欧州指向のエコロジーと骨太な運転感覚を両立させた先進のクリーンディーゼルターボ搭載の3車を徹底比較(2/4)

欧州指向のエコロジーと骨太な運転感覚を両立させた先進のクリーンディーゼルターボ搭載の3車を徹底比較
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いかにもマツダらしい走りを感じさせるボディに先進的なディーゼルターボエンジンを搭載

マツダ CX-5 スカイアクティブDマツダ CX-5 スカイアクティブD

今のマツダ車のキーワードは「スカイアクティブ・テクノロジー」。エンジン、AT、プラットフォーム、サスペンションなど、クルマのさまざまな構成要素を新規に開発した。「スカイアクティブ・テクノロジー」はその総称だ。

エンジンやATはアクセラ、デミオにも部分的に採用されているが、プラットフォームやサスペンションまで含めてフルに「スカイアクティブ・テクノロジー」を使ったのはCX-5が最初。走行性能や乗り心地が全般的に向上した。

ボディサイズは全長が4540mm、全幅が1840mm、全高が1705mm。全長はミドルサイズの範囲に収まるが、全幅は日本で使うにはワイドだ。全幅を1750mm程度に抑えたCX-3も用意して欲しい。それでもSUVは基本的に海外向けのジャンルだから、CX-5は中級サイズになる。

フロントマスクは、ブラックの大きなラジエターグリルが目を引く。サイドウインドーの下端は後方に向けて持ち上がり、斜め後ろの視界はあまり良くないが、外観を躍動的な雰囲気に仕上げた。

エンジンは直列4気筒の2リッターと、先に触れた2.2リッターのクリーンディーゼルターボを設定。後者は最高出力が175馬力(4500回転)、最大トルクが42.8kg-m(2000回転)だ。低回転域で4リッターのガソリンエンジン並みの最大トルクを発揮するが、ディーゼルとしては高回転域の吹き上がりも良い。燃費性能も優れ、4WDでもJC08モード数値は18km/lに達する。

可変バルブリフト機能などの採用でエンジンの燃焼室内の温度低下を抑え、ディーゼルでは14という低い圧縮比を実現(パジェロは16)。高価なNOxトラップ触媒、尿素SCRなどを使わずにNOx(窒素酸化物)の排出量を抑えた。

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前輪駆動ベースのシティ派SUVでありながらオフロードモデルのテイストを盛り込んで高人気

日産 エクストレイル CleanDiesel日産 エクストレイル CleanDiesel

エクストレイルはSUVの人気車種。今は設計の新しいCX-5がSUVでナンバーワンの売れ行きだが、それ以前はジュークがトップで2位がエクストレイルだった。

高人気の秘訣は、前輪駆動をベースにしたシティ派SUVでありながら、オフロードモデルの雰囲気を感じさせること。直線基調の外観は野生的で、荷室は水洗いが可能な造り。内装では防水シートも用意する。遊びのツールとしての優れた使い勝手が魅力だ。

また、エクストレイルのクルマ造りは、SUVを買うユーザーの気持ちを汲んでいる。多くのユーザーは取りまわし性や居住性が優れ、価格の割安な前輪駆動ベースのSUVを求めるが、野生的なオフロードSUVに憧れる気持ちも抱いている。そこを満たしたのがエクストレイル。内外装が実用的なだけでなく、4WDにはロックモードが備わり、走破力も高めている。

ボディサイズは全長が4635mm、全幅が1790mm。やや大柄ではあるが全幅は1800mm以内に収まる。しかも水平基調のボディは、サイドウインドーの下端が低めの設定。側方や後方の視界が優れ、ボンネットも見やすい。SUVのスタイルを運転のしやすさに役立てた。

2リッターのクリーンディーゼルターボは、最高出力が173馬力(3750回転)、最大トルクは36.7kg-m(2000回転)。最大トルクの数値は3.5リッターのガソリンエンジン並みだ。6速タイプのATとMTを設定し、前者のJC08モード燃費は13.8km/lになる。

クリーンディーゼルターボは、エクストレイルのオフロードSUV的な性格にピッタリ。売れ筋は価格の割安な2リッターモデルだが、クリーンディーゼルターボの20GTは、イメージリーダーの役割を果たしている。

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伝統ある生粋のオフロードSUVとあってクリーンディーゼルターボは注目度の高い主力モデル

三菱 パジェロ CleanDiesel三菱 パジェロ CleanDiesel

パジェロの初代モデルは1982年に登場。乗用車感覚を強めてヒット作になり、作業車だったSUVの流れを変えた。80年代の中盤から90年代にかけて、ランドクルーザーや生産を終えたハイラックスサーフを巻き込み、オフロードSUVブームに発展させている。

この時代のパジェロもディーゼルターボを主力に据えていたが、燃費性能が優れる半面、NOxや粒子状物質の排出量が多く、黒煙も目立った。

これらの欠点を克服したのが、現行型に設定されるクリーンディーゼルターボ。直列4気筒の3.2リッターで、最高出力は190馬力(3500回転)、最大トルクは45kg-m(2000回転)。CX-5やエクストレイルに比べて排気量が大きく、動力性能も高い。JC08モード燃費は、スーパーエクシードが10km/l、エクシードとGRが10.4km/lになる。

ガソリンエンジンはV型6気筒の3リッターと3.8リッターの2種類を用意している。

大排気量エンジンを搭載するだけあってボディも大柄。全長は4900mm、全幅は1875mm、全高は1870mmに達する。

CX-5やエクストレイルが乗用車系のプラットフォームを使うのに対し、パジェロは本格的なオフロードSUV。頑丈なシャシーとサスペンションを備える。4WDも悪路の走破を重視しており、駆動力を高める副変速機を内蔵。シティ派SUVと違って重装備になるため、車両重量は2200kgを超えている。

今の日本車では少数派のオフロードSUV。クリーンになったディーゼルターボの復活により、パジェロの持ち味が改めて注目されている。

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デザイン・スペックの総評

現行パジェロの登場は2006年、エクストレイルは2007年で、クリーンディーゼルターボの設定は両車ともに2008年となる。

一方、CX-5は2012年にクリーンディーゼルターボを投入。発売時期が異なることもあり、CX-5はエンジンの効率が高い。2.2リッターで42.8kg-mの最大トルクを発揮。しかも4WDのJC08モード燃費はパジェロの10km/l台、エクストレイルの13.8km/lに対して18km/lだ。ボディが軽いことも奏効して、燃費性能が優れている。

クルマ自体の性格は各車で異なり、CX-5は完全なシティ派SUV。パジェロは対極に位置するオフロードSUVになる。エクストレイルは中間的な存在で、プラットフォームは前輪駆動ベースだが、内外装のデザインや4WDシステムにはオフロードSUVの要素を盛り込んだ。

ボディサイズはパジェロになるとさすがに大柄。最小回転半径も5.7mと大回りで、日常的な移動のためのセカンドカーが欲しいと感じることもあるだろう。その点、CX-5とエクストレイルはミドルサイズに収まる。

特にエクストレイルはSUVの中でも視界が優れ、街中でも運転がしやすい。女性ユーザーにも好評で、ファミリーカーとしても購入されている。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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