アウディ 新型eトロンスポーツバックはもしや最強EV!? 電子サイドミラーの使い勝手もテスト!(1/2)

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欧州勢の電動化が止まらない! そう、アウディの電気自動車eトロン スポーツバックが日本にもいよいよ上陸した。EVならではの先進性を前面に打ち出したモノではなく、あくまでもこれまでのアウディ車のスタイルを継承する仕上がりなのだが、その加速たるや言葉を失うほど。一体アウディの電気自動車はどのんな仕上がりなのか? ブランド史上初となる電子サイドミラーはリアルワールドでは使えるのか?!

>>ライバルと全然違う! フツーのクルマ風デザインのeトロンスポーツバックの全貌はコチラ

目次[開く][閉じる]
  1. あえて電気自動車っぽいデザインにしなかったワケとは?
  2. びっくり加速がイイ! 200キロオーバーでも会話できちゃう静粛性
  3. ガソリン車並みに減速が超自然
  4. 距離感を掴みづらい……電子サイドミラーはまだ慣れが必要

あえて電気自動車っぽいデザインにしなかったワケとは?

「えっ、意外に普通」。それがe-tornのルックスを見たはじめの感想。だって他のEV勢って、これみよがしな“EVデザイン”が施されるのが普通だったから。はやくはBMW i3、そしてジャガーIペイス、そしてメルセデス・ベンツのEQC、一番最近でホンダe。あんまりクルマに詳しくない人だって、「あれ?なんかあのクルマ、普通じゃないかも?」ってひと目で気付かせるような、変わったデザインが施されるのがEVだと思っていたからだ。

それに比べてこのe-tronはどうだろう。サイズはA7スポーツバックとほぼ同じ、というたっぷりしたボディーサイズは威風堂々ながら、他のSUVファミリーとも共通する8角形のオクタゴン・シングルフレームグリルを採用。

縦型のグリルも既視感のあるものだし、クーペライクなルーフの傾斜もすでに同社スポーツバックシリーズでお馴染みだ。

アウディらしさ全開! eトロンスポーツバックを隅々画像でチェック

車内もまるでフツーのクルマ! 違和感ないのがキモ

インテリアだって特別なことはなにもない。インターフェースは”7”のつくモデル以上にすでに採用されている2画面式で、とくにEVだからって変わったことはなにもないのだ。

いや、厳密に言うと例えばバッテリーのマネジメント画面や、ナビ設定の際に充電ポイントを表す地図が表示されたり、という項目はもちろんあるのだけど、たとえばホンダeみたいな特別感は、どこにもない。

ひとつ異彩を放つのは、バーチャルエクステリアミラーと呼ばれるモノで、デジタルアウターミラーとでもいおうか、サイドミラーがあるべきところに小さなバーが突き出ており、内蔵されたカメラで撮影した後方の映像をドアパネル内側に埋め込まれたモニターに映し出すというモノが搭載されたのみなのだ(使用感は後述する)。

見た目は超カッコいいけど……バーチャルエクステリアミラーの全貌がコレ

EVはもはや特別じゃない! すでにフツーのクルマなのだ

アウディはこのe-tronを皮切りとして、2025年までに新車販売の4割を電動化モデルで占めるとし、さらにEVを30車種販売すると発表している。その口火を切るモデルとしてはあまりにもなんか、普通じゃありませんか? な〜んて最初は思っていた。

しかし「もしかしたらわざと、既存モデルに似せたのかも」とも思った。つまり、アウディにとってもうすでにEVは特別なモデルなんではなく、既存モデルに溶け込む“普通のクルマ”になっているのかもしれない、なんて。

そしてこのさり気なさがめっちゃお洒落な気がしてきてしまった。引き算の美? 確かに、最近のアウディデザインは断捨離にとでも言うくらいにシンプルになってきている。そして、目の覚めるような革新は、走りにこそ凝縮されていた。

びっくり加速がイイ! 200キロオーバーでも会話できちゃう静粛性

e-tornには前後2基のモーターが配置される。それぞれのモーターが駆動を担当するという電気式の四輪駆動=クワトロだ。

走行時、通常はリアモーターを使用するのだが、路面状況などに応じてフロントを駆動させ、恐ろしいほどきめ細やかに四輪を制御する。駆動用バッテリーは総電力量95kWhで、航続距離はWLTCモードで405km。通常時は最大出力265kW、最大トルクは561N・mだが、ブーストモードを使用すると最大300kW、驚異の664N・mを発揮する。

さて、この664N・mというやつ、スポーツモデルのスペックとしてはなかなかに説得力のある数字とも言える。オーバー600出ていればハイエンドスポーツカーの仲間入りを果たすと言ってもいいかもしれない。

しかし、だ。電気自動車のこの数字は本気で洒落にならないのだ。何故ならば「アクセル踏んだらすぐ出ちゃう」から。

電気ってすぐにオンオフできるでしょう? ガソリンエンジンは「燃料噴いて、燃やして、熱エネルギーを運動エネルギーに変換して、シャフト動かして」となるから、なかなかにトルク伝達に時間がかかるのだ。

それが微細なタイムラグとなるのだけど、電気ならそれが一瞬。これがEVならではの、もっとも快感を得られる官能ポイントでもある。

このギュン!と背中を蹴られるような飛び出し感といえば、そう、あのテスラのモデルS P100Dなんかは鮮烈だった。

しかし、あんな飛び遠具(!)は別として、競合となるIペイスを見れば400kW/696N・m、メルセデス・ベンツ EQCが300kW/765N・mと、どれも微妙に一長一短……じゃなかった、微妙にあちらを立てればこちらが、という感じ。

じゃ、実際乗ってみてどうなのよ、というと、正直このe-tronのほうが断然、速い。体感だけれども、EQCよりも随分パワフルでトルキーな印象だ。Iペイスもかなり速く感じたけれど、それに迫る勢いでド級の加速を見せる。

試乗シーンは箱根の山中だったけれど、右へ左へと切り返すようなつづら折りの登坂もなんのその、どこまでもおんな勾配でもグイグイ行ってくれちゃうんだから。例えは悪いが運転していて気持ち悪くなるほどの異形の加速だったほどだ。

さらに末恐ろしいのが静粛性で、広報氏いわく「200km/hオーバーのアウトバーンでささやき声の会話ができる」。事実、静粛性のレベルはアウディ A8に迫るというんだからスゴい。

史上最強のクワトロ! 電子サスの制御も見事

さらに言うと、先述の電気信号の伝達の速さを得て、四輪制御技術、つまりアウディの顔であるクワトロは、史上最も高性能を極めたのだという。油圧では到達できなかったレベルまで仔細に設定・制御することは、電動化をしたからこそ叶えられたレベルなのだそうだ。

事実、その空飛んじゃいそうに速いド級の加速と同時に、恐ろしいほどサスペンションフィールが豊かなことに舌を巻いた。

さらに通常ならドン! と底付きしそうな路面のギャップを受けても、底付きどころか挙動を乱す素振りもない。どないなっとるんやこの電子サスは。はっ、つい心の関西人が目を覚ましてしまったじゃないか。

伝統のクワトロエンブレムは何処……答えはコチラ

アウディ/e-tronスポーツバック
アウディ e-tronスポーツバックカタログを見る
新車価格:
1,105万円1,346万円
中古価格:
438万円1,013.4万円
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今井 優杏
筆者今井 優杏

自動車ジャーナリストとして、新車や乗用車に関する記事を自動車専門誌、WEBメディア、一般ファッション誌などに寄稿しながら、サーキットやイベント会場ではモータースポーツMCとしてマイクを握り、自動車/ モータースポーツの楽しさ・素晴らしさを伝える活動を精力的に行う。近年、大型自動二輪免許を取得後、自動二輪雑誌に寄稿するなど活動の場を自動二輪にも拡げている。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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