「名古屋走り」に「山梨ルール」!? 世にはびこるローカル運転ルール説に長距離ドライバーが反論【月間5000キロドライバーの独り言 Vol.1】

まずはあらためて自己紹介・・・

「普通免許で乗れて、1台でクルマを同時にたくさん移動できる積載車はアツい!」となんとなく昔から思っていて、機会があったらマイ積載車が欲しいと思っていました。積載車を持っているライターはあまりいないだろうという“ネタ”心もあり、たまたま見つけた安い積載車を購入してみたら、イベントの準備やお手伝いのお誘いが来るわ来るわ!! 最近では許認可も得たことで不動車のレッカーの依頼もひっきりなしに入るようになり、全国を西へ東へ行ったり来たり! 月間の走行距離が5000キロを下らなくなり、ライターだかドライバーだかわからなくなってくるほど。

けれども、トラックに乗ってみる道路の風景は、これまでの乗用車のそれとは一味も二味も違って見えるもの。さらにクルマで遠出をすると実に様々な出会いがあり、ライターとしてもとても得難い経験を実にたくさんさせてもらっています。

このシリーズコラムでは、少し高いコックピットから見た日本の道路、風景、クルマたちに関することを書いていければと思います。

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そんなヤツは全国どこにでもいるぜ

あおり運転が社会的な問題となるようになって、運転マナーに関する話題をしばしば見聞きするようになりました。そんな中でよく目にするのが、いわゆる「○○走り」というもの。どこそこは乱暴、どこそこはウインカー出さないなどなど、地域性と走り方について、真偽も定かではないようなことも含め、ネットや記事で目にします。

しかし、毎月少ない月でも5000キロほど走行しトラックやクルマで全国を走り回っている筆者からすると、こういう記事には違和感を覚えるものです。「そんなヤツはどこにでもいるぜ!」と。

もちろん、右左折時や車線変更の際に方向指示器を出さない輩は、地域を限定しなくても一定数います(そもそも本来交通法規の違反であり、管轄の警察署などにはしっかり取り締まっていただきたいものですが)。でも、それを言うならさあ!と感じる部分もあります。

例えば、全国どこにでもいて、どこのナンバーが一番強烈かと感じるかと言えば、個人的には足立ナンバーのトラックがダントツ。強引で威圧的な運転のクルマが多い気がします! そして、合流の際に入れてあげてもサンキューハザードなどをしない率で言えば、トラック/乗用車に限らず品川ナンバーが圧倒的に多い、という印象を持っているのです。

ただ、これをもってして「○○走りのくくりが間違っている」と正す気も毛頭ありません。なぜなら、東京湾岸や内陸部で物流拠点が多い「足立ナンバー」「品川ナンバー」エリアのトラック台数は相当多いです。そして官公庁や企業の拠点の多い都心部を含む「品川ナンバー」の乗用車・商用車が全国へ出張するケースの方が、他ナンバーに比べて多いに違いないからです。また当たり前の話ですが、人口が極めて多いエリアで、穏やかに走る普通のクルマの数もその分多くなります。たまたま見かけたひどい事例をひとくくりにして「足立走り」「品川走り」というのもどうかと思っています。

激しい“名古屋走り”には理由がある

○○走りというと、代名詞として語られるのがいわゆる「名古屋走り」。あれは名古屋周辺の道路構造にも問題があるのではないでしょうか。他県ではなかなかない車線数があり、車線区画もユニークです。

そういう地域で心がけることは、後方をいつも以上に確認しながら走ること。ウインカーを遅滞なく出せるように準備すること。車線変更する段階になったら、意識的に早めの事前告知をしつつスムーズな車線変更をするよう努めること、などなど。

また名古屋と並び、大都市圏では大阪近辺のナンバーも荒々しいと言われることがあります。確かに“ダイナミックドライビング”なクルマも少なくないですが、いっぽうで譲り合いの精神よろしく、合流でも優しく入れてくれたりもするものです。入れてもらえないのは、きっとあなたの運転自体に問題が・・・(以下略・汗)。

また、うちの地元は・・・というケースも散見されます。地元の運転の特徴を指して、ことさら○○走りだの××ルールだのと評する場合もあるような気がしています。

これに関しては「一回、国道246号線の玉川通り瀬田~池尻間を走行して欲しい!」と声を大にして言いたいのであります!! 全国の道を走ってから東京のこの付近を走行すると、日本で一番うっとうしいのはこの道だ!と思い、いつもため息をつきます。

どこよりも激しいのは東京“世田谷走り”だった!?

例えば、名古屋で面食らった「右側車線がいきなり右折レーンになるパターン」が、もっと唐突に短区間で現れるのが玉川通りです。これは道路の上に首都高が覆い被さり、そもそもの車線幅が制約されていることに加え、中央に太い橋脚があるので構造的に右折レーンが造りにくいためと思われます。頭上には首都高。さらに左右には高層ビルが密集し、昼でも薄暗いのもまた安全運転の大敵です。

加えて玉川通りは直下に鉄道が走るため地下駅が点在。人口密集地ということで人の流動も多く、道路沿いには飲食店やコンビニ・スーパーの類いがひたすら続きます。そこを目がけて客待ちや荷捌きなどでいきなり停車するタクシーや商用車も少なくありません。そしてそのたびに左側のバスレーンから、複数の路線バス群がもそっと車線変更をしてきたりもします(乗務お疲れ様です!)。

そんな動きに過敏に反応するかのように、隣県ナンバー含め車線変更時のウインカーを出さない率も少なくない。さらには、交通ルール無視上等!とばかり縦横無尽に走り回る(自分だけは)意識高げな自転車の連中の、あまりに予測不能な動き・・・

もう、ぜんぶいっさいがっさい盛り合わせで目の前にやってきて、これが相当鬱陶しいんです。初心者ドライバーなら「ムリー!」と泣き叫ぶことでしょう。

モータリゼーションが急激に進んだ昭和・高度成長期のニュース映像のナレーションでよく「交通戦争」という言葉が出てきました。それが東京のど真ん中で、平成を超え令和の世でも常態化しているあの惨状、異常であると言わねばなりません!

と最後は熱くなってしまいまいましたが・・・何はともあれ、事故が起きてからでは時すでに遅し。どんなに注意してもし過ぎることはありません。なくて七癖あって四十八癖、ではないですが、こういうのは半ば習慣的になっていること。まったくないということもないでしょうし、あって、他人に迷惑をかけているケースだったあると思いますが、おおげさに吹聴されるほどの地域性は感じないんだが、というお話でした。

あまり地域性に紐づけすぎず、交通法規を遵守して、常に疑いの目で「かもしれない運転」を励行し、事故のない運転を心がけていきたいものですね。

[筆者:月間5000キロドライター 中込 健太郎]

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中込 健太郎
筆者中込 健太郎

自動車ライター。1977年生まれ。神奈川県出身。武蔵工業大学(現東京都市大学)工学部電気電子工学科・水素エネルギー研究センターを卒業。自動車産業向け産業機械メーカーを経て、大手自動車買取販売会社で店舗業務からWEB広告、集客、マーケティングなどに携わる。現場経験に基づくクルマ選びや中古車業界の事情に明るいことから、ユーザーはもとより、自動車販売の現場からの信頼も厚い。幼少期からクルマをはじめとした乗り物好きが高じ、車種を紹介するコンテンツなども手掛ける一方、「そのクルマで何をするか」をモットーに全国をクルマで旅行し、食べ歩き、温泉巡り、車中泊といったカーライフに関する執筆も多数手がける。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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