バブル絶頂期にZ32が大ヒット! しかし消滅の危機も… 50余年の歴史を誇る“日産 フェアレディZ”を振り返る【4代目Z32型~7代目(新型)編】

  • 筆者: 遠藤 イヅル
  • カメラマン:島村 栄二・茂呂 幸正・NISSAN
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50年以上続く唯一の国産スポーツカーブランド “日産 フェアレディZ”。1969年に登場して以来現行型で6代目を数える、歴史あるビッグネームだ。その52年にわたる歴史を駆け足でたどる記事の第2回は、前回の初代(S30型)から3代目(Z31型)に続き、4代目(Z32型)から現行型、さらにはリリースが予告されている次期モデルまでをお送りしたい。

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目次[開く][閉じる]
  1. 280PSを得て本格的スポーツカーに! バブルと共に現れ大ヒット作となった4代目フェアレディZ(Z32型)[1989~2000]
  2. 消滅の危機を乗り越え、見事に復活した“Z”ブランド(Z33型)[2002~2008]
  3. 歴代Zで最高のスポーツカーに進化した6代目(Z34型)[2008~2021]
  4. 原点回帰のスタイリング 発売が待ち遠しい次期モデル(Z35?型)新型フェアレディZに期待大![2021~]

280PSを得て本格的スポーツカーに! バブルと共に現れ大ヒット作となった4代目フェアレディZ(Z32型)[1989~2000]

1989年のフルモデルチェンジで誕生した4代目(Z32型)では、スポーツカーとしてさらに一段階高いステージにアップさせるべく、大幅な路線変更を敢行した。キャビンを前方に移動しノーズを短縮・幅を1.8m前後まで拡大してプロポーションを大きく変更。全高も低めてワイド感を強調した。内装もガラリと変わり、ポルシェ928のようななだらかな面にメーターナセル+サテライトスイッチが突出したデザインに変わった。

パワートレーンは3代目のVG型3リッターV6エンジンを引き継いだが、国内自主規制値280PSを発生するツインターボ版を設定。足回りにはスカイライン同様、四輪アクティブ操舵システムの「スーパーHICAS(ハイキャス)」を採用し、ハイパフォーマンススポーツカーにふさわしい動力性能・運動性能を獲得した。

ボディバリエーションでは従来通りの2シーター・2by2にノーマルルーフ・Tバールーフを用意したが、1992年にはコンバーチブルを追加。1998年のマイナーチェンジではフロントバンパーのデザインを大きく変更している。

消滅の危機を乗り越え、見事に復活した“Z”ブランド(Z33型)[2002~2008]

4代目は、登場当初北米市場で好評だったが、その後アメリカでスポーツカーの保険料が高騰。販売台数が激減し、1996年には北米への輸出と販売を終了。1990年代後半の日産は、経営危機が囁かれた時期でもあり、開発が進んでいた5代目フェアレディZのプランは、いったん凍結されてしまった。

そんな中、アメリカ日産は、「日産の象徴はズィー・カー(現地での愛称)」である、として「240Zコンセプト」を6代目シルビア(S14型)ベースで独自開発。1999年のデトロイトショーに参考展示した。その反響はとても大きく、「やはりZの復活は必須」と考えた関係者はZ復活への働きかけを本社に行うことに。そして2000年、当時の社長カルロス・ゴーンは、フェアレディZの開発再開を承認。2年後の2002年に、晴れて5代目(Z33型)の発売が開始された。

厚みのあるアンダーボディ・こぶりなキャビン、大きく張り出したフェンダー、三角形のテールランプなどが特徴のデザインで、Z32型とはまた違うアプローチのスタイルを持つ。

プラットフォームを11代目スカイライン(V35型)と共用してコストを削減、ボディバリエーションも2シーターのみに集約されたが、2003年になってオープンモデルの「ロードスター」を追加した。

エンジンはVQ型の3.5リッターV6を搭載。当初は280PSを発生、のちに294PS、さらに313PSまでアップ。スポーツカーとして一線級の性能を誇った。

歴代Zで最高のスポーツカーに進化した6代目(Z34型)[2008~2021]

現行型となる6代目は(Z34型)は、2008年にデビューした。5代目に比べ全長を65mm、ホイールベースを100mm短縮、V6エンジンは3.7リッターになり、最高出力も336PSへとアップしている。トレッド拡大、ボディ剛性向上、ブレーキ強化、サスペンションの4輪ダブルウィッシュボーン化なども行なっており、5代目の正常進化版という言葉だけでは足りないほどに、走りのレベルを全体的に高めている。

ボディバリエーションは5代目同様にクーペとロードスターを用意。後者はねじり剛性のアップと同時に、軽量化も行なっている。

外観ではロングノーズスタイルが強調され、ボリューミーなフェンダーと相まって、スポーツカーらしいスタイルを醸し出す。

2012年に実施されたマイナーチェンジでは、エクステリアの小変更でフロントバンパーにデイライトが組み込まれた。足回りでは、ショックアブソーバーの減衰力特性を変更したユーロチューンドサスペンションを全車に採用している。

原点回帰のスタイリング 発売が待ち遠しい次期モデル(Z35?型)新型フェアレディZに期待大![2021~]

そして2020年9月。次期フェアレディZのプロトタイプが発表され、大きな話題となったのは記憶に新しい。6代目からキャリーオーバーしている要素が多々見られるものの、見事なロングノーズスタイルを形成。ヘッドライト・ボンネット・サイドウインドウ・車名書体などのディティールからは、初代フェアレディZを強く彷彿させる。2021年秋と目される発売が、今から待ち遠しい。

[筆者:遠藤イヅル/撮影:島村 栄二・茂呂 幸正・NISSAN]

日産/フェアレディZ
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遠藤 イヅル
筆者遠藤 イヅル

1971年生まれ。カーデザイン専門学校を卒業後、メーカー系レース部門にデザイナーとして在籍。その後会社員デザイナーとして働き、イラストレーター/ライターへ。とくに、本国では売れたのに日本ではほとんど見ることの出来ない実用車に興奮する。20年で所有した17台のうち、フランス車は11台。おふらんすかぶれ。おまけにディープな鉄ちゃん。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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