日産ノートe-POWER NISMO試乗レポート|激売れ日産 新型ノート唯一の弱点も克服?

日産ノートe-POWER NISMO試乗レポート|激売れ日産 新型ノート唯一の弱点も克服?
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e-POWER追加で30年ぶりに販売台数トップの日産ノート

日産 ノート e-POWER NISMO 試乗レポート/山本シンヤ

2016年11月にビッグマイナーチェンジを実施し、日産が電気自動車で培った技術を惜しみなく注ぎ込んだ新ハイブリッド“e-POWER”モデルも追加。登場月にいきなりトヨタ プリウスを抜き、販売台数トップ獲得という快挙を達成した大人気の日産 新型ノート。そんな人気の新型ノートe-POWERモデルに早くも『NISMO』が追加された。まだナンバーも未取得のモデルだが、富士スピードウェイのショートサーキットで行われた先行試乗の様子が届いたので、早速お届けしよう! レポートはワークスモデルにも精通する山本シンヤ氏だ。

日産の屋台骨を支える世界戦略車

日産 ノート e-POWER NISMO 試乗レポート/山本シンヤ

日産ノートはBセグメントの世界戦略車として開発されたコンパクトモデルで、日本はもちろん北米や欧州など世界中で販売。現行モデルとなる2代目は2012年に登場、今も日産の屋台骨を支える重要なモデルとして人気が高い。その人気に拍車をかけているのが、今回のビッグマイナーチェンジで追加された『e-POWER』の存在だろう。

1.2リッターのガソリンエンジン(発電用に低速トルク重視とした専用セットアップ)で発電した電気を使ってモーターを駆動させる、いわゆるシリーズハイブリッドで、モーター駆動による力強い走りに加え、EVのデメリットの一つである航続距離の問題を解消。またアクセル操作だけで加速/減速ができる1ペダルドライブや、低重心化や車両重量が約170kg増えた対策を施したことで、むしろハンドリングや走りの質感などが向上した点も高く評価出来る。

そんなe-POWER人気も手伝って、日本自動車販売協会連合会が発表する2016年11月の乗用車車名別販売台数で、日産としてはトラッドサニー以来となる30年2ヶ月ぶりの販売台数トップも獲得している。

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日産ノートe-POWER NISMOとは

日産 ノート e-POWER NISMO 試乗レポート/山本シンヤ日産 ノート e-POWER NISMO 試乗レポート/山本シンヤ

しかし、電動化の時代になったとしてもクルマの「走る楽しさ/操る喜び」はなくなることはない。そんな提案の一つがノートe-POWERに追加された『NISMO(ニスモ)』だ。ノート ニスモはすでにガソリン車にも設定され、“ニスモの魅力をより多くの人へ”、“日産車に更なるワクワクを”を実現させるために、レーシングテクノロジーを量産車にフィードバックしたモデルである。

もちろんe-POWERであっても、その手法は同じ。エクステリアは控えめな形状だが、NISMOレーシングカーのテクノロジーを市販車にフィードバックし、ゼロリフトや前後バランスの適正化など空力操安の考えを盛り込んだエアロダイナミクスを採用する。さらにフロント周りのデザインはマイナーチェンジ前のモデルより精悍さと質感がアップ。e-POWERを象徴するエコイメージのブルーのラインで縁取られたグリルとの組み合わせは、何とも不思議な感じ。

インテリアはブラックモノトーンとレッドのワンポイントのコーディネイトで、アルカンターラ&本革ステアリング、スポーツシート(メーカーオプションでレカロも設定)、専用メーターなど、実に盛りだくさんな内容となっている。

ドライブモードもNISMO専用チューニング

ノートe-POWERニスモドライブモード

パワートレインは最高出力/最大トルクともに変更ないが、アクセル操作に対する加速レスポンスが引き上げられているのと、アクセルペダルを離した時の回生ブレーキの減速度を車速に対しフラットな特性にすることで、ワインディングなどを1ペダルで気持ち良くドライブできるようにセットされた、専用の「VCM制御」を採用。e-POWERの特徴の一つである「3ドライブモード」もNISMO専用チューニング(ECOのみノーマルと同じ)だ。

ノートe-POWERニスモのサスペンションとか

フットワークまわりでは、サーキット走行を視野に入れながら一般道での快適性を犠牲にしないセットアップを実現させるために、シャシーには質量やバランスまで考えた効果的な部位に追加された剛性アップパーツで最適化された車体に、専用セットアップのサスペンション(フロント/EPS制御/タイヤ(ヨコハマDNA-GP)などを与えた。ただ、スポーツ性のみならず快適性や乗りやすさもバランスさせたセットアップとなっている点も見逃せない。

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車速のコントロール性が高まったノートe-POWER NISMO

日産 ノート e-POWER NISMO 試乗レポート/山本シンヤ

ノート e-POWER ニスモが最も本領を発揮するのはワインディングとの事だが、今回はナンバーが無いモデルと言うことで、試乗は富士スピードウェイのショートコース。そのため限界走行だけでなく、ワインディングを考えたペースでの走行も心がけた。

パワートレインは基準車に対してEV特性をより活かしたセットアップ。ゼロ発進や再加速時の力強さが増しているのは、ガソリン車のVCMチューニングよりも解りやすい。

ちなみに富士スピードウェイ・ショートコース、A1ルート上りのタイトなコーナーは、ガソリン車ではギア比が合わずに失速してしまうのだが、ノートe-POWERはそんな事を気にせずにスッと進むのが嬉しい。またノーマルではエンジンが発電時に一定回転で回って興ざめする事もあるが、e-POWER ニスモではアクセル開度に合わせて回転が上昇するのはマル。アクセルOFF時の車速コントロールも、ノーマルでは車速で減速度が変わってしまうが、e-POWER ニスモでは減速Gを一定にチューニングしているので、車速コントロールもしやすい。

NISMOは”クルマ好きのマインド”を解っている!

日産 ノート e-POWER NISMO 試乗レポート/山本シンヤ

上でも記したように、ノーマルのノートe-POWERの残念な所は、エンジンが掛かると一定回転で回る点。発電用エンジンなので、最も効率のいい回転で効率良く・・・と言うのもわかるが、アクセル操作と関係なくエンジン音がして興ざめなのが残念な部分。

いっぽうノートe-POWER NISMOは発電用エンジンの充電制御も専用。発電直後はエンジン回転数を抑え、車速アップに合わせ回転をリニアに上昇させるセッティングとしていて、『クルマ好きの心を解っているね』というニクイ演出が加えられていて思わずニヤリとさせてくれる。若干エンジンの始動時間はノーマルよりも増えるが、燃費にはほとんど影響しないそうだ。

ちなみにコースを全開に近いペースで連続周回もしてみたが、バッテリー残量がなくなりパワーが損なわれるようなことはなかった。ショートサーキットレベルなら十分楽しめる。

乗り心地はしなやかシットリ系の大人スポーツ!

日産 ノート e-POWER NISMO 試乗レポート/山本シンヤ日産 ノート e-POWER NISMO 試乗レポート/山本シンヤ

ハンドリングは専用チューンの1.6リッターを搭載する”ノートNISMO S”よりも、1.2リッターエコスーパーチャージャー搭載の”ノートNISMO”に近く、スポーツ性と快適性を高いバランスで実現。それに加えて、ノーマルのノートe-POWERのシットリとした乗り味を両立させた絶妙な乗り味を実現している。例えるならば、しなやかシットリ系だが狙ったラインを外さない「大人スポーツ」。

エンジニアに話を聞くと、渡辺陽一郎さんが試乗レポートを書かれているオーテックのファクトリーカスタム、”ノートe-POWERモードプレミア・ツーリングパッケージ”と同じセットアップと言うことだが、スポーツシートと空力アイテムの違いの効果なのか、より安定感の高さを感じた。

ちなみにオプションのレカロシートのカッチリ感と安定感ももちろんだが、標準のスポーツシートのレベルも高く、普通に使うのならこちらで十分だと思った。

NISMOロードカーのコンセプト”NISMO Life for Everyone”にブレはなし

日産 ノート e-POWER NISMO 試乗レポート/山本シンヤ

パワートレインが電動化されても、NISMOロードカーのコンセプト”NISMO Life for Everyone”にブレはない。パワートレインとシャシーのバランスはノーマルよりも優れており、正直言ってしまうと「これがノーマルだったらいいのに」と言うモデルで、ニスモの“熱い”DNAと“クール”なe-POWERが融合した一台と言えるだろう。

「最近の日産は・・・」と、とかく物足りなさを語る人も多いが、NISMOがある限りは大丈夫だ!

[Text:山本シンヤ/Photo:島村栄二]

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日産ノートe-POWER NISMO主要諸元

日産ノートe-POWER NISMO主要スペック
主要諸元e-POWER NISMO
価格2,458,080円
全長4,165mm
全幅(車幅)1,695mm
全高(車高)1,530mm
車両重量1,250kg
乗車定員5名
ホイールベース2,600mm
最小回転半径5.2m
駆動方式前輪駆動(FF)
発電用エンジンHR12DE型直列3気筒DOHCミラーサイクルガソリンエンジン
排気量 1198cc
エンジン最高出力79ps(58kW)/5,400rpm
エンジン最大トルク10.5kgf-m(103N・m)/3,600-5,200rpm
燃料タンク容量41L
使用燃料無鉛レギュラーガソリン
モーター種類交流同期電動機
モーター定格出力95ps(70kW)
モーター最高出力109ps(80kW)/3,008-10,000rpm
モーター最大トルク25.9kgf-m(254N・m)/0-3,008rpm
動力用主電池リチウムイオン電池
サスペンション形式(前)独立懸架ストラット式(後)トーションビーム式
タイヤサイズ195/55R1687V

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山本 シンヤ
筆者山本 シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車雑誌の世界に転職。2013年に独立し。「造り手」と「使い手」の両方の気持ちを“解りやすく上手”に伝えることをモットーに「自動車研究家」を名乗って活動をしている。西部警察は子供時代にリアルでTV放送を見て以来大ファンに。現在も暇があれば再放送を入念にチェックしており、当時の番組事情の分析も行なう。プラモデルやミニカー、資料の収集はもちろん、すでにコンプリートBOXも入手済み。現在は木暮課長が着るような派手な裏地のスーツとベストの購入を検討中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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