欧州指向のエコロジーと骨太な運転感覚を両立させた先進のクリーンディーゼルターボ搭載の3車を徹底比較(1/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正
オジサン世代にとっては懐かしく、若い人達には新鮮味を感じさせる魅力のディーゼルSUVを比較試乗
1980年代から90年代には、パジェロやランドクルーザーといったSUVが好調に売れた。その主力エンジンとして人気を得ていたのがディーゼルターボだ。
当時は1リッター当たりの燃料単価も軽油はガソリンに比べて大幅に安かった。レギュラーガソリンが125円前後の時期に、軽油は85円くらい。さらに同じグレード同士で比べてディーゼルはガソリンよりも燃費性能が15~20%は上まわったから、ディーゼルを選べば燃料代を50~60%に抑えられた。
97年に登場した初代エルグランドなどのミニバンでも、ディーゼルが好調に売れた。ところが2002年に「自動車NOx(PM法)」の規制が開始される。先代ランドクルーザープラドは、同じ年にディーゼルを用意してフルモデルチェンジされながら、規制地域の8都府県で登録できるのはガソリンのみになった。
この段階から一気にディーゼル搭載車は廃れて新規投入が行われなくなったが、2008年9月、現行エクストレイルが「ポスト新長期規制」に適合したクリーンディーゼルターボの20GTを追加設定。翌月には現行パジェロが「新長期規制」に適合したディーゼルターボを加える。
そして2012年にCX-5がラインナップされた。いずれの車種も低回転域の得意なディーゼルエンジンにターボを装着して、実用回転域の駆動力が高い。2~2.2リッターのCX-5やエクストレイルでも、3.5~4リッターのガソリンエンジンに匹敵する最大トルクを2000回転で発揮する。
一方、車種ごとの持ち味は3車それぞれ。パジェロは生粋のオフロードSUV、CX-5とエクストレイルは舗装路も得意なシティ派だ。
若い人達には新鮮なクリーンディーゼルターボだが、欧州では環境性能の優れたエンジンとして定着している。運転感覚を含め、この3車を多角的に比べたい。
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