スバル エクシーガクロスオーバー7燃費レポート|さらばスバルの7シーター(2/3)

  • 筆者: 永田 恵一
  • カメラマン:和田清志・永田 恵一
画像ギャラリーはこちら

スバル エクシーガ クロスオーバー7 概要

スバルは規模の小さい自動車メーカーということもあり、日本でここ20年近く人気ジャンルとなっている3列シートミニバンのラインナップが手薄であった。過去には軽乗用車のサンバーをベースにサイズを拡大したドミンゴやトラヴィックといったミニバンも販売されたが、いずれも低調に終わり、スバルのラインナップにはミニバンのない時期も何度かあった。そんな中2008年に登場したのが、今回テストしたエクシーガ クロスオーバー7の前身となるエクシーガである。

エクシーガはリアドアをヒンジドアとし、全高も1660mm(登場当時)とミニバンというよりはステーションワゴンに近い7人乗りのミニバンで、車の土台となるプラットホームはスバルとしては最新のSGP(スバルグローバルプラットホーム)の一世代前となるSIシャーシを使う。

エクシーガはステーションワゴンに近い全高ながら、十二分に使える3列目シートのスペースを確保していたのに加え、後ろのシートに行くにしたがって着座位置が高くなる映画館などのホールのような「シアターシートレイアウト」の採用により、見晴らしの良さも含めた乗員7人全員の快適性の高さも特徴だった。

エンジン、トランスミッションといったパワートレインは、スバルでは一世代前の、EJ型水平対向4気筒2リッターNA+4速ATと、2リッターターボ+5速ATでスタートし、トランスミッションのCVT化や2.5リッターNAエンジンの追加、新世代のFB型エンジンへのスワップが施された。また、スバルの基幹技術の1つとなっているステレオカメラと呼ばれる2つのカメラからの情報を基盤にした運転支援システム「アイサイト」の導入も行われ、エクシーガは技術の進歩に応じた改良やアップデートも相応に受け続けた。

しかしエクシーガはステーションワゴンの需要が下降しつつあった時期に登場したという事情もあり、地味な存在であったのも事実で、そのまま絶版になるかと思われた。だがエクシーガはここ数年人気になっているSUVの要素をミニバンに盛り込むというクロスオーバー化によるリニューアルを2015年4月に行い、車名もエクシーガ クロスオーバー7に変更し、現在に至る(モデルサイクル中何度も改良を受けるスバル車には「A型、B型」といったアプライドが付くが、今回テストした最終モデルのエクシーガ クロスオーバー7はエクシーガ時代も含め何とJ型だ)。

エクシーガ クロスオーバー7は、クロスオーバー化にあたり新開発された専用サスペンションの採用により最低地上高を170mmに高め、深い雪道や悪路への対応力を向上。エクステリアも前後バンパーやサイドシルに黒い樹脂部分を設け、SUVらしい力強さと機能性を備えた。

また、インテリアもエクシーガ時代と造形こそ変わらないものの、シートやドアトリムなどにタン(明るいブラウン)やブラウンといった高級感やシックな雰囲気を感じさせるインテリアカラーを使い、年齢層の高いユーザーにも受け入れられやすいものとしている。

パワートレインは2.5リッター水平対向4気筒NA(最高出力173馬力&最大トルク24.0kgm)+CVTと4WDの組み合わせのみで、アイドリングストップも装備し、13.2km/LというJC08モード燃費をカタログに載せる。

残念ながら、エコカー減税は対象外だ。

最近では車を選ぶ際の重要なチェックポイントとなっている安全装備に関しては、現在販売されるスバル車では唯一のver.2となる最も古い仕様ながら、アイサイトver.2が全グレードに標準装備される。エクシーガ クロスオーバー7のアイサイトver.2は、車両のような物体だけでなく歩行者にも対応する緊急ブレーキ機能、停止まで対応する先行車追従型のアダプティブクルーズコントロール(ACC)、ギアやペダルの踏み間違えによりコンビニなどで駐車場から店舗に突っ込むなどの事故を防ぐAT車誤発進抑制機能、ふらつきや車線逸脱、先行車の発進の警告機能から構成される。

アイサイトver.2は、ver.3やツーリングアシストのようなステアリング関係の運転支援こそないものの、国が行うJNCAPのテストでは停止車両に対しては50km/hでの停止が確認されており、未だに水準を大きく上回る性能を備える。

スバル エクシーガ クロスオーバー7の主要スペック
車種名スバル エクシーガ クロスオーバー7

グレード

X-BREAK

駆動方式

AWD

トランスミッション

CVT

価格(税込)

2,797,200円

JC08モード燃費

13.2km/L

全長

4,780mm

全幅(車幅)

1,800mm

全高(車高)

1,670mm

ホイールベース

2,750mm

乗車定員

7人

車両重量(車重)

1,620kg

エンジン

水平対向4気筒DOHC

排気量

2,498cc

エンジン最高出力

127kW(173PS)/5600rpm

エンジン最大トルク

235N・m(24.0kgf・m)/4100rpm

燃料

無鉛レギュラーガソリン

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

新車・中古車を検討の方へ

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

スバル エクシーガクロスオーバー7の最新自動車ニュース/記事

スバルのカタログ情報 スバル エクシーガクロスオーバー7のカタログ情報 スバルの中古車検索 スバル エクシーガクロスオーバー7の中古車検索 スバルの記事一覧 スバル エクシーガクロスオーバー7の記事一覧 スバルのニュース一覧 スバル エクシーガクロスオーバー7のニュース一覧

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる