初のインド製SUZUKI車は甘口?それとも辛口!?/「スズキ バレーノ」速攻試乗レポート(4/5)

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:小林岳夫・オートックワン編集部
初のインド製SUZUKI車は甘口?それとも辛口!?/「スズキ バレーノ」速攻試乗レポート
SUZUKI BALENO(スズキ バレーノ)[マルチ・スズキ・インディア社 マネサール工場製] 試乗レポート/渡辺陽一郎 SUZUKI BALENO(スズキ バレーノ)[マルチ・スズキ・インディア社 マネサール工場製] 試乗レポート/渡辺陽一郎 SUZUKI BALENO(スズキ バレーノ)[マルチ・スズキ・インディア社 マネサール工場製] 試乗レポート/渡辺陽一郎 SUZUKI BALENO(スズキ バレーノ)[マルチ・スズキ・インディア社 マネサール工場製] 試乗レポート/渡辺陽一郎 SUZUKI BALENO(スズキ バレーノ)[マルチ・スズキ・インディア社 マネサール工場製] 試乗レポート/渡辺陽一郎 SUZUKI BALENO(スズキ バレーノ)[マルチ・スズキ・インディア社 マネサール工場製] 試乗レポート/渡辺陽一郎 SUZUKI BALENO(スズキ バレーノ)[マルチ・スズキ・インディア社 マネサール工場製] 試乗レポート/渡辺陽一郎 SUZUKI BALENO(スズキ バレーノ)[マルチ・スズキ・インディア社 マネサール工場製] 試乗レポート/渡辺陽一郎 SUZUKI BALENO(スズキ バレーノ)[マルチ・スズキ・インディア社 マネサール工場製] 試乗レポート/渡辺陽一郎 SUZUKI BALENO(スズキ バレーノ)[マルチ・スズキ・インディア社 マネサール工場製] 試乗レポート/渡辺陽一郎 SUZUKI BALENO(スズキ バレーノ)[マルチ・スズキ・インディア社 マネサール工場製] 試乗レポート/渡辺陽一郎 画像ギャラリーはこちら

活発な吹け上がりの新開発3気筒ターボ

SUZUKI BALENO(スズキ バレーノ)[マルチ・スズキ・インディア社 マネサール工場製] 試乗レポート/渡辺陽一郎SUZUKI BALENO(スズキ バレーノ)[マルチ・スズキ・インディア社 マネサール工場製] 試乗レポート/渡辺陽一郎

バレーノの運転感覚はどうだろう。まずは注目される直列3気筒 1リッターターボを搭載するXTを試乗した。

最大トルクは16.3kg-mで、1500~4000回転で発揮されるが、1500回転付近では3気筒エンジン特有のノイズを感じる。それでも音質が適度に太く不快感はない。

2000回転付近から加速力が高まり、3000回転を超えた領域の吹き上がりは活発だ。基本的に自然吸気エンジンに近い印象だが、回転が上昇するに連れて、加速力が強まる面はある。

動力性能を自然吸気エンジンに当てはめると1.6リッタークラス。車両重量も950kgと軽く、トルクコンバーター式の6速ATにはダイレクト感が伴うから、峠道などを走る時には都合が良い。

ノンターボ4気筒エンジンは扱いやすい

SUZUKI BALENO(スズキ バレーノ)[マルチ・スズキ・インディア社 マネサール工場製] 試乗レポート/渡辺陽一郎

一方、直列4気筒の1.2リッターエンジンは、最大トルクが12kg-m(4400回転)とあって当然ながら加速力は下がる。

しかし自然吸気らしく直線的に吹き上がり、回転感覚に馴染みやすさがある。ATはCVTだからダイレクト感は伴わないが、アクセルペダルを踏み増すと即座に変速が開始されて使いやすい。バレーノの個性を求めるならターボのXTだが、日常的な移動で使うなら1.2リッターのXGも選ぶ価値が高い。

国産モデルに比べ、より走りが楽しめるツウ好みな設定に

SUZUKI BALENO(スズキ バレーノ)[マルチ・スズキ・インディア社 マネサール工場製] 試乗レポート/渡辺陽一郎

操舵感は特に機敏ではなく、反応が穏やかで幅広いユーザーに適した設定だ。輸入車らしさを感じるのはハンドルを切った後で、自動的に直進状態に戻ろうとする特性が少し強い。操舵感もコンパクトカーの中では若干重いが直進時には安心感がある。

それでも曲がりにくく感じることはなく、後輪の接地性が高いために安定性は申し分ない。ボディが軽いことも、安定性にはプラスに働いている。

エコタイヤの影響か、想定速度域が高いせいか、低速域での乗り心地がやや気になる

SUZUKI BALENO(スズキ バレーノ)[マルチ・スズキ・インディア社 マネサール工場製] 試乗レポート/渡辺陽一郎

乗り心地は想定している速度域が少し高い印象だ。粗さはないが、低い速度では路面のデコボコを少し伝えやすい。

タイヤサイズはXTが16インチ(185/55R16)、XGは15インチ(175/65R15)で、試乗車が装着していた銘柄は両グレードとも「ブリヂストン エコピアEP150」であった。指定空気圧は前輪が250kPa、後輪が220kPaで、この数値も等しい。

硬めの乗り心地には、転がり抵抗を抑えたタイヤを装着し、なおかつ前輪側の指定空気圧を高めにしたことも影響しているだろう。

XTとXGで少し異なる操縦性能

SUZUKI BALENO(スズキ バレーノ)[マルチ・スズキ・インディア社 マネサール工場製] 試乗レポート/渡辺陽一郎

安定性と乗り心地もグレードに応じて微妙に異なる。

XTはXGに比べて曲がる性能が少し高く、旋回軌跡を拡大させにくい。乗り心地は硬めだが重厚感も伴う。

XGは積極的に走ると少し曲がりにくいが、車両重量が主に前輪側で40kg軽く、操舵に対する反応には軽快感が伴う。このあたりも、XGはエンジン特性と同様に馴染みやすい。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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