新型ノア&ヴォクシーは2世代以上進化した! エンジンや内装の使い勝手、先進安全装備などの進化ポイントをまとめて解説

  • 筆者: 青山 尚暉
  • カメラマン:島村 栄二/MOTA編集部
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トヨタの新型ノア&ヴォクシーが注目を集めている。先代と比べて大きく進化した点は先進安全装備を含めいくつかあるが、今回はミニバンマイスターことジャーナリストの青山尚暉さんに進化度合いを解説してもらった。

目次[開く][閉じる]
  1. 先代モデルのプラットフォームは1990年代のものだった
  2. 新型モデルはデザインを刷新! パワートレインも新しいものが採用された
  3. 利便性も抜群! 車内の使い勝手と先進安全機能も高まった

先代モデルのプラットフォームは1990年代のものだった

2022年1月。日本の多人数乗車可能なファミリーカーの主役ともなるMクラスボックス型ミニバンの1台、トヨタ ノア&ヴォクシーが4代目となって登場した。

2014年デビューの先代モデルは2017年のビッグマイナーチェンジで顔つきを一新し、走りにかかわる面でもロードノイズの侵入を遮断するフロントドアのシール材を追加したほか、空力パーツの付加、ボディー剛性の向上、足回りの改良にまで手が入り、快適性、静粛性、乗り心地、操縦安定性の領域にまで踏み込んだ改良を実施。

商品力を高めてはいるのだが、トヨタセーフティセンスは旧来型のトヨタセーフティセンスCのまま。ライバルはもちろん、軽自動車にさえ用意されるACC(トヨタはレーダークルーズコントロールと呼ぶ)などが付かず、先進運転支援機能では大きく後れをとっていたのである。

が、この新型ノア&ヴォクシーは一気に2世代分の進化を遂げた、ライバル驚愕の新型に生まれ変わったと断言できる。なにしろプラットフォームは3代目までは90年代に遡る、トヨタのミニバン、ホンダの初代オデッセイのライバルでもあったイプサムのものを使い続けてきたのだった。

新型モデルはデザインを刷新! パワートレインも新しいものが採用された

それが、開発主体が、ノア&ヴォクシーとして初めてトヨタ本体からトヨタ車体に移管した新型では、トヨタ最新のTNGA、GA-Cプラットフォームに刷新。ボックス型ミニバンは顔つきが命!? だが、ノアは2017年のビッグマイナーチェンジ後に近い太い横バーデザインを踏襲する一方、ヴォクシーのほうはまったく新しい、立体感と個性を発散する、妖しく光るライト類を用いた、一段とアグレッシブな表情、弩級のオラオラ顔へと進化しているのだ。ノア&ヴォクシーどちらが新型らしいかと問われれば、筆者はヴォクシーと答える。また、グレードも整理され、ノアは標準車とエアロモデル、ヴォクシーはそのキャラクターを反映したエアロモデルのみとなっている。

パワートレーンは、ガソリン車はおなじみの2リッターガソリン、ダイナミックフォースエンジン、170馬力、20.6kg-mと8速シーケンシャルシフトマチックの組み合わせ。が、ハイブリッドの方は、トヨタのハイブリッドシステムとして最新の第5世代となるものを先行投入。その内容は、モーター16%、バッテリー15%の出力アップを果たすとともに、Xグレードで23%もの燃費向上が計られ、WLTCモード燃費はこれまたクラストップレベルの最高23.4km/Lを達成しているのだ。

駆動方式も新しい。ガソリン車の2WDと4WDが用意されるのは先代同様だが、ハイブリッドは2WDとともに、先代になかったE-Four、つまり電気式4WDを新採用。しかもリアモーターはプリウスなどの磁石レスではなく、従来比約6倍の出力、約1.5倍のトルクを発生する磁石入りに変更。前後トルク配分は60:40から20:80まで可変するというから4WDとしての走行性能、発進性能が大きく向上していることは間違いないと見ていいだろう。

利便性も抜群! 車内の使い勝手と先進安全機能も高まった

そしてパッケージ面でも、先代ノア&ヴォクシーの売りだった2列目キャプテンシートの超ロングスライドが、シートの中寄せなしで810mmものスライドを可能にしている点も新しい。

使い勝手では、まずは3列目席の格納方式が変わった。先代もワンタッチで左右に跳ね上げるところまではできたのだが、固定は手動。ベルトで固定する操作はけっこう力が必要だった。が、新型では固定までワンタッチ。女性には特に喜ばれそうだ。

そしてバックドアの開閉機構にもアイデアが盛り込まれている。ボックス型ミニバン最大のウィークポイントは、車体後方にスペースのない場所で、バックドアが開けにくいこと。それを、新型ノア&ヴォクシーでは世界初のケーブル式となる”からくり”を用い、任意のところでバックドアを止めることができるようになっている。これなら車体後方にスペースがなくても、荷物の出し入れが容易になるわけだ。

先代最大の弱点だった先進運転支援機能に関しては、もはやトヨタ最新、最先端の技術がトヨタセーフティセンスとして盛り込まれている。センサーの検知範囲をトヨタ アルファードの約2倍!!に拡大した内容で、全車速追従機能付きレーダークルーズコントロール=ACC、交差点衝突回避支援、フロントクロストラフィックアラート、レーントレーシングアシスト、緊急時操舵支援など、最先端の機能をフル搭載。

ACC使用時に渋滞に遭遇し、自動停止したあとの再発進も、ステアリングコラム上にあるふたつのドライバー監視カメラ(下のメーター写真の手前に見えるふたつのピンク色に光る部分)が見ていることで、ドライバーが前を向いている限り、なにもしなくても自動再発進してくれるのだから便利この上ない。

さらに、トヨタセーフティセンスに含まれるプロアクティブドライビングアシストに注目だ。歩行者の飛び出しなどを先読みし、運転操作をサポートしてくれるほか、先行車やカーブを認識し、レーダークルーズコントロール=ACCを使わずとも、自動減速まで行ってくれるのだから完璧である。

また、オプションになるものの、トヨタ最先端のトヨタチームメイトも用意。スマホによる自動駐車、出庫支援が可能になるだけでなく、自動車専用道路(高速道路)の同一車線において、レーダークルーズコントロールとレーントレーシングアシスト作動時限定で、約0-40km/hの速度域においてなんと自動運転レベル2に相当するハンズオフドライブを可能にしてくれるのだからすごすぎる!! (ハンズオフドライブはトヨタ ミライにも搭載されるが、こちらは同一車線&0-40km/hの作動に絞り、コストダウン) 繰り返すが、先進性において一気に2世代以上進化した、ライバル驚愕の新型ノア&ヴォクシーなのである。

次回はいよいよ実走行での進化具合を紹介しよう。

【筆者:青山 尚暉】

トヨタ/ヴォクシー
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新車価格:
309万円396万円
中古価格:
14.8万円663.8万円

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青山 尚暉
筆者青山 尚暉

学生時代はプロミュージシャン、その後自動車専門誌2誌の編集を経てフリーのモータージャーナリストに。現在は自動車業界だけでなく、愛犬のラブラドールとジャックラッセルとともに、愛犬との快適で安全なクルマ旅を提案するドッグライフプロデューサーとしても活動中。また、クルマのパッケージを寸法で比較するため、独自の計測ツールを開発。1台につき25項目以上を詳密計測。実用性の目安として、記事中で展開している。現在、自動車用純正ペット用アクセサリーの企画、開発も行う。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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