BMW MINIロードスター 試乗レポート/安藤修也(1/2)
- 筆者: 安藤 修也
- カメラマン:オートックワン編集部
MINI家、ただ今子作り真っ最中!?
我々はいつだってMINIに裏切られっぱなしだ。
けどそれは、ポジティブな意味である。なんせ01年に登場した“ニューMINI” は、「ミニ」の名を冠しながら、実際はミニ(小型)じゃなかった。
もちろんそれは、女子の 「膝上5センチの“ミニ”スカート」とは異なり、男どもをガッカリさせない裏切りだった。オールドMINIの印象がしっかり感じ取れるファニーフェイスと走りのフィーリングを継承していたからだ。
現在、MINIブランドはファミリーを増やしまくっている。
まずMINI(ハッチバック)とMINIコンバーチブルというブランドを象徴する二つのアイコンがあって、MINIクラブマンという実用性の高いワゴンが休日のパートナーにもなれる。
また、MINIクロスオーバーという販売において要となる4ドアモデルを用意し、初の2シータースポーツであるMINIクーペはイメージリーダーとして君臨する。これらタレント性の優れたモデルたちに、百戦錬磨のブランド名「MINI」が冠される。
もはや、ビッグダディを超えるほど痛快な大家族へと成長を果たしたのだ。
「ロードスター」って「コンバーチブル」といったい何が違うの?
ところが、ここでまた我々は裏切られた。昨年発売されたばかりの「クーペ」のオープンバージョン「ロードスター」が発表されたのだ。
って、もうすでにオープンモデルはあるじゃん!?
(ハッチバック)MINIのオープンバージョン「コンバーチブル」といったい何が違うのか。しかし、その相違点を考えると、たしかにこの2車は「混ぜるな危険!」なことがわかる。
まず、2座か4座かというシート数の違いが大きい。
実際、初体験の場合か愛好家の集団でもないかぎり、4人乗車でオープン走行をする機会はあまり多くないし、たいていリアシートは風の巻き込みが多くて乗員が悶絶することになるからだ。ドライバーが純粋にオープンドライブを楽しみたいのであれば、2シーターが最適だともいえる。
また、スペックを同じ「クーパー・6速AT」グレードで比較すると、最高出力90kW(122PS)、最大トルク160Nmと同じ数値だ。車重はロードスターのほうが50kgほど軽く、重心の高さも異なる。
実はこれ、よく見ないと気づかないが、眉をいじってない昭和の高校球児と眉毛の細い平成の高校球児くらい、その走りの印象は違ってくる。ついでに、燃費数値もロードスターの方が0.6km/L(JC08モード)ほど優れている。
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