初のインド製SUZUKI車は甘口?それとも辛口!?/「スズキ バレーノ」速攻試乗レポート(3/5)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:小林岳夫・オートックワン編集部
ぎらぎらしたクルマが多い中ではかえって目立つ!?柔和なお顔
以上のようにバレーノは、日本の販売規模は小さいが、メカニズムは欧州車の標準に合わせて進化させた。典型的な海外戦略車である。
このバレーノの特徴を視覚的に訴えているのが、外観のデザインだろう。フロントマスクは日本車を見慣れていると間延びした印象だが、敢えてバランスを崩して適度に柔和な印象を持たせた。今のトレンドとなる、口を大きく開いて噛み付くような怒り顔にはしていない。
全幅が1745mmと少しワイドだから、ボディパネルには緩やかなボリュームがあり、サイドウインドーの下端を斜め後方に向けて持ち上げた。後方視界の確保では不利な形状で、リアゲートを開いた時の下端の位置も高い。荷物の収納性も良好とはいえないが、後ろ姿に塊感があってスポーティな雰囲気は演出されている。
ベーシックな「XG」グレードにも上級仕様が欲しい
内装は特に上質とはいえないが、日本車の水準を逸脱していない。このあたりもスズキの30年以上におよぶインド生産のキャリアだろう。サプライヤーを含めて上手に連携を図っている。
とはいえ、1.2リッターの自然吸気エンジンを搭載したベーシックなXGのインパネは物足りない。
それが1リッターターボのXTなら、エアコンがフルオートタイプになり、操作パネルにはシルバーの装飾も加わって見栄えが良い。
内装で優れているのは前席の造りだ。座面の奥行に余裕があり、背もたれの高さも十分に確保した。腰まわりをしっかりと支えるから、快適でサポート性も良い。欧州車風のシートに仕上げた。
ファミリーカーとしても使える後席空間なだけに・・・
後席はもう少し座面に柔軟性が欲しい。イグニスなどと違って後席を前後スライドさせるシートアレンジの機能はなく、座面は固定されるから、もう少し入念に造り込みたい。
後席のサイズに不満はない。座面の奥行は前席に比べて15mmほど短いが、寸法が不足した印象は受けない。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る同乗者の膝先空間は握りコブシ2つ少々。足が前席の下に収まりやすく、ゆったりと座れる。
頭上の空間は握りコブシの半分程度。天井を後ろに向けて下降させたこともあり、頭上はあまり広くない。長身の同乗者は注意が必要だが、全長が4m以下のボディながらも、ファミリーカーとして使える居住性は備えている。
荷室容量も十分に確保
座り心地を左右する要素として、シート生地の違いもある。XTの試乗車はセットオプション装着車で、本革シートが採用されていた。フォグランプやフロントセンターアームレストと併せてオプション価格は11万160円だから割安といえるが、本革の特徴で伸縮性が十分とはいい難い。標準タイプのファブリックが柔軟で、特に後席は体が沈みにくいため、本革シートよりも突っ張り感が抑えられて快適に感じる。セットオプション装着車を選ぶ時は、試乗車などで座り心地を確認したい。
荷室は前述のようにリアゲート開口部の下端が高いが、容量は十分に確保した。ラゲッジボードを上段にセットして後席の背もたれを前に倒すと、荷室床面の段差がなくなって収納性を向上できる(ただしリアゲート開口部との段差は残る)。
愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!
-
一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?
これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。
-
一括査定は本当に高く売れるの?
これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。