スバル WRX STI S208独占試乗レポート| 価格710万円の究極ロードゴーイングSTIを徹底評価!(2/3)
- 筆者: 河口 まなぶ
- カメラマン:茂呂 幸正
セッティングは通常ルーフ用とNBRチャレンジパッケージの2種類
実際、走り出すとエンジンのフィーリングが極めてスムーズなことがすぐに感じられる。アクセルの踏み込みに対してレスポンスよく、そして何の引っ掛かりも感じさせずに回転が高まっていく様子が存分に感じられる。
そして走り出して次に感じるのは、サスペンションの秀逸さだ。
足回り系では、フレキシブルサポートリアやフレキシブルタワーバー&ドロースティフナーおよびサポートフロントキットを与えた上で、S207でも使ったダンプマチックIIをさらにリファインしている。
セッティングは2種類。つまり、通常ルーフ用とNBRチャレンジパッケージにおけるドライカーボンルーフ用できめ細やかにセッティングは変えられているという。
さらにいえば、VDCもS208専用のセッティングがなされており、トラクション・モードではノーマルのWRX STIのD型は、旋回内輪の前輪にトルクベクタリングを行なっていたが、S208の場合は前後輪にトルクベクタリングを行なって、より旋回能力を高めている。
そして静粛性対策としては、遮音材が入ったフロントガラスを採用したほか、装着タイヤのダンロップ・スポーツマックスも吸音スポンジを採用したタイプを与えている。
実際に走り出すと、これほどのハイパフォーマンスモデルにも関わらず静粛性は良好で、乗り味の良さも含めて上質な感覚が届けられることに気づく。この辺りはまさに、ロードカーとしてみた場合に評価できるクオリティの高さだ。
普通に走らせていれば、本当に上質で大人っぽいスポーツモデルの走り
高い旋回性能を引き出し、圧倒的な運動性能を実現するモデルだけに、のり心地は当然硬い。
しかしながら、路面からの衝撃やそこから生まれる振動がうまく丸められていることはすぐに確認できる。だから大きな段差や荒れたところでは身体が揺すられる感覚が当然あるが、それでも可能な限り上質さを作り上げようとしていることも同時に分かるのだ。
そうして滑らかなエンジンとロードカーに相応しい乗り味走り味によって、荒れた群サイをS208はスイスイと駆け抜けていく。普通に走らせていれば、本当に上質で大人っぽいスポーツモデルの走りが、そこに生まれていることを感じるだろう。
しかしもちろん、S208の本懐はそこではない。次の周は、SIドライブでS#を選び、可能な限りのペースで走ってみることにした。
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