この上ない頼もしさと快適さに包まれた「北海道ー東京1300kmの旅」|ボルボ XC90 ロングツーリング(3/5)
- 筆者: 山本 シンヤ
- カメラマン:佐藤 正巳
豪雪地帯である八甲田山系でも安心の走り
お腹も一杯になり、次の目的地を目指す。実は筆者、どうしても立ち寄りたい場所があった。青森市南部にある八甲田山系の火山性温泉「酸ヶ湯」(すかゆ)だ。昨年の冬に別の取材で近くまで行ったものの、帰りの新幹線の時間の関係で泣く泣く入湯を諦めたが、今回は東京までクルマなので時間の制約は(日が変わらないうちに帰りたいが)ない。
酸ヶ湯がある八甲田山は、明治期に陸軍が雪中行軍訓練を行ない、山岳遭難史上最大の199人の死亡者を出した難関の地。標高が上がるにつれて道は狭くなり、道路脇は高い雪壁に覆われる。そんな悪条件で大きなボディを持て余すかと思いきや、見切りのいいボディと視界の良さ、更に心地よいダルさを持ちながら正確性の高いハンドリングに、まるで1サイズ小さなクルマに乗っている印象だ。
もちろん2トン越えの車両重量のため、無理は禁物だが、重さを活かしたトラクションの良さに加えて、重いバッテリーをクルマの中心かつ低い所にレイアウトしているため、コーナリング時の姿勢などはガソリン車よりも安定しているように感じた。
実は撮影用にフラットな圧雪路の広場で派手な走りをトライしてみたが、クルマの動きが穏やかなのでコントロールがしやすい。ちなみにバッテリー容量がある時のPureモードは後輪駆動用モーターのみの走行となるため、FRのような姿勢変化も少しだけ楽しめることも確認した。
酸ヶ湯温泉と言えば、総ヒバ造りの大浴場「ヒバ千人風呂」が有名だ。混浴なので色々期待しながら入るも、浴室は湯煙で何も見えず(泣)。名の通り強い酸性の湯で「療養に適した温泉」として、慢性皮膚疾患、腰痛や筋肉痛、神経痛、疲労回復、健康増進などの効果があるそうで、常に締め切りに追われている身である筆者の体と心を癒してもらった。
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