BMW 新型3シリーズ “320d xDrive M SPORT”試乗|320dはxDriveを得て高級グレードへと進化した

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世界で最もスポーティなDセグメントセダン、BMW3シリーズ。その先陣を切った330iはMOTAでもレポートした通りだが、今回はそれ以外の気になる主要モデルにも試乗することができた。エンジンや駆動方式の違いによって、そのキャラクターはどのくらい違ってくるのか? それをひとつずつ解き明かして行こう。

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目次[開く][閉じる]
  1. 人気のディーゼルエンジンが抜群に良くなった!
  2. 330i同等の高性能、ディーゼルらしからぬ高回転の伸びも
  3. 直4ディーゼルをツインターボ化
  4. 320dはxDriveを得て高級グレードに
  5. 価格にも納得! 320d xDrive M SPORTは641万円

人気のディーゼルエンジンが抜群に良くなった!

今回試乗した新型3シリーズは、3種類のグレード。どのモデルにも何らかの形で「M」のイニシャルが付くのは、日本における市場の要求が、3シリーズにそれを求めているからだという。

そんな中でも最も硬派な乗り味を示したのは、当然ながら直列6気筒ターボを搭載する「M340i xDrive」だ。しかし最も注目を集めるのはきっと、先代モデルでも高い人気を博したディーゼルモデルの後継車、「320d xDrive M SPORT」だろう。そして筆者も、これが一番真っ先に紹介するべき3シリーズだと感じた。

なぜならそのエンジンが、抜群に素晴らしいのである。

BMW/3シリーズ
BMW 3シリーズカタログを見る
新車価格:
574万円1,086万円
中古価格:
30万円826万円

330i同等の高性能、ディーゼルらしからぬ高回転の伸びも

BMWの2リッター直列4気筒ディーゼルターボは、先代から既に190PS/4000rpmの最高出力と、400Nm/1750ー2500rpmの最大トルクを得ていた。

そのスペックはガソリンエンジンで4気筒ターボを搭載するベーシックグレード「320i」(184PS/300Nm)を完全に上回り、さらに上級グレードである「330i」と同数値だ。

だがしかし、BMWは登場してそれほど時間が経たない「B47」型ディーゼルユニットに、さらに磨きを掛けてきた。型式とスペックこそ一緒だが、別物と言えるほどにそのドライバビリティを向上させてきたのである。

少なくとも先代ユニットは、「ディーゼルの中では抜群に気持ちいい」という表現ができた。ブーストの立ち上がりは鋭く、ライバルたちと比べてもかなりスポーティ。しかし高回転領域での伸び感は、「やっぱりガソリンエンジンには少し及ばない」というオチが付けられたと思う。

しかし新型となったディーゼル4気筒ターボは、これまで唯一のネガティブだった、高回転域の根詰まり感さえ払拭してしまった。

直4ディーゼルをツインターボ化

これを実現したのは、従来のシングルタービンからシーケンシャルツイン式へと生まれ変わったターボユニットだ。

ふたつのタービンのうち、低中速域を担うプライマリーターボには、これまで同様VGT(可変ジオメトリータービン)が用いられている。VGTとは排気側のタービンブレードをバリアブルに動かすことで、エンジン回転に左右されず最適な排気流速が得られる高額なシステムである。しかしBMWは、これだけでは飽き足りず、もうひとつタービンを付けて高回転域での吸入空気量を確保したのだ。

その効果はてきめんだった。新型320dは、アクセルを踏み続けるとガソリンエンジン並みに頭打ち感なく、レブリミットまで一気にエンジンを回しきる。

従来通りの低中速トルクに加え、高回転での伸びとパンチが加わると、正直「直列4気筒に、もはやガソリンエンジンはいらないのでは!?」と思えた。このユニットは本当に、先代320dからパワーやトルクが変わっていないのだろうか?

とても不思議な気持ちになったが、ともかく素晴らしいエンジンに仕上がっていたのである。

ディーゼルエンジンは簡単に言うと、燃焼効率を上げるほどにNOx(窒素酸化物)を沢山出すユニットだ。だから額面通りにその数字を受け取れば、BMWはより厳しさを増す欧州規制をクリアしたうえで、190PS/400Nmの出力を維持するために、今回の改良を施したのだと思う。

まずNOxに対しては、高価なCSR触媒を導入し、尿素噴射でNOxを水と窒素に分解した。その上で、ツインターボ化によってレスポンスの向上を狙ったわけだ。

しかしいくらなんでも、直列4気筒のディーゼルターボをツインターボ化するとは、恐れ入る。

320dはxDriveを得て高級グレードに

こうなるとガソリンエンジンの立場がないようにも思えるけれど、日本仕様にはきっちりと棲み分けがなされているのも秀逸だった。

新型320dはディーゼルユニットを搭載する高級グレードとして、その駆動方式をxDriveとしているのだ。今回の試乗では4WDシステムの恩恵を感じることはなかったが、それこそがBMWの狙いでもあるからまたシブい。

通常は極めてFRライクにこれを走らせ、いざというときにトルクをフロントに伝達して安定性を得るのが、このxDriveというシステムの美点なのである。

そのハンドリングは、軽快というよりは幾分どっしりとした乗り味が特徴的だった。ディーゼルユニットや4WDシステムを搭載する1680kgという重量に対してM SPORTの引き締められた足回りはうまくバランスし、突き上げ感もほどよく抑えられていた。

そしてきっちり走らせるほどに深みを増して行くステアフィールには、新型3シリーズの特徴がよく出ていた。

価格にも納得! 320d xDrive M SPORTは641万円

BMW 新型3シリーズ、320d xDrive M SPORTの車輌価格は税金を含めると641万円と、一見高額に思える。しかしこれだけのコストが掛けられたエンジンと4WDシステム、そして“Mスポ”が付いてくることを考えれば、その価格にも納得せざるを得ない。

日本は乗用車でディーゼルエンジンが長く普及しなかった関係から、欧州よりも大気の状況はクリーンだという。また軽油燃料も、ガソリンに比べて相変わらず安値を維持している。

こうした状況化で最新のクリーンディーゼルを選ぶのは、ハイブリッドやEVに並ぶ賢い選択。そのうえで新型320dは、走りの質感までもが大きく向上したのである。

[筆者:山田 弘樹/撮影:茂呂 幸正]

BMW 新型3シリーズ “M340i xDrive”試乗レポートはこちら

現行3シリーズにおいてM340i xDriveは、最もハイパフォーマンスな一台だ。その心臓にはBMWの代名詞となる、3リッターの直列6気筒ガソリンターボが搭載されているからである。

最高出力は387PS/5800rpm、最大トルクは500Nm/1800-5000rpm。ヤワなスポーツカーでは太刀打ちできないほどの力持ちである。

<↓続きはこちらから↓>

BMW 新型3シリーズ 330i M Sport 試乗レポートはこちら

3シリーズはBMWの魂だ。短い試乗ではあったけれど、8年ぶりにフルモデルチェンジを果たしたこの4ドアセダンに乗って、改めてその思いを強くした。

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BMW 3シリーズ 320d xドライブ Mスポーツ[4WD] 主要スペック比較表

車種名

3シリーズ

グレード名

320d xドライブ Mスポーツ[4WD]

価格(消費税込み)

641万円

全長×全幅×全高

4715mm×1825mm×1440mm

ホイールベース

2850mm

駆動方式

4WD

車両重量

1680kg

乗車定員

5名

エンジン種類

直列 4気筒 DOHC ディーゼル
ツインターボエンジン

総排気量

1995cc

エンジン最高出力

140kW(190PS)/4000rpm

エンジン最大トルク

400Nm(40.8kg・m)/1750-2500rpm

トランスミッション

8速AT

使用燃料

軽油

燃料消費率(JC08モード燃費)

18.9km/L

燃料消費率(WLTCモード燃費)

15.3km/L

燃料消費率(WLTC:市街地/郊外/高速道路モード)

--km/L/--km/L/--km/L

タイヤサイズ

(前)225/45R18(後)255/40R18

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山田 弘樹
筆者山田 弘樹

自動車雑誌編集者としてキャリアをスタート。輸入車雑誌 副編集長、アルファ・ロメオ専門誌編集長等を経て、フリーランスのモータージャーナリストに。レース参戦なども積極的に行い、走りに対する評価に定評がある。AJAJ会員。カーオブザイヤー選考委員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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