日本版コンシューマレポート -ホンダ ステップワゴン ユーザー試乗レビュー-(3/6)
- 筆者: 桃田 健史
ステップワゴンのユーザー評価・レビュー/インテリア
(1)クラスNo.1大空間(クラス:5ナンバー2,000ccクラス/全高1,800mm以上/8人乗り)
(2)クラス初、しまえる3列目席
(3)せつやく低燃費
これが、パンフレットやウェブサイトでホンダが強調(上記のひらがな表記は本文のまま)している、「ステップワゴンおすすめPoint!」だ。そして今回のデータ「インテリア」に関して、見事なまでに「ユーザーの実感=ホンダの意図」となった。
「室内の広さ」が4.5点、同年齢分布では、40代と50代以上が5.0点満点。「カーゴスペース」が4.3点と高得点だ。
実際に同車を使ってみても、室内長3,095mm、室内高1,395mmは「かなり広い」と感じる。(身長130cmの)子供が車内を立って歩ける、長身の人でもヘッドクリアランスが大きい、2列目シートの足元が広い、といったホンダの宣伝文句はホンモノだ。
逆に言えば「徹底的な車内空間の追求」が、4代目「ステップワゴン」の全て。ここの詰めが甘ければ他社の追随を許し、厳しいミニバン戦争のなかで、負け組となってしまう。
「なりふり構わず」とは、少々言い過ぎかもしれないが・・・。「売れるミニバンを作るホンダの執念のようなモノ」が、ステップワゴンのインテリアには流れている。
視界性も総じて評価が高く、「前方視界」が4.2点、「斜め前方視界」が3.9点、「ルームミラー視界」が3.9点、「サイドミラー後方視界」が3.8点。その他、乗降性、スイッチ類の操作性なども高得点が目立つ。
対して、得点が低いのは「質感」で3.2点。特に40代は2.2点と極めて低い。
これは、同連載の「フィット」でも解析したが、「スポーティ性の第一印象」の反動ではないか?今回もフィット同様に設問で「ホンダのイメージ」を聞いた。
そのなかで最も多かった回答が「スポーティ」(60.0%)。同回答で、50代以上が100%。対する40代は20.0%と低く、「質感」での低得点の傾向と一致する。
つまり潜在意識として、スポーティ=そっけない/簡素/安っぽい、スポーティ≠上質/高級、とネガティブに連動してしまうのかもしれない。
だが「フィット」と同様に「ステップワゴン」でも、実際に走行すると、視界性の良さ、居心地の良さが優先し、スポーティなインテリアという潜在意識が薄れていく、と思われる。3列シートの床下収納も、ある意味で「スポーティ」なイメージ。
そうした、インテリア各所の「高機能性」、「高い使い勝手」を実感することでも、スポーティなインテリアという潜在意識が薄れていく。
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