BMW MINIロードスター 試乗レポート/安藤修也(2/2)
- 筆者: 安藤 修也
- カメラマン:オートックワン編集部
これぞMINIブランドの新しい世界!?
グレード展開はクーペに準じており、1.6L直4エンジンの「クーパー」、1.6L直4ターボエンジンの「クーパーS」、そしてクーパーSにチューニングを施した最強グレード「ジョンクーパーワークス」の三種類。組み合わされるトランスミッションは、ジョンクーパーワークスは6速ATのみで、他の2グレードは6速MTと6速ATが設定されている。
デザインもクーペに準じている。コンバーチブルより30mm全高が低く、Aピラーを13°ほど傾斜させたことで、MINIブランドの新しい世界を切り開いた印象だ。クーペはルーフ部分がなんだかズラッぽい形状でパカッととれそうだなあと思っていたが、本当に外れた。
オープンカー好きの筆者としては、オヤジ週刊誌の見出しの「バストトップ解禁!」的ワクワク感があって嬉しい。幌布素材のソフトトップがシート後部の小さなスペースに完全収納される完全フルオープンなので、袋とじを開いてみたら手ブラでがっかり、なんてこともない。
高速走行ではコンバーチブルより直進安定性が高いと感じた。
ホイールベースは同じ2465mmなので、これも低重心の恩恵だろう。ハンドリングは低速では重めだが、いざスピードに乗ればグッドバランス。MINIならではの「キビキビ」感はそのままである。
乗り心地は基本的にしなやかだが、コンバーチブルと比べると若干硬め。今回はオプションの17インチ「ツイン・ブレード・スポーク」アルミホイールを装着していたというのもあるが、この硬さもスポーツカーレベルの範疇だ。助手席に乗せた女子には、「お前を嫁に、もらう前に、言っておきたい、ことがある」と説明して理解してもらおう。
最新のオープンモデルだけに、高速走行中も(両サイドウインドウは閉めた状態で)風の巻き込みはほとんど感じられなかった。逆に、クローズド状態でも頭部周辺に圧迫感が感じられないのは素晴らしい。ただしこの時、左右後方視界が悪くなるのはご愛嬌といったところか。
2シーターということで、実用性の低さを嘆く人もいるだろうが、その一方で走りの空気は研ぎ澄まされている。このクーペの魅力に、オープンの爽快感が加わった。オープンだからといって、いわゆる“ゴーカート・フィーリング”は、微塵も衰えていないどころか、むしろ高まっている。
やはりクルマは「見た目」と「乗った感じ」両方が気に入った時が、一番楽しい。「これぞMINI!」と言える楽しさが、確かに感じられるクルマだった。
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