日産ノートe-POWERの実燃費をテスト!ノートスーパーチャージャーやアクア・フィット・デミオの実燃費とも比較!(3/3)
- 筆者: 永田 恵一
ノートe-POWER 実燃費テスト/市街地編
市街地編では、ノートe-POWERでエコモードを使ってアクセルを戻して減速した際に気になる、ブレーキランプの点灯を中心にお伝えしよう。
エコモードを使ってアクセルを戻して減速した際に、それなりに「減速しているなぁ」と感じるくらいの減速度が出ると実はブレーキランプが点灯する(数値としては0.07G)。そしてブレーキペダルを使わずに停止する際には、停止直前に「ガッタン」という不快な揺り返しが起きることもなく、上手に停止することができる。
アクセルペダルの戻しだけで停止する際に、注意したい点は2つ。
1つ目は、一発のアクセルペダルの戻しで停止できずアクセルを調整して停止した場合、ブレーキランプがポンピングブレーキのように頻繁に点灯することになる。もし、後続車がいる場合には回生制動の効率としては勿体ないが、ブレーキペダルを踏んでブレーキランプを点けてしまった方が良いだろう。ちなみに、自動車教習所ではポンピングブレーキを教えられるが、ポンピングブレーキはブレーキ性能が低かった大昔に停止する合図のように行ったもので、現代の過密な日本の交通事情ではブレーキランプが頻繁に点灯することによる後続車への弊害の方が大きいだろう。
2つ目は、アクセルの戻しだけで停止すると停止寸前(通常のフットブレーキであれば、不快な揺り返しを起こさないためにブレーキの踏み方を調整するくらいのタイミング)にブレーキランプが消えてしまうことだ。これは、そのくらいのタイミングからブレーキペダルを踏んでいないとブレーキランプを点けてはいけないという法規によるため。法規がおかしいとは思うが、後続車がいる際に場合によっては停止寸前にブレーキランプが消えて、後続車が「動き出すだろう」と勘違いして追突するというケースも考えられるので、停止寸前からブレーキランプを点けることを意識した方がいいだろう。同時に法規が改正された際には、改正前に販売された車のブレーキランプの点き方も回収で変更することも望みたい。
その他では、ストップ&ゴーが多い市街地だとタイヤを駆動するのはモーターのみで、電気自動車に非常に近いノートe-POWERの静かさとスムースさという有難みは特に大きく、冒頭で電気自動車のまったく新しいカタチという広告に苦言を呈しながらも、乗っていると電気自動車のまったく新しいカタチというのもまんざらでもないのかもしれない、と感じたほどだった。
ノートe-POWERの市街地における実燃費は
Dレンジで市街地を走ったノートe-POWERの燃費は21.7km/Lであった。そしてエコモードでは25.0km/Lと、Dレンジでは郊外路の燃費を市街地が上回ったのに対し、エコモードでは市街地の燃費が郊外路に劣ったのは、交通状況の悪化もあるが郊外路より交通量の多い市街地ではブレーキランプの点き方もあり、後続車を気にすると回生制動によるバッテリーへの電気の戻しがしにくくなるためだろう。
市街地における実燃費
日産ノートe-POWER(Dレンジで走行)/21.7km/L
日産ノートe-POWER(エコモードで走行)/25.0km/L
日産ノート 1.2リッタースーパーチャージャー/13.7km/L
トヨタアクア/25.0km/L
ホンダフィットハイブリッド/26.0km/L
マツダデミオディーゼル(AT)/19.7km/L
エコモードを使えば、ハイブリッドの2台と同等の燃費を記録したノートeパワーの市街地の燃費は、車重が重いことも考えれば及第点以上といえるだろう。
ノートe-POWER 実燃費テスト/総評
総合実燃費
日産ノートe-POWER(Dレンジで走行)/21.5km/L
日産ノートe-POWER(エコモードで走行)/25.0km/L
日産ノート 1.2リッタースーパーチャージャー/16.6km/L
トヨタアクア/26.3km/L
ホンダフィットハイブリッド/26.1km/L
マツダデミオディーゼル(AT)/22.4km/L
ノートe-POWERはエコモードを使うことが条件となるが、トヨタアクアやホンダフィットハイブリッドに肉薄する燃費(別の機会にトヨタアクアの最新モデルをテストする機会があり、燃費はカタログ発表以上に向上している印象で、燃費の差は過去データより大きくなりそうだが)で、エンジンを発電専用に使いタイヤを駆動するのはモーターだけゆえの電気自動車と同様のスムースさ、e-POWER Driveの運転感覚、室内の広さなど中々の競争力を持つコンパクトハイブリッドカーへと仕上がっていた。
ノートe-POWERの弱点としては、高速道路での燃費や駆動用バッテリーが前席下にあるために後席に座るとつま先を前席下に入れられず、実質的な後席の広さがスポイルされる点(そもそも広い車なので大きな問題ではないが)、そしてメダリストの224万4260円をはじめ、量販グレードのXの195万9120円も装備内容を踏まえデミオディーゼルやフィットハイブリッドと比べると割高感があるということを挙げられるが、ハイブリッド無しでも好調だったこれまでのノートの販売を考えれば、e-POWERがノートの拡販に大きく貢献するのは間違いないだろう。
またDレンジとエコモードの燃費の差を見れば、エコモードだとブレーキランプの点灯に若干の注意が必要な面はあるにせよ、基本的にはエコモードで走るべきだろう。
ここで、総合実燃費の過去データで1.2リッタースーパーチャージャーとe-POWERというノート同士における損得勘定を計算してみよう。
グレードは装備内容が同等のXグレード同士(スーパーチャージャー/173万8800円、e-POWER/195万9120円)とすると、エコカー減税はどちらも免税であるため、購入時の価格差はほぼ車両本体価格の差の約22万円となる。
1万kmあたりのガソリン代はレギュラーガソリン1リッターをスーパーチャージャーが約7万6000円、e-POWERが約5万円と約2万6000円安く付き、8万5000km走行時点で差額をペイすることができる。
そこまで走らなくともハイブリッドの方が処分する際の査定も高額となる可能性が高いことも考えると、ノートのスーパーチャージャーとe-POWERで迷った際には、基本的にe-POWERを選んだ方が良いだろう。
また、ノートe-POWERの登場に加え、最近デミオも商品改良で安全装備が強化されたこともあり、アクア、ノートe-POWER、フィットハイブリッド、デミオディーゼルの4台が揃う飛び道具を持つエココンパクトカーのジャンルは、それぞれに強みや弱みがあり、選ぶのが難しいのと同時に面白いジャンルとなっている。
機会があればデミオディーゼルを1年間1万5000km乗った筆者の経験も交えながら、「どんな人にどれが向くか」といった観点でのバイヤーズガイドを展開してみたい。
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