大人のサイフをズバズバ刺激!「トミカリミテッドヴィンテージ」シリーズの誕生秘話に迫る[トミーテックのすべて Vol.1]

おもわずオトナ買いしたくなるミニカー「トミカリミテッドヴィンテージ」のルーツを探る

クルマ好きの皆さんの中には幼少期に買ってもらったミニカーが原体験、という人も少なくないだろう。といっても欲しいミニカーを全て買ってもらえた人は少ないだろうから、その反動で大人になってからミニカーを大人買いしてしまっている人も多いハズ。

そんな大人のサイフからお小遣いをドンドン吸引しているのが、トミーテックが毎月新作をリリースしている「トミカリミテッドヴィンテージ」シリーズであることは間違いないだろう。

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元々は子ども向けのおもちゃであった「トミカ」とは一線を画し、大人の鑑賞にも耐えうるクオリティを持つ「トミカリミテッドヴィンテージ」シリーズは、2004年にシリーズがスタート。来年2019年には15周年を迎える人気シリーズであることは説明不要だが、意外と成り立ちを知らないユーザーは多いのではないだろうか。

実は、筆者もそのひとりであり、そのモヤモヤを晴らすためにも早速トミーテックへと足を運んできた。

たった一人で立ち上げたトミカリミテッドヴィンテージ

今回、お話をお伺いしたのは、トミーテック企画開発部企画3課課長の小林新吾さん。一部メディアからは「黒幕さん」の愛称でも知られる自他共に認めるカーガイである。

そもそも小林さんは2000年にトミーに新卒として入社。イベント課に配属され、ちょうど当時30周年を迎えていたトミカの記念イベントで東奔西走していたそうだ。

「トミカエブロ」のスマッシュヒットが大人向けミニカーの製品化を後押しする

時を同じくした2001年にはトミーホビー事業部の業務全般、および精密鉄道模型TOMIXのブランドをトミーテックへ継承。大人向けのアイテムはトミーテックからリリースされることとなる。

同時期にエブロの金型を使って作られた「トミカエブロ」シリーズがリリース。これがスマッシュヒットを記録したため、大人向けのミニカーに本腰をいれて作る計画が立ち上がった。

その頃、小林さんが2000年にトミーへ入社する際、面接官を務めていた人事部長だった人物がトミーテックの社長になっており、この人物が小林さんをトミーテックへ呼び寄せた。

実はこれには布石があり、面接時に小林さんがクルマに関わることをやりたいとアツくアピールしていたことを覚えていたからだそうで、小林さんにとってはまさに渡りに船。トミーテックへ異動するとともにトミカリミテッドヴィンテージの草案となる企画書を作り上げたのだ。

子供向けではなく、大人向けのホビーとして

トミー時代に多くのユーザーやバイヤーに触れてきた小林さんは、2001年からリリースされていたレギュラートミカの塗装、パーツ、タイヤ、ホイールなどをよりリアルに仕上げた「トミカリミテッド」シリーズに着目。

当時のトミカリミテッドは、トミカをベースにデコレーションを加えたものだったが、よりしっかりディティールに拘ったものをリリースすれば、間違いなくヒットすると目論んだのである。

トミカは箱のサイズに合わせて縮尺を変えていたのに対し、トミカリミテッドヴィンテージは1/64スケールに統一(のちに1/43シリーズも追加)。これは、ホビーとして考えたとき、実車の大きさが反映されることが面白いと考えたからだった。

また、上層部からはトミカと同様にドアの開閉ギミックなどを盛り込むように指示があったそうだが、そうするとドア周りのデフォルメがきつくなりディティールが再現できなくなると頑なに拒否。結果的にそれがクオリティを上げる結果となっている。

そして、2004年1月にトヨペット クラウン(RS40型)、プリンス グロリア(S40型)、日産 セドリック(30型)の3車種6パターンでトミカリミテッドヴィンテージシリーズがスタートし、現在まで続く大ヒットシリーズとなっている。

ちなみに小林さんは最初のリリースとしてブルーバードやコロナなどの当時の大衆車を予定していたそうだが、1/64サイズにするとコンパクトになりすぎてインパクトに乏しいという理由から、高級車からのスタートになったそうだ。

2008年からは2名体制に

結果的に小林さんのひとり部隊だったトミカリミテッドヴィンテージシリーズ。当初は企画立案から、損益計算書の作成、自動車メーカーとのやり取り、実車取材、金型の修正、パッケージのラフまで全て一人で行っていた。

好きなことをできるから全然苦ではなかったと小林さんは語るが、会社としてはひとりの双肩にトミカリミテッドヴィンテージを任せていくわけにもいかないということで、2008年からは新たに1名が加わり2名体制へとなっている。

この新たな1名も小林さんに負けず劣らずのマニアっぷりを発揮することになるのだが、それはまた次の機会へ取っておきたいと思うので、ご期待いただきたい。

[Text:小鮒 康一/Photo:トミーテック]

VOL.2は”あの”シリーズ!

トミカリミテッドヴィンテージのヒットで、遂に”あの”シリーズが始動した・・・

次回”あの”シリーズとは一体!?・・・(って、バレバレですが・笑)

少年たちが憧れた西部警察シリーズをトミカリミテッドヴィンテージで完全再現![トミーテックのすべて Vol.2]

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小鮒 康一
筆者小鮒 康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後に急転直下でフリーランスライターへ。国産旧車に造詣が深いが、実は現行車に関してもアンテナを張り続けている。また、過去に中古車販売店に勤務していた経験を活かし、中古車系の媒体でも活動中。最近では「モテない自動車マニア」の称号も獲得。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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