファッション誌などに寄稿しながら、サーキットやイベント会場ではモータースポーツMCとしてマイクを握り、自動車/ モータースポーツの楽しさ・素晴らしさを伝える活動を精力的に行う。近年、大型自動二輪免許を取得後、自動二輪雑誌に寄稿するなど活動の場を自動二輪にも拡げている。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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