ホントに!? トヨタがカローラに静電気を除去する「除電スタビライジングプラスシート」採用でホントにクルマが走りやすくなった!

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トヨタはカローラシリーズの世界累計販売5000万台達成を記念し、特別仕様車“50 Million Edition”を、カローラ(セダン)、カローラツーリング(ワゴン)、カローラスポーツ(ハッチバック)にそれぞれ設定した。専用カラーやデカール装備のほか、新たに装着されたシートが今回のテーマだ。その名は「除電スタビライジングプラスシート」。シートが静電気を除去することで、車両の挙動に変化を与えるというのだというからスゴイ。

今回横浜で行われたメディア向けの試乗会場でテスト車両に乗ることが出来た。その不思議な効果を体感してきたので、さっそくレポートしよう。

目次[開く][閉じる]
  1. クルマの味を決めるトップガンが開発に一枚かんでいた!
  2. トヨタ車の空力パーツ同様に、除電スタビライジングプラスシートは操縦安定性にも効果を上げる!?
  3. 人に滞留した静電気が、車体全体の空気の流れにまで影響を及ぼしていた
  4. 違いは街乗りでもわかった! 驚きのテスト結果にあ然とするばかり

クルマの味を決めるトップガンが開発に一枚かんでいた!

今回、トヨタ カローラシリーズの特別仕様車「50 Million Edition」に初採用された「除電スタビライジングプラスシート」を開発したのは、トヨタ自動車で長年に渡り空力対策に携わるチームだった。

説明してくれたのは山田 浩史さん。かつて初代86マイナーチェンジの際にアルミテープ貼り付けの効果で空力効果の向上のみならず、操縦安定性の改善までを実現させ世間をアッと言わせた張本人だ。

実はこの開発には、トヨタ車のハンドリングなどの味付けを担当する最高峰テストドライバーである片山 智之氏が一枚噛んでいた。

スポーツシューズなどでおなじみアキレスが開発した静電気放電の対策素材を知った片山氏。これが空力に応用できないかと、山田氏のところへ持ち込んだのだという。静電気対策が空力においても課題となっていたからだ。

トヨタ車の空力パーツ同様に、除電スタビライジングプラスシートは操縦安定性にも効果を上げる!?

除電スタビライジングプラスシートは運転席のみ。シート座面前部に除電機能を加え、車体側にアース線を流すことで車体全体へと静電気を分散させる仕掛けとなっている。ただしシート表面上は通常のカローラと全く変わりはない。

しかし興味深いのは、除電だけでなく「スタビライジングプラス」と記されていることだ。

近年登場するトヨタ車のドアミラー脇やテールランプ回りなどに、小さく細長い「スタビライジングフィン」という空力補正パーツがある。Stabilizing(スタビライジング)とは「安定させる」という意味。各所の空気の渦を整え、さらにはクルマの操縦安定性にも影響を与えるという優れモノなのだ。

シートにその名が冠されているということは、同じ意味合いが込められている訳である。

人に滞留した静電気が、車体全体の空気の流れにまで影響を及ぼしていた

理屈はこうだ。

どんなクルマでも、走行中には空気抵抗を受ける。その空気を上手く流すよう、各車ともエアロパーツなどを用いながら流れを整えている。しかし実際には、静電気によって所期の性能通りに空気が流れず、乱流が発生していた。車体側の静電気とプラス帯電した空気が反発し合い、クルマの前後左右の動きにまで影響を与えるのだ。

溜まった静電気はステアリング経由でドライバーにも伝わる。前出の山田さんは「人は帯電しやすく、また静電気を通しやすい特性を持っています。」と説明する。結果として電気はドライバーに滞留し、やがて車体側面の空気の流れに影響を及ぼすのだという。

このドライバーに溜まった静電気を除電スタビライジングプラスシートによって分散させることで、所期の空力性能による操縦安定性の効果をあげようとするものだ。

※画像はトヨタ自動車公式YouTubeチャンネル「トヨタチャンネル」(https://youtu.be/rNl6eRq6PYI)より引用

違いは街乗りでもわかった! 驚きのテスト結果にあ然とするばかり

今回、カローラツーリングのハイブリッドモデルに試作品の除電スタビライジングプラスシートを備えた車両に試乗。神奈川県横浜市みなとみらい地区の街中を走行してみることが出来た。

まずは除電効果を遮る布を敷いて走行。その後に布を外し、効果のほどを確かめてみた。

不思議だ。まずブレーキがスムーズになった。トヨタのハイブリッド車は高度な協調回生ブレーキを備えているが、どうしても止まる瞬間、わずかばかりぎくしゃくする瞬間がある。これが抑えられたのだ。ええっ!?

信号が青になり加速すると、やはり出足がちょっとスムーズに感じられる。途中で布をかけたり外したりを繰り返してみたが、やっぱり違うようだ。「助手席に乗っていてもわかります」と前出の開発者、山田さんの証言。

今回は時間の都合で高速道路までは試せなかったが、同試乗会に参加していたモータージャーナリストによると、高速域でのハンドリングのスムーズさ、正確さが明らかに違うと、みな一様に驚きの表情だった。

今後、トヨタの各販売店にも特別仕様車「50 Million Edition」の試乗車が配備されるはずだ。気になったアナタは、まず一度試してみて欲しい。鈍感な筆者でも感じられたのだから、鋭敏な感覚の皆さんならすぐ気付くはず。通常モデルのカローラと乗り比べてみると、その効果もより体感出来ることだろう。

[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル/撮影:和田 清志・TOYOTA]

除電スタビライジングプラスシートとは?【トヨタ自動車公式YouTube「トヨタチャンネル」】

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筆者トクダ トオル(MOTA)

昭和44年生まれ。週末は愛車に乗って(時に鉄道に乗って)家族とともにドライブやキャンプを楽しむ1児のパパ。自動車メディアに携わるようになってから15年余りが経過。乗り換えに悩むユーザーの目線に立った平易なコンテンツ作りを常に意識し続けている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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