“プリウス”に1000馬力のアメリカンV8搭載でトランプ大統領も大満足!?【SEMAショー2017】

これぞ「強いアメリカ」の象徴! ダッジ製V型8気筒4.5リッター+スーパーチャージャーを“エコカー”プリウスに積んでみた!(笑)

SEMAショウとはSpecialty Equipment Market Association(米国特殊部品市場協会)が主催する非常に大規模なトレードショーのことで、出展社数は軽く2000を超える。毎年ラスベガスで10月末から11月上旬に開催されており、SEMA2017は10月31日~11月3日の4日間例年どおり、ラスベガス・コンベンションセンターにて開催された。ちなみに、日本語ではSEMAは「セマ」と発音するが、「スィーマ」が本来の発音だ。

特殊部品と訳されるものの、実際はアフターマーケットの自動車用品、部品全般が対象となっており、アメリカらしい華やかで迫力のある、時にクレイジーな(実際こっちの方が多い?)カスタム&チューニングカーが出展の中心である。近年は自動車メーカーや大手タイヤメーカーなどがブースを構えておりフォード、GM、FCAはもちろん、TOYOTA, HONDA, LEXUS、VW、Audi、BMW、KIAなどが常連となっている。

さて、SEMAには毎年とんでもない車が数多く登場するが、会場でたまたま見つけたこちらのプリウスはそれらの中でも、トップレベルのクレイジーさである。「PriuSRT8」という車名からして怪しすぎる!

しかしこのプリウス、かなりダークホース的な存在で、事前にリリースなどほとんどされていなかった。メーカー発行のプレスリリース頼みではなく、自ら巨大な会場を歩いて回った報道関係者だけがこのすんごい車の存在を知りニュースとして世に送り出すことができたことになる。

>>おバカなプリウス、その詳細を画像ギャラリーでも見てみる!

ドラッグレース仕様”PriuSRT8”に化けたエコカーの象徴プリウス

プリウスは2000年モデル(2代目)から米国での販売が開始され、全米でトップセラーのハイブリッド車となっている。「環境に優しい車」として米国でもすっかり定着しているが、そのプリウスの優れたHVエンジンをすべて取り去り、最高1000馬力を発生するダッジ製ヘルキャットエンジンに換装したのがこのPriuSRT8だ。ハイブリッド車からは最も遠い場所にいるはずのドラッグレース車に180度変わってしまったのである。

製作したのはニューヨーク州ディアパークに本社を置くAmerican Racing Headers(ARH)で、同じくNYブルックリンにあるドラッグレースのシャシー専門チューナーであるFarks SupercarsとのコラボレーションによってPriuSRT8は誕生した。2代目プリウスのランニング・ギアはすべて外され、V8エンジンの動力はトレメックマグナム社製6速MTとカスタムメイドされたカーボンファイバー製ドライブシャフトを介して、フォード製の9インチリアアクスルに伝えている。1000馬力もの強烈なパワーを得るために、マッスルカーなどのチューニングでおなじみのウィップル製スーパーチャージャーを装着している。

何よりすごいのは、これらすべてプリウスのオリジナルボディに何ら改造を施さずに収まったということ。中身は全く別物ではあるが、ボディはオリジナルプリウスのままなのである。また、インパネ周り、内装もほとんどがカスタムメイドされている。

PriuSRT8の運転席にいるのは、今、来日中のあの大統領?!

PriuSRT8は、随所にブラックジョーク的小ワザが効いているのだが、何よりもインパクトが強いのは「運転席」に座るトランプ大統領である。筆者も思わず二度見してしまった。絶対あり得ない設定なのに、妙にリアリティがあるというか、しっくり来るというか(笑)?

トランプさん、フツーのプリウスには乗らないだろうけど、PriuSRT8なら乗るかも?

さて、このトランプさん以外に、ユニークでブラックな笑いを誘うステッカーについて触れておこうと思う。

”HYBRID SYNERGY DRIVE”ならぬ”BURNS GAS AND RUBBER”とは

まず、こちらのBURN GAS AND RUBBERのステッカーだが、何かどこかで見たことのある形…と思ったら、そうだ!

トヨタプリウスの後部に備えられた「HYBRID SYNERGY DRIVE」のバッジである。PriuSRT8はそれをもじって「BURNS GAS AND RUBBER」(たくさんのガソリンとラバー(ゴム)燃やしてます!)とアピールしている。このPriuSRT8はクォーターマイルカー(1/4マイル=400m=ドラッグレースのクルマという意味)なので、文字通り、「たくさんのガソリンとタイヤを燃やしている」という意味なのだ。

それともう一点はこちら。

PriuSRT8に貼られた以下のステッカー「NEW YORK STATE MEAN ASS VEHICLE」 とは「NY州(公認)の最高にカッコイイクルマ!」という意味。こちら、カリフォルニア州のエコカーに着ける「CLEAN AIR VEHICLE」文面をもじったものである。なかなか小ワザが効いている!

最後に、PriuSRT8のリアバンパー付近に貼ってある「THIS CAR IS GREEN」とは、文字通り「この車は(ボディカラーが)緑色」という意味、中身は全然グリーンな車(エコカー)ではないけど、車の色だけは緑だぜ!とのアピールである。

[レポート:加藤久美子]

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加藤 久美子
筆者加藤 久美子

山口県下関市生まれ 自動車生活ジャーナリスト 大学時代は神奈川トヨタのディーラーで納車引き取りのバイトに明け暮れ、卒業後は日刊自動車新聞社に入社。出版局にて自動車年鑑、輸入車ガイドブック、整備戦略などの編集に携わる。95年よりフリー。2000年に第一子出産後、チャイルドシート指導員資格を取得し、チャイルドシートに関わる正しい情報を発信し続けている。 得意なテーマはオリジナリティのある自動車生活系全般で海外(とくにアメリカと中国)ネタも取材経験豊富。愛車は22年間&26万km超の916アルファスパイダー。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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