ホンモノのレーシングカーに乗って触って感じられる!「モータースポーツジャパン2019」【動画レポートあり】

モータースポーツの楽しさと魅力を東京・お台場で体感

2019年4月6日(土)7日(日)に、東京お台場の青海地区特設会場にて、「モータースポーツジャパン 2019 イン お台場」が開催された。このイベントは、国内自動車メーカーやレース関連団体、JAF(日本自動車連盟)などが中心となって組織される「日本モータースポーツ推進機構」の主催で2006年から開催され、今年で14回目を迎える。天候によってスケジュールの変更を余儀なくされた昨年とは違い、両日とも晴天に恵まれた。

普段滅多にお目に掛かれない本物のF-1マシンやGTカー、ラリーカーといったレーシングカー、ヒストリックカーを間近で見られるほか、プロドライバーによる体験走行も行われる。さらに現役で活躍するレーシングドライバーから、日本のレースシーンを引っ張ってきたレジェンドドライバーも登場するとあって、毎年多くの観客が訪れる名物イベントだ。

会場内には国内自動車メーカー8社(トヨタ、レクサス、日産、スバル、ホンダ、マツダ、スズキ、三菱)、メルセデス・ベンツ、BMW、ジャガーなどの輸入車メーカーに加え、49もの出展ブースが並ぶ。だがやはりメインとなるのは、体験同乗走行が行われる特設走行エリアだ。

>>モータースポーツジャパン2019の様子をもっと観る[全86枚]

感激!GR スープラのドリフトマシンとインプレッサWRC 98に同乗試乗

筆者は幸運にも、2台の特別なマシンに同乗させてもらうことができた。その特別なマシンとは、「GR スープラ MONSTER Edition(以下D1 GR スープラ)」と「スバル インプレッサWRC 98」。仕事柄多くのスーパーマシンを目にする筆者だが、この2台に同乗させてもらえるとわかった時点で、心拍数と血圧が急上昇するのを感じた。

白煙・音・挙動のすべてが別次元の凄さ

まず同乗させてもらったのは、D1 GR スープラ。ステアリングを握るのは、もちろん日本を代表するD1ドライバーであり、世界最速でGRスープラのドリフトマシンを仕上げた斎藤太吾選手だ。

助手席のフルバケットシートに座り、極太のレース用ハーネスで固定されると、あいさつもそこそこにゲドラグ社製シーケンシャルミッションを1速にシフトしスタート。最高出力800馬力を誇る、3.4リッター化された2JZユニットの加速は予想を遥かに超えるもので、左手に持っていたカメラをコントロールすることが不可能なほどだ。

さらに驚いたのは、エンジンと車体のレスポンスが恐ろしく良かったこと。特設走行エリアはもともと青海の臨時駐車場なのだが、見た目以上に凹凸が多くかなりバンピーで、今にもどこかへ吹っ飛んでいきそうな挙動を見せるも、斎藤太吾選手のステアリングとアクセルワークにマシンがきちんと追従し、コントロール不能になることはなかった。

【動画】GR スープラ MONSTER Editionに同乗試乗

一般車では味わえない加速Gで頭がパニック

次に同乗させてもらったのは、伝説のラリードライバー、コリン・マクレー選手がドライブしていた「インプレッサWRC 98」。そして、ドライブするのはこれまた日本を代表するラリードライバーの新井敏弘選手。過去GC8型インプレッサWRX STIバージョン3に乗り、サーキットを走っていた筆者はそれだけで興奮してしまった。

こちらも笑顔で挨拶を交わし、カメラを構えようとした途端、新井選手は容赦なくフルスロットルでスタート。800馬力のGRスープラに比べれば300馬力という最高出力は控えめにも思えるが、体に感じる加速Gは2WDのGRスープラよりも強烈で、ライトチューンのインプレッサオーナーであった筆者も思わず息が止まるほど。

4WDであることで車体が跳ねても常に安定し、ブレーキング時以外は常にフォワード方向へ車を進めていくのがハッキリと分かる。映像では伝わりにくいかもしれないが、新井選手は大きくカウンターステアを当てることがない。ブレーキングからのターンインで一瞬体が横に振られたと思った瞬間、今度は斜め後ろに体が押し付けられ、頭の中は軽く……、いや、相当なパニック状態だった。

【動画】コリン・マクレーの「インプレッサWRC 98」に乗った!

新型トヨタ スープラと新型BMW Z4を比較できる!

会場のあちこちでは、常に魅力満載のイベントがさまざま行われる中、ひときわ多くの注目を集めていたのは新型トヨタ GRスープラだ。会場内のトヨタGAZOOレーシングのブースには、できたてほやほやのA90型スープラの実車が展示され、多くの観客が足を止め熱心に見入っていた。

そして、BMWのブースでは、新型トヨタ スープラよりも一足先に日本で発売された新型BMW Z4を展示。ご存知の通り、両者はトヨタとBMWの共同で開発された言わば兄弟車で、どんな違いがあるのか興味がある方も多いだろう。

新型BMW Z4は、発売直後なのでディーラーまで足を運ばなければならず、街中で見ることはまだ多くない。もちろん新型トヨタ スープラに至っては、発売前であるため絶対に街中で見ることは不可能だ。そんな希少かつ、令和元年となる今年でもっともホットな2台を同時に触れられる機会はそう多くない。そんな折、希望すればプロドライバーの運転に体験同乗体験も行われ、運よく乗ることのできた観客は実にラッキーだ。体験同乗走行と言っても、のんびりクルージングを楽しむようなものではなく、プロドライバーによる運転はいっさい容赦なし。時折テールスライドさせながら走行する姿は、実に貴重な光景であったことは間違いない。

上記以外にも、メルセデスAMG GT Roadster、アウディ R8、日産 GT-R、ホンダ NSX、ジャガー I-PACEなどのハイパフォーマンスカーの同乗走行も開催。普段はなかなか乗る機会のないクルマに乗り、運よく試乗できた観客の笑顔が印象的だった。

ホンモノの迫力を耳と体で感じる

日本のモータースポーツで、スーパーフォーミュラと並び最高峰に位置づけられるスーパーGTマシンのデモランも開催された。走行したのはNA時代のMOTUL AUTECH(モチュール オーテック)GT-Rと、NSX CONCEPT-GTというGT500に属する2台。ホンモノのレーシングカーが、白煙を上げながらスピンターンする姿やすぐ目の前を駆け抜ける、迫力のある走りを披露した。

本山哲選手がドライブするMOTUL AUTECH GT-Rは、NA時代の3.4リッターV8エンジン。抜けの良いNAエンジンらしく、そのエキゾーストノートは会場全体の空気を震わせるほどのいわゆる爆音で、立ち上るタイヤスモークも大迫力だ。

対するNSX CONCEPT-GTは。土曜日に山本尚貴選手、日曜日には塚越広大選手がドライブし、エンジンは2.0リッターの4気筒ターボエンジン。レギュレーションの違いはあるが、NAに比べてやや音は静かで角が取れたマイルドなエキゾーストノートで、エンジン音の違いがはっきりとわかるのも面白いポイントだ。

日曜日にはエキサイトしすぎたのか、右リヤタイヤがパンクするというアクシデントが発生するも、ステージでゲストMCを努めていた脇阪寿一監督の鋭いツッコミもあり、会場は大いに盛り上がった。

日本レース会の歴史やクルマの魅力を感じられるコンテンツが満載

上記以外にも魅力的なコンテンツが盛り沢山で、2018年のWRCでマニュファクチャラーズタイトルを獲得したヤリスWRCや2018年のル・マンを制したTS050 HYBRID、1968年の第5回日本グランプリに出場した「ダイハツ P-5」など、一記事では書ききれないほど車好きにはたまらないクルマがところ狭しと並んだ。

また、別会場のB会場では、さまざまなメーカーの車種に同乗走行体験ができるふれあい試乗会や、急ブレーキや縦列駐車などの運転技術を学べるみんなの楽ラク運転講習会。そして、免許取得前の18歳未満の若者が参加できるU-18運転予備校など、毎年好評を得ているイベントも開催された。

同会場の一画では「レジェンド・オブ・ザ・ホンダ」と題して、歴史に残るホンダのレース車両を展示。F-1グランプリで初優勝を果たしたRA272から、最新のトロロッソホンダまで歴代のホンダF-1マシン4台に加え、RC162から最新のRC213Vといった2輪レーサーが並んだ。これらの車両も、普段は博物館をはじめとした極限られたスペースで展示されている貴重な車両ばかりで、手を延ばせば届いてしまう距離で見られるのも、モータースポーツジャパンならではと言えるだろう。

[筆者/撮影:増田 真吾]

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増田 真吾
筆者増田 真吾

和太鼓とROCKを愛する自動車ライター。国産車ディーラー、車検工場でおよそ15年自動車整備士として勤務したのち、大手中古車販売店の本部業務を経験。その後、急転直下で独立しフリーの自動車ライターに転身。国家資格整備士と自動車検査員資格を保有し、レースから整備、車検、中古車、そしてメカニカルな分野まで幅広い知見を持つ。昔の彼女が付けた肩書は「熱血太鼓車バカ」。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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