[イラストレーター遠藤イヅルの”マルエン”レポート Vol.5]「日産スカイラインフェスティバル2013 in袖ヶ浦フォレスト・レースウェイ」
- 筆者: 遠藤 イヅル
- カメラマン:遠藤イヅル イラスト:遠藤イヅル
歴代スカイラインたちが勢ぞろい
こんにちは! イラストレーターの遠藤イヅルです。大好評をいただいております「イラストレーター遠藤イヅルの”マルエン”レポート」。話題のニューモデルからマニアックな旧車に至るまで、街中で行われる様々なイベントの模様をイラストでご紹介しています。
今回は、第4回目をむかえる【日産スカイラインフェスティバル2013 in袖ヶ浦フォレスト・レースウェイ】の様子をお届けします!それまで梅雨時期だった開催時期を10月に、会場も千葉・袖ヶ浦フォレスト・レースウェイに移して、より気軽に楽しめるイベントに生まれ変わりました。
もちろん新旧問わず集まった「日産(&プリンス!) スカイライン」たちが並ぶ姿は大迫力。その中から、また今回も遠藤イヅル的視点で「心にささったクルマ」たちをご紹介していきます!
鉄仮面に顔を奪われ、何の因果かマッポの手先
会場に到着したら、そこはまさにスカイラインの海。往年のモデルから最新のR35型「GT-R」、そしてV36型スカイラインまでが所狭しと並んでいたその中から、ピットにオーラを発してたたずむ一台に注目。
それが「スカイラインRS(DR30)」。6代目スカイライン、通称【ニューマンスカイライン】の高性能版です。
直6エンジンが基本だったスカイラインですが、当時シルビアに搭載されていた直4DOHCのハイパワーユニット「FJ20」を搭載。そのため、当時のスカイラインの公式「直4にはGTの名前を与えない」に従って、「RS」というグレード名がつけられ、さらに後期型はライトが薄くなり、「鉄仮面」という愛称で親しまれました。鉄仮面と言っても、2代目スケバン刑事ではありませんので念のため(と、おぢさん向けネタなど少々)。
スカイライン伝説の始まりは、突貫工事で造り上げたレースマシンから
スカイラインは、今はなきプリンスというメーカーのクルマでした。上級車種であったスカイラインは、2代目で1.5Lのファミリーカーに大変身。これをベースに、日本グランプリ参戦のホモロゲーション取得用に登場したのが「スカイラインGT(S54A-I)」。グロリア・スーパー6用の直6エンジンを搭載するためにノーズを200mm延長。参戦した日本グランプリでスカイラインがポルシェ904を一瞬追い抜いたあの日から、スカイラインの伝説が始まりました。
その後の生産モデルでは、ウェーバーキャブを3つも使うことで確保が難しくなったためシングルキャブとした「2000GT-A(S54B-I)」と、本来の3連キャブの「2000GT-B(S54B-II)」が用意されることとなりました。これぞ元祖スカイラインGT。さすがにサーキットが似合いますね。
羊の皮をかぶった狼、ハコのGT-R現る
1989年、16年ぶりに「GT-R」が8代目となるR32型スカイラインに復活。GT-Rはその後継世代、9代目R33型でも登場しています。
1997年、このR33型のGT-Rにハコスカ以来の4ドアのGT-Rが帰ってきました。それが「スカイラインGT-R・オーテックバージョン 40th ANNIVERSARY(BCNR33改)」でした。
中身は2ドアのGT-Rのまま4ドアにしたモデルなのですが、オーバーフェンダーを4ドアでも採用するために、リアドアやリアフェンダーは新規でおこされているという気合いの入った一台。当時498万で販売され、442台が製造されたと云われています。ぱっと見はノーマルの4ドアと変わらないその姿は、まさに「羊の皮をかぶった狼」ですね。
「その時、精悍」 GT-R復活劇へと繋がる(実はとっても)重要なモデル
7代目、【7thスカイライン】のグループA用ホモロゲーションモデルが、1987年に登場した「スカイラインGTS-R(HR31)」です。エンジンは通常のGTSツインカム24Vターボに搭載されていたRB20DET(190PS)をベースに等長ステンエキマニやギャレットTO4Eタービン、前置きインタークーラーによって最高出力は+20PSの210PS、専用の深い紺色のボディカラー、固定化された「GTオートスポイラー」、大型化された専用のリアスポイラーなどを持ち、ただならぬ雰囲気を漂わせていました。800台限定販売。
「GT-R」の名前を与えられなかったのは、その名前を継ぐには物足りなかった、とも云われますが、でも当時「GTS−R」の登場に、ぼくらは心をおどらされたものです^^
自分は西部署の大門だ! 武器を捨てておとなしく投降しろ!
今回の一等賞がこれ!
5代目スカイライン【ジャパン】の「ターボ 2000GT-E・S」です。
サーキット走行が主体のこのイベントでは、参加の方々は改造をされていることが多いため、どの世代のモデルでもノーマルのクルマはかえって目立ちます。また、ハコスカやケンメリは台数もそれなりに多いのですが、ジャパンは比較的お目にかかれない世代なのではないかと思います。
ノーマルのホイール、純正オプションであろうカバー付きのフォグランプやマッドガードなどが、新車のようなコンディションと相まってとても好ましい姿を作っていました。
「ターボ 2000GT-E・S」は、L20E型エンジンにターボを搭載、「セドリック/グロリア」、「ブルーバード」に続く日産のターボ車。145PS(グロス)を発揮したこのクルマ、当時小学生だった僕も憧れました。あ、もちろん、ボディカラーは黒+金のストライプ! そしてこれが活躍する「西部警察」のスペシャルパトカー「マシンX」にも(^^:
ニッポンにスカイラインあり!
「日産スカイラインフェスティバル2013」、参加台数は300台近くではなかったでしょうか。どのクルマも磨き上げられ、オーナーさんの愛情がたっぷりと注ぎ込まれていました。たくさんのスカイラインをサーキットに響き渡るG7、L20、S20、RB20や26、VQ、そしてVR型エンジンの咆哮を聞きながら見回ると、日本にスカイラインあり!ということをとても誇らしく思いました。
しかも現在販売のモデルでもまだ、「日本のグランドツーリングカー」というその伝統はしっかり受け継がれているのです。長い歴史の中でスカイラインというクルマはそのポジションは大きく変化させてきていますが、これからも長く愛され、走り続けて欲しいですよね。実はぼくもスカイラインは大好き!いつかは、乗りたいなって思っているのです。
[レポート/Photo/イラスト:遠藤イヅル]
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