カーシェアリングについて/日下部保雄のコラム

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カーシェアリングについて

NHKの番組でカーシェアリングを取り上げていた。カーシェアリングは新しいクルマの使い方として注目されており、昨年から各業界から参入が始まり急速に伸びている。

様々な業界から参入されるようになると、自宅から近い場所に拠点が増え、それにより利用者が増えるという相乗効果で、今のところ倍倍ゲームで増えている。それでも消費者に十分にカーシェアリングの内容が伝わっているとは言い難い。

カーシェアリングはレンタカーと混同されることが多いが、もっとも大きな違いはカーシェアリングは会員制なのに対して、レンタカーは誰でも借りられるということだ。会員制なので当然入会金(カード発行料)と月会費が必要だ。

大抵の場合は15分単位で予約して課金されるシステム。しかし金額は車種によって15分200~400円と安い設定となっているのが特徴だ。これにはガソリンなどはその中に含まれており、会員が専用カードで補給した場合は手間賃として15分の金額が割り引かれる(カーシェア24の場合)。

予約はPCか携帯から行い、予め使用する時間帯を予約しておく。基本的には予約された分は課金される。その時間をオーバーすると次の予約者がいる可能性もあるので、迷惑がかかるし、ペナルティ課金がかかることになる。

一方のレンタカーも最近はコンパクトクラスは安くなっているので6時間以上カーシェアリングを使うとレンタカーの方が安いということもある。

しかし、カーシェアリングは拠点の近くの住民が主となるので、利便性は遥かに高いだろう。普段は駐車場もクルマも持たないが、ちょっとそこまでや、荷物がある時などさほど面倒な手続き無しに使えて、保険や車検などのコストも削減できるので使い方次第ではかなり有効なクルマの利用方だ。

カーシェア24の場合はデミオが主体だがフィアット500やプリウス、BMW1シリーズなども場所によっては配置されている。

ナンバープレートは『わナンバー』で、借りたところに必ず返さなければならないし、時間の制約もある(カーシェア24ではナイトパックがあって、都心で夜遅くまで仕事をしてカーシェアでクルマをピックアップ後に帰宅し、そのクルマで出勤して返すという格安プランもある)。

繰り返すが駐車場も持たなくて済み、保険も車検も必要ないとなると、都市部に住む人にはメリットも大きい。特に任意保険が途方もなく高額になってしまう若い層には向いていると言える。

ただしこれではクルマへの愛着が湧かないのが当然で、やはり道具としてクルマを使うと言うユーザーに向いているのは言うまでもない。

逆転の発想として(法的な制約は大きいが)、クルマを持っているドライバーがデイサービスなど老人介護に役立てるというのはどうだろう。これだとタクシーやハイヤーに近い形態になってしまう恐れもあるが、普段、所有している車を使わない人や、家中心でいる人達の力を借りて、みんなが協力し合いながら社会貢献するというのも1つの手かもしれない。

都会では隣に住んでいる人とのコミュニケーションも取り難くなっているし、地域のネットワークと言う発想へ切り換えれば、そこから新しい街づくりが出来るかもしれないでしょ?

【カーシェア24】

http://www.cs24.jp/

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日下部 保雄
筆者日下部 保雄

大学卒業後、モータージャーナリズムの世界へ入り、自動車専門誌をはじめ各媒体に新車の試乗レポートやコラムを寄稿。最近では、雑誌媒体のほかにFMラジオやインターネット自動車情報サイトでも活躍。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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