こんなに違うもの!? 欧州ディーゼル×4WD対決! アウディ 新型A4 TDIをBMW 3シリーズ 320dと比較してみた

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2020年秋に大規模なマイナーチェンジを実施したアウディの主力モデル「A4」シリーズに2021年1月7日(木)、新たなバリエーションとして初のTDI(クリーンディーゼルエンジン)が追加された。2015年の現行型A4(B9系)発表時にはTDI導入が予告されており、アウディファンにとっては待ちに待った1台と言える。

早速試乗しアウディの狙いや特性を浮き彫りにすると共に、ディーゼルを主力に位置付けるライバル車「BMW 3シリーズ」とも徹底比較する!

評価するのは、国内外の新車事情に精通するクルマの鬼、カーライフジャーナリストの渡辺 陽一郎氏だ。

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目次[開く][閉じる]
  1. 待望のTDIが追加されたアウディ A4をBMW 320dと徹底比較
  2. 余裕あるディーゼルの特性はアウディ・BMWとも良く似ている
  3. 同じ四輪駆動ながらアウディとBMWの運転感覚には思想の違いが明確に現れる

待望のTDIが追加されたアウディ A4をBMW 320dと徹底比較

出力の異なる2種類が用意されるアウディ 新型A4のディーゼルエンジン

2021年に入って、アウディは新型A4にTDI(クリーンディーゼルエンジン)を搭載した。直列4気筒 2リッターで、2種類のチューニングを用意する。

「A4 35 TDI」は最高出力が163馬力(3250~4200回転)、最大トルクは38.7kg-m(1500~2750回転)とされ、駆動方式は2WD(FF:前輪駆動)のみの設定となる。

「A4 40 TDI quattro(クアトロ)」は動力性能が高く、最高出力190馬力(3800~4200回転)、最大トルク40.8kg-m(1750~3000回転)を発揮する。こちらの駆動方式は4WD(四輪駆動)“クワトロ”のみの設定である。

そんなA4 TDI最大のライバル車には、BMW 3シリーズが挙げられるだろう。従来よりクリーンディーゼルターボを用意し、欧州車ファンから根強い支持を得ている。

そこで、クリーンディーゼルエンジンを搭載するドイツのライバル2モデルを比較試乗してみたい。

最大のライバル「BMW 320d xドライブ」と徹底比較!

BMW 3シリーズのディーゼルターボエンジン搭載モデルは「320d xドライブ」だ。

直列4気筒2リッターディーゼルターボで、最高出力は190馬力(4000回転)、最大トルクは40.8kg-m(1750~2500回転)になる。

これはアウディ A4 40 TDIとほぼ同じ数値で、駆動方式もxドライブ、つまり4WD(四輪駆動)のみの設定だ。アウディ A4 40 TDI クワトロと条件がほぼ合致する。

アウディ A4のディーゼルは2種類あると説明したが、今回はこの40 TDI クワトロを主軸に置き、320d xドライブと徹底比較していく。

BMWを強く意識した価格設定のアウディ A4 40 TDI クワトロ

アウディとBMWでは価格も同等だ。

アウディ A4 40 TDI クワトロは、セダンで比較するとアドバンスドが565万円、Sラインは612万円になる。

対するBMW 320d xドライブは、スタンダードエディション・ジョイ+が573万円、Mスポーツエディション・ジョイ+は625万円だ。

アウディの価格設定は、BMW 320dを明らかに意識したものになっている。なお共にワゴンモデル(アウディ A4アバントとBMW 3シリーズツーリング)も用意される。

▼こちらも併せてチェック!▼

BMW 新型3シリーズ “320d xDrive M SPORT”試乗レポート

余裕あるディーゼルの特性はアウディ・BMWとも良く似ている

共に高回転まで良く吹き上がる活発なディーゼルエンジン

まずはディーゼルエンジンの運転感覚を比べたい。

性能が同等のアウディ A4 40 TDI クワトロとBMW 320d xドライブは、両方ともにディーゼルとしては高回転域の吹き上がりが活発だ。特に320d xドライブは、Dレンジでも5000回転までキッチリと回る。

アウディ A4 40 TDI クワトロも、4700回転付近まで回って吹き上がりは満足できる。

オートマチックトランスミッション(AT)は、BMW 320d xドライブが8速、アウディ A4 40 TDI クワトロは7速で、両方ともにギヤ比の割り方が細かく、フル加速時には高回転域を保ちやすい。

共に高性能かつランニングコストに優れるいっぽう、低速でややノイズが気になる点もアウディ・BMWとも同等だ

エンジンノイズの感覚も似ている。

BMW 320d xドライブは、以前の2リッターディーゼルに比べると静かになったが、低回転域では少し粗いノイズが気になる。アウディ A4 40 TDI クワトロも、ディーゼルであることを意識させた。

WLTCモード燃費は、アウディ A4 40 TDI クワトロが14.6km/L、BMW 320d xドライブは15.3km/Lだ。これも0.7km/Lしか違わない。軽油価格の安さを考えると、燃料代は両車ともに1.3~1.5リッターのガソリンエンジンを搭載するコンパクトカーと同等のコストになる。

以上のように両車のエンジンは、動力性能、ノイズ、燃費まで、良し悪しまで含めて似たところが多い。

また総合的に見ると、エンジン性能は両車とも優れている。

ガソリンエンジンならば4リッターの大排気量に匹敵する駆動力を実用回転域で発生させるから、アクセルペダルを軽く踏んでいる状態でも、速度を順調に高めていく。街中では1500~2000回転を保ちながら滑らかに加速するため、ディーゼルのメリットを実感できる。

同じ四輪駆動ながらアウディとBMWの運転感覚には思想の違いが明確に現れる

安定感を重視するアウディとキビキビした走りを重視するBMW

その一方で、アウディ A4 40 TDI クワトロとBMW 320d xドライブで明確に異なるのは、ステアリングを操作した時の反応だ。

アウディ A4 40 TDI クワトロは、以前に比べてステアリングの支持剛性が向上して、操舵に対する反応が一層正確になった。それでも味付けは少し穏やかだ。

反応の仕方が正確だから、高速走行時の細かな進路調節などはしやすいが、リラックス感覚も併せ持つ。アウディのブランドイメージを感じさせる。

BMW 320d xドライブは、BMWの伝統的な設定で、小さな操舵角から車両の向きを機敏に変える。アウディ A4 40 TDI クワトロに比べると適度な緊張感が伴い、曲がりくねった峠道を走る時などは運転が特に楽しく感じる。

四輪駆動化によって2社の思想が互いに歩み寄るも、やはりブランドの色が色濃く表れる

それでも両方ともに4WDだから、基本となる駆動方式がA4は前輪駆動、3シリーズは後輪駆動と対称的なのに、運転感覚が互いに歩み寄っているように感じた。

例えばカーブを曲がりながら、出口に向けてアクセルペダルを踏み増した時の挙動変化だ。

前輪駆動のA4では、ステアリングホイールを内側へ少し積極的に切り込み、前輪が路面をつかむ力を立ち上げていく。この操作をすることで、旋回軌跡が拡大するのを抑える。

そこが4WDのアウディ A4 40 TDI クワトロなら、後輪も駆動を分担するから前輪の負荷が少ない。旋回軌跡を拡大させにくく、ハンドルの操舵角通りに曲がっていく。

同様のことがBMW 320d xドライブにも当てはまる。

後輪駆動の3シリーズでは、カーブを曲がりながら駆動力を高める時は、後輪の横滑りに配慮する。そこがxドライブなら、前輪も駆動するから、4輪のグリップ性能に余裕が生じて安定性が高まる。

このように両ブランドが4WDを搭載して理想の走りを追求すると、安定性は互いに似てくる。

その上で320d xドライブは、積極的かつ機敏に曲がるBMWの運転感覚を重視し、アウディ A4 40 TDI クワトロは、一般的なドライバーの感覚に寄り添ったリラックスできる走りで、ブランドの特徴を表現している。

乗り心地は欧州車とあって、両車とも高い速度域に焦点を合わせるが、ここでもアウディ A4 40 TDI クワトロには適度な柔軟性が伴い、BMW 320d xドライブは引き締まり感が特徴として現れる。

アウディとBMWの思想の違いを、ディーラーの試乗で実際に乗り比べ体感してみて欲しい

以上の運転感覚の違いは、居住空間にも表現されている。

アウディ A4 40 TDI クワトロはセダン・ワゴンとしては開放感が伴い、明るく上質なファミリーカーのイメージだ。

対するBMW 320d xドライブは、後輪駆動らしくATレバーの収まるセンターコンソールの位置が高く、スポーツカーのような囲まれ感を表現した。

BMW3シリーズは後輪駆動が特徴とされるが、この駆動方式によってダイレクトな運転感覚を得られたのではなく、BMWが理想の走りを実現するために後輪駆動を採用した。アウディの前輪駆動も同様だ。

この2車を乗り比べると、同じような性能のエンジンと4WDを与えたことで、ブランドの主張や意味の違いが明確に理解できる。

したがってアウディやBMWのクリーンディーゼルモデルが欲しくなった時は、A4 40 TDI クワトロと、320d xドライブを両方とも試乗すると良いだろう。ブランドの個性が分かりやすく、納得した上で安心して購入できる。

プレミアムブランドを買う際は、選ぶ時から大いに楽しんでいただきたい。

[筆者:渡辺 陽一郎/撮影:小林 岳夫(Audi)・茂呂 幸正(BMW)]

アウディ 新型A4 Avant 40 TDI quattro S line[4WD] 主要スペック

全長4770mm×全幅1845mm×全高1435mm/ホイールベース:2825mm/車両重量:1700kg/最小回転半径:5.5m/駆動方式:quattro(4WD:四輪駆動)/エンジン種類:直列4気筒縦置き DOHC TDI 直噴ディーゼル インタークーラー付ターボエンジン/最高出力:249ps(183kW)/5000-6000rpm/最大トルク:370Nm(37.7kgm)/1600-4500rpm/トランスミッション:7速Sトロニックトランスミッション/燃料消費率:14.6km/L[WLTCモード燃費]/タイヤサイズ:245/40R18(前後)/車両本体価格:641万円(消費税込)

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

監修トクダ トオル (MOTA編集主幹)

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