日産ノートe-POWERの実燃費をテスト!ノートスーパーチャージャーやアクア・フィット・デミオの実燃費とも比較!(1/3)

日産ノートe-POWERの実燃費をテスト!ノートスーパーチャージャーやアクア・フィット・デミオの実燃費とも比較!
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好調な販売台数を記録する日産ノートの弱点とは

日産 新型ノート e-POWER

軽自動車やミニバンと並び、日本市場ではもはや外すことの出来ない重要なジャンルとなっているコンパクトカー。

そんなコンパクトカーにおいて、日産 ノートは2005年に初代モデルが登場し2012年秋から現行となる2代目が販売されている。ノートは日産のコンパクトカーの歴史では最も浅いものの、日産のコンパクトカーとしては売れ筋であり同社の中核的な存在へと成長している。

日産ノートは初代、現行モデルともにボディサイズはコンパクトカーとしては比較的大きめだ。ノートは室内の広さや外観スタイルの良さをセールスポイントにするなどホンダのフィットに近いコンセプトを持っており、2代目ノートはハイブリッドを除くコンパクトカーとしては販売台数トップを誇る。

だが、前述のとおり日産にはコンパクトカーのハイブリッドモデルがこれまで存在しないことが泣きどころでもあった。

ノートはガソリン車としては標準的な燃費を誇るとともに、1.5リッター並の動力性能を持ちながら燃費にも優れるスーパーチャージャーを搭載するグレードも設定されている。

待ち望んでいたハイブリッドモデル、日産ノートe-POWER

日産 新型ノート e-POWER

だが、やはりトヨタアクアやホンダフィットハイブリッドなどハイブリッドカーへのユーザーの注目度は高いこともあり、日産では現状を打破すべく11月2日に“ノートe-POWER”を名乗るハイブリッドモデルがラインナップに追加された。

日産ノートe-POWERは、アトキンソンサイクル化や燃料を噴射するインジェクターを2本とするなどの高効率化を図った1.2リッター3気筒エンジン(最高出力79馬力、最大トルク10.5kgm)を発電機を回すためだけの発電専用として使い、発電機で起こした電気によりモーター(モーターは日産の電気自動車であるリーフ用で、最高出力109馬力、最大トルク25.9kgm)を動かしタイヤを駆動するシリーズハイブリッドと呼ばれるハイブリッドカーである。

シリーズハイブリッドは、日本車ではホンダのアコードハイブリッドとオデッセイハイブリッド、またプラグインHVという違いはあるが三菱アウトランダーPHEVといったいくつかの採用例がある。

ノートe-POWER以外のシリーズハイブリッドは、速度域が上がると電気よりエンジンで駆動した方が効率(燃費)に優れることに着目し、クラッチを介してエンジンで直接タイヤを駆動する走行モードを持つが、ノートe-POWERはこの走行モードを持たない。

その理由としては、日産ノートはコンパクトカーであるため高いスピード域で走る頻度はそれほど多くないと考えられ、エンジンで直接タイヤを駆動するためのクラッチの装着コストや重量増といったデメリットを考慮すると、コンパクトカーであるノートには理に適ったハイブリッドシステムを搭載していると言えるだろう。

Sグレードは、いわゆる燃費スペシャルモデル

日産 新型ノート e-POWER

カタログに載るJC08モード燃費は、最良値となるノートe-POWER Sグレードでコンパクトカートップの37.2km/Lを実現している。

しかし、Sグレードは代わりとして車重を軽くするためパワーウインドウどころかエアコンも装備されず、営業車にも使えないという燃費の絶対値をアピールするだけの追剥のようなグレードであることはあまり感心できないのではないかと思う(もっとも、同じようなグレードはトヨタプリウスやホンダフィットハイブリッドにも存在しており、トヨタアクアも一般的と言えるメーカーオプションを付けただけで、実際は全く別問題としてJC08モード燃費が37.0km/Lから33.8km/Lになるなど、同じようなことを他社もやっているといえばそれまでなのだが・・・)。

それでもノートe-POWERのJC08モード燃費は、標準的なグレードでもメーカーオプションが付いたトヨタアクアやホンダフィットハイブリッドの標準グレードの33.6km/Lを上回る34.0km/Lを実現していることは評価できる。

日産 新型ノート e-POWER

なお、日産ではノートe-POWERを広告宣伝で「電気自動車のまったく新しいカタチ」というキャッチコピーでアピールしているが、乗ったフィーリングは別として、あくまでもノートe-POWERは充電することはなくガソリンを入れて走るハイブリッドカーであり、セレナの自動運転も含めて最近の日産の宣伝広告に誤解を招く部分があるのは否めないだろう。

また、ここ1ヶ月ほど高齢者の運転する車の暴走事故の報道が増えていることもあり、注目がますます高まっている自律自動ブレーキは、フロントガラスに置かれている単眼カメラからの情報を基に名称が性能は変わらないまま、エマージェンシーブレーキからインテリジェントエマージェンシーブレーキに変更され、前述したノートe-POWERのSグレード以外となる全グレードに標準装備される。

インテリジェントエマージェンシーブレーキにはLDW(車線逸脱警報)の機能も含まれ、自律自動ブレーキの性能としては公表値でクルマなどに対して30km/h以下のスピードなら停止できる可能性が高いという(マイナーチェンジ前のノートのエマージェンシーブレーキは国が行うJNCAPのテストで柔らかい壁に対し30km/hで停止できなかったが)。

自律自動ブレーキの性能は少々役不足な感もあるが、歩行者を検知できるという強みもあり、総合すればコンパクトカーの自律自動ブレーキとしてはまずまずの性能を備えているといえる。

今回はノーマルモードとエコモード、2つのモードでの実燃費を測定

日産 新型ノートe-POWER 市街地燃費テストの様子

今回の燃費テストでは、上のクラスから下のクラスの車に乗り換えるダウンサイザーと呼ばれるユーザー層も狙った最上級グレードのノートe-POWERメダリスト(JC08モード燃費34.0km/L、車両本体価格224万4240円)を起用した。

今回の燃費テストではこれまでと異なり、Dレンジ、エコモードでそれぞれ燃費を測定した。というのも、ノートe-POWERはハイブリッドカーや電気自動車の燃費、航続距離の向上に非常に重要な要素である減速エネルギーを電力に変換する回生制動が、ブレーキペダルを踏んだ状態では行われない(専門的になるが、ブレーキペダルを踏みながら回生制動が可能なブレーキのシステムは協調ブレーキ、コンビブレーキと呼ばれる)。

その代わり、エコモード、Sモード(Sはスマートの頭文字)を選択するとアクセルを戻した際に戻した量に応じてエンジンブレーキのような回生制動が起こり、ブレーキペダルを踏まずに停止までできるe-POWER Driveという機能も持つ。そのe-POWER Driveが燃費にも大きな影響を及ぼすことが予想されたため、それぞれのモードでテストを行った次第だ。

Dレンジでの燃費テストは午前5時に開始し、午後11時過ぎに帰京するというスケジュールで行い、天候は時々強い雨も含んだ雨のち曇り。交通状況はアクアラインの流れは順調で、市街地の流れは比較的スムースに流れる平日と同等だった。

エコモードでの燃費テストはノーマルモードでの燃費テスト終了後の午前11時半頃から開始し、午後6時半頃帰京するというスケジュールで実施。エコモードでの燃費テスト中の天候は曇りで、最高気温は14度。交通状況はアクアラインの流れは順調だったものの、市街地はかなりの混雑だった。

燃費測定の基本ルール

・燃費の測定は、車両に純正搭載されている車載燃費計を使用

・スピードは流れに乗ったごく一般的なペースで走行

・車両の状態もエアコンは快適に過ごせる温度(オートエアコンなら25度)に設定

・走行モードが選択できる場合にはノーマルモードを選んで走行

ノートe-POWER 燃費レポート/ルート1「高速道路」

試乗ルート1「高速道路」

首都高速都心環状線芝公園ランプから首都高湾岸線を経由し、東京湾アクアラインから最近開通した圏央道の茂原長南インターに向かうというルート。

道路にアップダウンは少なく、流れは区間全体を通しおおよそ80km/h程度。道のりは約70km。

ノートe-POWER 燃費レポート/ルート2「郊外路」

試乗ルート2「郊外路」

茂原長南インターを降り、国道409号線を西に進み、交差する国道297号線を北上し、東京湾に近い千葉県市原市内の国道16号線まで向かうルート。

道路にアップダウンは少なく信号があまりない上に走行中の流れも良く、好燃費が期待できる区間と言える。道のりは約30km。

ノートe-POWER 燃費レポート/ルート3「市街地」

試乗ルート3「市街地」

千葉県市原市の国道16号線から国道357号線、途中から片側1車線になる国道14号線、都県境から蔵前橋通りを経由し、オートックワン編集部に戻るルート。スムースに流れることは少なく、渋滞路が多くを占める区間だ。 平均時速は15~18km/h程度で、イメージとしては混んだ東京都内の道に近い。道のりは約55km。

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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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