都会派クロスオーバーSUV 徹底比較(2/4)

都会派クロスオーバーSUV 徹底比較
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シーンを選ばない都会的センスと優れた使い勝手

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2002年に2代目に移行したフォレスターは、初代のコンセプトを発展させ、より高い実力を身につけて登場した。そして、2005年初めにビッグマイナーチェンジが実施され、ヨーロピアンスタイルを意識したルックスに生まれ変わった。

今回の3台の中ではボディサイズがいくらかコンパクトだが、キャビンは広く見える。これは、スクエアなボディ形状としたことで、限られた中で最大の居住性と積載性を得ることに成功したということ、スペースユーティリティ的には、ほかの2台に比べても、劣るどころかむしろアドバンテージがあると思えるほどだ。

そして今回、特別仕様車「エアブレイク」が新たに登場した。エアブレイクは、2L NAエンジンのベーシックモデルをベースに、大型ガラスサンルーフやビルトインHDDナビ、フレッシュパッケージ、ブラック・ベージュのファブリック/本革シートなどの標準装備化をはじめ、各種専用装備が装着されている。

新たな設定として、エクステリアではボディカラーに「アーバングレー・メタリック」と「ニューポートブルー・パール」が新たに設定され、シルバーのダイレクトタイプルーフレール、マフラーカッター、17インチタイヤ&アルミホイール(オプション装着車)が装備されるなどし、よりスポーティで都会的なセンスの良さをアピールする、ほかの2台と比べてもこの標準装備内容は非常に買い得感の高い仕様となっている。

エアブレイクの良さは、実際に試乗してみると一目瞭然。このクルマにのって平日には街中での買い物などおしゃれな生活を過ごし、休日は郊外に出かけゆったりとした休日を過ごす。そんなイメージができる。あらゆるシチュエーションでオールラウンドな走りに対応できるのもスバルならではのアイデンティティがなせるところだろう。

スバル独自の水平対向エンジン+シンメトリカルAWDの組み合わせは、いかなる状況でも安定して快適に走れることは、すでにさまざまなシチュエーションで何度も確認済み。2LのNAエンジンは日々進歩しており完成度も高く、エンジンのフィーリングはすこぶるよくなっている。また、ストロークをたっぷり確保した足まわりにより、オン/オフを問わず常に高い接地感を発揮する。

久々に乗ってみても、そのバランスの良さは大いに感じられる。水平対向エンジンは、もともと低い位置に搭載されるため、このようなパッケージングにおいても、エンジン搭載位置が通常の乗用車とあまり変わらなくなる。これによりナチュラルなハンドリングと高い操縦安定性を実現。さらに、車体本来の性能の高さゆえ、これらをまったく無理せず実現した印象がある。

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新世代プラットフォームが実現した万能な走り

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従来のエアトレックの事実上の後継モデルであり、世界戦略車として開発されたのがアウトランダーだ。 今回の3台の中では最大の全長と車高を持つが、これは上級SUVのムラーノやハリアーに匹敵する数値であり、価格は控えめながら買い得感がある。

従来のエアトレックから刷新されたスタイルは、フェンダーフレア以外のボディパネルにあまり抑揚をつけず、むしろプレーンであることを強調した印象がある。サイドウインドウのグラフィックはなかなか斬新だ。全体として、都会的なイメージを演出しつつ、タフなオフロード走破性をも予感させるものとなっている。なお、「G」グレードでは18インチタイヤが標準装備される。

新世代プラットフォームがもたらす走りは、オンロードにおいて何の不満も感じさせない完成度を誇る。これだけ車高の高いクルマでありながら、アルミルーフやリアモノチューブダンパーを採用したこともあってか、コーナリング時のロール感が小さく、しかもフィーリングは非常にナチュラル。乗り心地の快適性も高く、バネ下の重さを感じさせない。

パワートレインは、2.4LのMIVECエンジンに6速CVTが組み合わされる。これらのフィーリングも良好で、トルクを的確に発揮するエンジンに、CVTはATのような自然な加速感をもたらす。静粛性の高さにも注目したい。

電子制御4WDシステムを採用し、2WD、4WDオート、4WDロックの3つのモードを用途に応じて使い分けることができる。

フォレスターは別格としても、アウトランダーの走りは、世界的に見たクロスオーバーSUVの中でもかなり高いレベルにあるといえるだろう。

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個性的スタイルと軽快なドライブフィールが魅力

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初代のライトSUVらしいイメージから、2代目、3代目と代を重ね、RAV4はボディサイズがかなり大きくなっていった。現行モデルで全幅は1780mmと、今回の3モデル中で最大となる。

エクステリアは従来の路線を発展させた、スポーティかつ少々アクの強いデザインを踏襲。きつめの前傾姿勢としたフォルムは、強い前進感を見る者に与える。リアゲートにスペアタイヤを配置する点も特徴だ。

ドライブフィールは実に乗用車的で軽快感がある。開発者が「アウトバーンを高速のまま巡航できる走りを追求した」と述べているとおり、タウンスピードでの一般走行から高速巡航までそつなくこなす。乗り心地は少し硬めの味付けで、ややリアに跳ねるところが見受けられた。 さらに、いくつか気になった点がある。まずCVTは、トヨタの他の車種でも見られるとおりだが、RAV4のCVTも引っかかり感があり、スムーズなドライビングが損なわれてしまう。

さらに、ステアフィールがかなり軽めの操舵力であることはよしとしても、初期のゲインが高く、不要にヨーが発生してしまうところがある。それでいてロールを抑え込んでいるので、一連のコーナリング姿勢にやや違和感が残るのだ。また、タウンスピードではよいのだが、エンジン回転数3000rpmから少々ノイジーになる点も挙げられる。

近年のSUVの走行性能の向上は目覚しい。RAV4も十分に出来は良いのだが、ライバルがさらに上を行くため、どうしても見えてきてしまう部分があるのだ。

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デザイン・スペックの総評

3車3様のスタイルで、好みが分かれるところだが、この中ではやはりRAV4がに個性的に思えた。走りについては、あくまでどれもよくまとまっていることを前提にいうが、やはり車体本来の違いに由来するフォレスターの取り回しの良さが際立つ。SUVという言葉からイメージするネガティブ要素は皆無である。アウトランダーも、これほど大きく背の高い不利なボディながら、よくぞここまで仕上げられている。RAV4も及第点ではあるが、細かく見ていくと気になる部分が出てくる。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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