「ブルーバード」に「カリーナ」!? 名前が変わったら人気が復活するかもしれない車 3選

クルマは改名で大きくイメージが変わる!?

マツダは、「アクセラ」のフルモデルチェンジで海外名「MAZDA3」を日本市場向けにも与え、世界統一名にしたことは大きな話題になりました。しかも「アテンザ」「デミオ」も、マイナーチェンジでそれぞれ「MAZDA6」「MAZDA2」に改名してビックリ。さらに元を辿ればアクセラは「ファミリア」、アテンザは「カペラ」(さらに言うとカペラは一時期クロノスという名前でした)、デミオは「日本フォード・フェスティバ/オートザム・レビュー」の発展改称モデルです。

このように車名を輸出名に統一するのは珍しいケースですが、長年使用していた車名をなくして改名することはよく行われてきました。改名する理由のひとつに、“イメージチェンジ”があります。時代に合わせてクルマに求められることは変わっていくので、名前から来る印象が古くなったり、それまでのキャラクターでは手詰まりになってしまうような時、車名を変えて販売量の復活を図ることがあるのです。

そこで今回は、市場での販売台数が今一歩なクルマたちが「もし改名したら」人気が復活するかも? と題して、3台の改名を考えてみました。

>>シャレードやカリーナも! “あの頃”を彷彿とさせるクルマたちを見る

日本導入を切望の次期シルフィはぜひ「ブルーバード」に

日産のセダンラインナップで今や最小の「シルフィ」。ブルーバードの後継として、パルサー(の欧州版、アルメーラ)をベースに2000年に誕生した「ブルーバードシルフィ」は現行型で3代目です。

海外ではスポーティバージョンがあったり、外観もVモーショングリルだったり、電気自動車版まで存在しているのに、当の日本では高年齢層向けの地味セダンの印象が拭えず、すっかり影が薄くなっています。

そんな中、2019年4月に開催された上海国際モーターショー2019で発表された新型シルフィは、Vモーショングリル、フローティングルーフ、ブーメラン型リアランプなど日産デザインを持ったスポーティで若々しいクルマに大変身!

前にもこの4代目シルフィの日本投入に期待が高まる…という記事を書いたので、内容的には丸かぶりですが、「改名したらどうだろう」と一番願うクルマだけに、改めてここでも登場です。

次期シルフィの日本導入は未定ですが、その際は、是非とも「ブルーバード」という名前を復活させてほしいもの。古い名前という人もいるかと思いますが、一方で、スカイラインのマイナーチェンジで「ビッグネームの持つ伝統の重み」を再認識した人も多いのではないでしょうか。

ダイハツのリッターカー「ブーン」はやはり「シャレード」で?

“リッターカー”というジャンル分けをすっかり聞かなくなりました。排気量が1000cc=1リッター前後のコンパクトカーを指し、日産「マーチ」、トヨタ「スターレット」、「ヴィッツ」、ダイハツ「シャレード」、スバル「ジャスティ」、スズキ「カルタス」など、各メーカーがしのぎを削る激戦区でした。

現在では、装備が豊富で走行性能・動力性能・安全性も向上した軽自動車にエントリーカーの主軸が移ったこともあって、このクラスはあまり目立たなくなってしまい、クルマの出来、税制面から、「軽自動車を買った方がいい」という車種もあるほど!? も車体サイズ、排気量に上限がある軽自動車に比べると、リッターカークラスにもメリットはあり、販売台数でもまだまだ健闘しています。

例えば、2018年のデータでは、ヴィッツは約8.8万台で9位、トヨタ「パッソ」は年間約4.8万台を売って、ランキング22位を得ています。

しかし、パッソのベースでダイハツが開発している「ブーン」は約9000台・49位という結果に。単純に両メーカーの販売力の差が出た、とは思うのですが、それにしても本家ブーンの台数は寂しい限りです。

そこで、思い切ってブーンの車名をダイハツ伝統のリッターカー「シャレード」にしてみるのはいかがでしょうか。上質な小型車を目指しているブーンなので、言葉の響き的にもシャレードって名前はなかなか素敵かも(シャレード自体は質素でシンプルなクルマでしたけれども)。往年の「デトマソ」風のキットも発売されていることですし…。名称廃止から19年。むしろ新鮮でいいかも?

アリオンは「カリーナ」で営業車&おじさんクルマ&捜査車両から脱却!?

さてさて次もまた地味目なセダンです。本当は、ティアナ=ローレル、フーガ=グロリア、などもいいかなと思ったのですが、そうするとこの記事、全部内容が日産車になってしまう! ので(汗)。

そこで、トヨタから「プレミオ」「アリオン」にご登場願いましょう。プレミオはコロナの、アリオンはカリーナの流れを組みます。2代目となる現行型は今なお5ナンバーサイズで、ビッグキャビンで室内も広く、実用性が高い佳作なのですが、如何せん一般オーナーの販売対象からは外れ気味になっています。不動産屋さんの営業車や、警察の覆面捜査車両など官公庁で使用しているイメージが強いのです。

初代プレミオとアリオンの登場は2001年です。もうそんなに前なのですね。

11代目コロナが「コロナプレミオ」だったので、コロナの名が取れたプレミオは、コロナとしてみれば通算12代目に、カリーナの代替わりのアリオンは、カリーナとしてみると通算8代目に当たります。

発売開始から12年…そろそろ次は、という頃なのですが、カローラアクシオ(これも単にカローラにしたいと思うのは筆者だけ?)が、次期モデルでは3ナンバー化するという情報もあり、その際にプレミオ/アリオンは統合されて廃止になってしまうかも。

わ、そしたらアリオンはカリーナに改名して、「足のいいやつ(カリーナにはそんなキャッチコピーがありましたよね)」的なスポーティでフレッシュなグレードを再現したら面白いのに…(注1)というどころではなく、コロナ/カリーナの系譜自体が消えてしまうことになるのね(号泣)。

丁度いいサイズのセダンだけに、この2モデル、廃止するのは惜しい気がします。

(注1…実はアリオンには2016年までエアロパーツやローダウサスが純正オプションで存在しました)

記事を書いて改めて感じる、車種の数なさと車名の大切さ

この記事を書くために、改めて各メーカーの現行販売車種を再確認してみたのですが、感じたのは「車種が少なくなったなあ」ということでした。

それでもまだ、海外のメーカーに比べたら国産車の車種は多いのですが、以前に比べたらかなり減ったのを実感します。何より「セダン」「クーペ」は壊滅状態で、それ以外にも販売店系列に合わせて売る車を(半ば無理やりに)仕立てる必要がなくなった…のもあります。

そのため、「セリカ」「プレリュード」って名前っていいなあ、と思っても、それを与える“改名元のクルマ”がない! のです(涙)。

改名の功罪はさまざま。販売が一時的に好転しても、時間が経過すると改名したクルマのイメージをまた変えたくなることもあるでしょう。改名が失敗することもあります。

今回は、改名の際に新しい名前を予想するのは難しいために、消えた名称を再び与えては?という懐古的な内容になりましたが、消えた名前を思い出して書きとめてみると、懐かしい車名も今となってはとても新鮮でした。

クルマの売れ行きにも左右する車名の奥深さを再認識することにもなりました。

[筆者:遠藤 イヅル]

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遠藤 イヅル
筆者遠藤 イヅル

1971年生まれ。カーデザイン専門学校を卒業後、メーカー系レース部門にデザイナーとして在籍。その後会社員デザイナーとして働き、イラストレーター/ライターへ。とくに、本国では売れたのに日本ではほとんど見ることの出来ない実用車に興奮する。20年で所有した17台のうち、フランス車は11台。おふらんすかぶれ。おまけにディープな鉄ちゃん。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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