売れ筋サイズミニバン 徹底比較(2/4)

  • 筆者:
  • カメラマン:島村栄二
売れ筋サイズミニバン 徹底比較
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現代的ルックスとなり走りも大幅に進化

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新型ヴォクシー/ノアは、基本的に先代モデルの正常進化版である。プラットフォームは従来の改良型で、パワートレインは、新開発エンジンに先代モデル譲りのCVTが組み合わされる。

エクステリアは、従来のヴォクシー/ノアのイメージを残しつつ、カドを落として丸みを帯びさせ、前進感のあるウインドウグラフィックとするなど、6年分新しく見える処理がなされている。

ノアとヴォクシーでは主にフロントマスクとランプ類が異なり、それぞれ一部に専用のボディカラーを用意するなどの差別化を図っている。ノアはオーソドックスながらグリルの大きな存在感ある顔つきとなり、ヴォクシーはかなり奇抜なマスクが与えられた。

走りは、これまで大いに不満のあったCVTについて、パーツとしては変更がないそうだが、制御が大幅に改善された。

2種類の新開発エンジンは、スタンダード仕様の他に、バルブマチックという新機構を採用したハイパワーユニットも設定。組み合わされるCVTも制御がかなり異なる。結論としては、バルブマチック車のほうがすべてにおいて優れていることが確認できた。

スタンダードエンジン車のほうも、先代よりもスペックダウンしているが、実際に運転すると、それをほとんど感じさせない。CVTの制御は出足のレスポンス遅れが小さくなり、その後の引っかかり感も薄れ、ずいぶんとナチュラルになった。先代と同じ部品ながら、制御だけでここまでフィーリングを改善できるとは驚かされた。

バルブマチック車では、パワフルというほどでもないが、スタンダードに比べ全域にわたってトルクの厚みが増している。CVTの制御もさらに洗練されており、ATに比べても遜色ないほどリニアになっている。

ただし、ジャトコ製CVTを搭載するデリカD:5やセレナに比べると、このアイシン製CVTのハードウェアとしての限界か、出足の自然なフィーリングにおいては若干及んでいない。走り出してしまえば何ら違和感はない。

先代に比べ、ハンドリングや乗り心地の向上も著しい。プラットフォームこそ共通だが、サスペンションの取り付け剛性ほか各部を見直したとのことで、ステリングとの一体感が増し、コーナリング姿勢もよくなり、ピッチングも抑えられるなど、すべてが改善された。

フロントビューリアビューサイドビュータイヤエンジン

5ナンバー枠にとどまらなかったアドバンテージ

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SUVテイストが売りであり、過去4WDであることにこだわっていたデリカD:5ながら、5代目となる現行モデルでは、FF車が設定された。

ベーシックな「C2」のほか、「RODEST(ローデスト)」のネーミングで、なかなかキャラクター性の強いエアロパーツが与えられている。

走りのまとまりは、アウトランダー~デリカD:5の4WD車にも見られた良さをそのまま受け継いでいる。そして、FF化により車重が軽くなったほか、車高が45mm低くなったことで腰高感が低減し、ハンドル切れ角が大きくなり、最小回転半径が4WD車よりも0.2m小さい5.4mとなるなど、数々のメリットも生まれている。

サイドウインドウがほぼ直立しているのは後述するセレナと同様だが、その点でデリカD:5は、広いトレッドにより、走りにおいて多くの点でアドバンテージがある。

まず、定常走行時でもスタビリティが十分に高いことが感じられる。低くなったといってもそれなりに重心の高いクルマだが、トレッドが広ければ、操縦安定性を確保するために足まわりを不要に固める必要がなくなる。よって、優れた操縦性のまま、乗り心地は3列目までを含め、非常に快適に確保されている。

それでいて、動きが鈍いとか、ロールしやすいという印象もなく、非常にナチュラルに動く。気になるところがないのだ。このプラットフォームの実力の高さを物語る一面である。215/55R17というタイヤは、このクルマには少々オーバーパフォーマンス気味の気もするが、スポーティなステアリングフィールに貢献している。

オンロードメインで使うのであれFF車で十分であり、よりルックスと走りを楽しみたいのであれば、このローデストがオススメである。

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いかにもミニバンらしいスクエアなフォルム

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全体のフォルムからして、スペースに振ったクルマであることがうかがえる。

フロント以外のボディパネルやウインドウをほぼ垂直に立て、ルーフまで持ち上げてスペース稼ぐなど、ボディサイズのめいっぱい室内空間の拡大に当てた印象。ウインドウが上下方向にパッと見で違和感があるくらい長く、ガラス面積が非常に大きく見える。全体を柔らかいラインで包み、モダンな雰囲気を出している。

ハイウェイスターについては、エアロパーツが付いて3ナンバーだが、基本的には5ナンバーのクルマである。

元々セレナはファミリー向けの素性を色濃く持っており、ハイウェイスターといっても、足まわりのセッティングはスタンダードグレードと変わっていない。精悍なルックスとしたエアロバージョンである。

走りについては、前述のような重心の高さと、サイドウインドウ立っていることが影響し、腰高感があるのと、やや横風に弱い印象は否めない。

これに対し、足まわりが固めに設定されている。ただし、シートをソフトに設定することで、あまり乗り心地の悪さを感じないように仕上げられている。また、ある程度ロールしたところでバンプタッチし、ロールを強制的に抑える設定となっている。

総じて、街中をスイスイと軽快に走るには適した設定。反対に、前述のように、高速巡航やワインディングは、正直あまり得意ではない。

フロントビューリアビューサイドビュータイヤエンジン

デザイン・スペックの総評

3台とも3ナンバーではあるが、実質的に5ナンバー車である日本国内向けのヴォクシーとセレナと、最初から世界を見て5ナンバー枠にとらわれず開発されたデリカD:5では、やはりクルマの素性が違う。特にトレッド幅について、ミニバンともなればなおさら、走りの面で大きなアドバンテージがデリカD:5にはある。ヴォクシーとセレナでは、バルブマチックには好印象を抱いたが、いまだCVTの完成度についてはセレナが上と感じられた。スタビリティほか走行性能については、従来は一長一短で五分五分という印象だったが、ヴォクシーが先代に比べずいぶん改善されて、ややセレナを上回った印象だ。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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