荒聖治選手/今井優杏の「あなたの愛車教えて下さい!」(2/4)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:今井優杏
荒選手がGT-Rに惚れた理由は?
―そんなにも好きな理由って何なんですか?でもレースを始めるきっかけになった、ってことは乗る前から好きだったってことでしょう?まずはスタイリングから惚れたということ?
うん、スタイリングもそうだし、速さとか迫力とかもある。富士スピードウェイの最終コーナーって、当時は旧レイアウトだったんだけど、5速とか4速とか、結構スピードが出るんだよね。
あそこをあの速さでテールスライドで立ちあがってくる姿とかね、昔の100Rをドリフトで立ちあがってくる姿とか、見たらやっぱ、その迫力ってのは忘れられないよね。俺の中では衝撃というかね。
―そのファーストインパクトと乗った感じのイメージが変わらないから、こんなに長く乗り継いでる、ということでしょうか。
現行型の35GT-R、これはラクなのに速いし乗りやすい。洗練されてる、新しい感覚だよね。パドルシフトだし。
でもそうじゃなくて、32って思いっきり加速したらどこ行くかわからない感覚があるからいい。自分でコントロールしてる実感がある。そんなにスピードを飛ばしてなくても楽しさを感じられるしね。
あとは手軽にイジれるっていうこともあるね。若い頃はガチガチのアシでマフラーもウルサイの付けてやってきたけど、30代後半のGT-Rの楽しみ方っていうの?俺もアラフォーになってきてさ(笑)しなやかで乗り心地よくてサーキットでも楽しめる、どんなステージに行ってもずっと乗ってたくなるような感じにしてる。
―しなやかでサーキットですか。両立って出来るものなんですか?
できるできる、出来てるよ!
新しいGT-Rのもともとの良さを生かして新しいパーツを組み込んでいくことによって、その二つが結構高い次元で両立できるようになって来てはいるかな。もうちょっと元気よく走るように、次はゲトラグを入れようかな、とか考えてるの、今。
あとはエンジン。ターボも下からブーストが上がって、扱いやすいものを選んでいこうかな、とかね。今のところエンジン自体はまだノーマルで、350馬力くらいの仕様だから。これでも結構充分なんだけど。
―さらに上を求めてチューニングをするわけですね?
俺の持ってる34のZチューンって500馬力を超えてるしすっごく速いし、完成度が高いから、自由自在にどうにでもなる感覚があるんだよね。でもね、愛着湧いてるんだよね、32のほうにね。
―手間のかかる子ほどかわいい、みたいな感じですか。
うん(笑)
―ちなみに32にこれまでにつぎ込んだ総額、いかほど?
400万から500万くらい…換算すると、だけどね。
―(驚)!!でもさすがにドカンといっぺんにつぎ込んだってワケじゃないんでしょう?
いやそれが(笑)今回はね、クルマを壊す前に対策しようと思ったから、納車されてすぐにやったのがボディのスポット増し。ドア回りとか全部剥がしてね。だからわりと最初から手を加えた。
―ってことは…今までの32、壊してきてるってことですか?
壊してるね(笑)。このひとつ前に乗ってたヤツは、サーキットでの某ロケで痛めつけすぎて帰りの首都高でエンジンブローした。
―あら!帰宅できず?
うん、JAFでそのままNISMOに運んだら、『もう捨てたほうがいいんじゃないの』って言われて。
―涙出ますね、悲しい~。その教訓を生かしたわけですね。
そう、今はスポーツ走行でも30分とか走り続けても全然平気だし。
―え?ちょっと待って下さい、スポーツ走行?“世界の荒”がスポーツ走行?!
普通に走ってるよ!クルマ好きの仲間と一緒に平日のサーキット走りに行ったりとか、全然してる。
―一緒に走れた人はラッキーですよね(笑)。追走でライン取りとかこっそり見ちゃったりして!
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