マツダ CX-3 燃費レポート ~ハイブリッドカー超えの実燃費を叩き出すディーゼルターボ~(1/5)
- 筆者: 永田 恵一
パワートレーンは、日本で販売される乗用車としては日本車、輸入車を含め異例とも言える1.5リッターディーゼルターボのみの設定だ。
このことは、CX-5以降のマツダ車は(アクセラを除いて)クリーンディーゼルが主力となっていることもあり、さらに長距離を走ることも多いSUVという性格もあって、CX-3が思い切った戦略を獲ったことも納得できる。
その1.5リッターディーゼルターボは基本的にはデミオと同じで105馬力という最高出力こそ変わらないものの、デミオでは「22.4kg・m(6速MT)」「25.5kg・m(6速AT)」だった最大トルクがCX-3では過給圧を高めることで「27.5kg・m(6速MT/6速AT)」へと高められている。
さらに、上級グレードのXDツーリングと最上級のXDツーリング Lパッケージの6速AT車には、減速エネルギーを電力に変換してキャパシタに貯めることで、発電の負担を減らして燃費を向上させる「i-ELOOP」と、ピストンとクランクシャフトをつなぐピンにダンパーを組み込みことでディーゼルエンジン特有の振動、騒音を抑える「ナチュラルサウンドスムーザー」が「イノベ ーションパッケージ」としてセットでオプション設定(6万4,800円)されていることも特徴だ。
結果、カタログに載るJC08モード燃費は「21.0km/L(4WDの6速AT)」~「25.0km/L」という数値を誇る。
また、有望な次世代エネルギー車の1つであるクリーンディーゼルということでエコカー減税では購入時に取得税、重量税が免税となるのに加え、グレードにより13万円~16万円の購入補助金も適応となる。
今回のテストでは、最上級グレードとなるXDツーリング Lパッケージの6速AT(280万8,000円、前述したイノベーションパッケージを装着、JC08モード燃費23.2km/L)を起用。
なお、CX-3の価格帯は237万6,000円から302万4,000円と、コンパクトSUVという車格を考えると高い印象も覚える。
しかし、細かく見ていくとクリーンディーゼル補助金に加え、カーナビもディーラーオプションで4万8,600円の地図SDカードを購入すると稼働するマツダコネクトで5万円程度は安価に計算することができるため、合計で20万円近いアドバンテージを持っている。
総合すると、実質的な価格は直接的なライバルとなるヴェゼルハイブリッド(226万円から274万6,000円)に近くなり、絶対的には安くはないものの、相対的にはそれほど高くはないという見方ができる。
今回の燃費テストは、少々旧聞となるが3月18日(水)の午前11時頃に出発し、午後6時頃に帰京するというスケジュールで行った。天候は晴れのち曇り、最高気温20度という過ごしやすいコンディションで、交通状況は年度末ということもあり市街地で激しい混雑に見舞われた。
燃費測定の基本ルール
・燃費の測定は、車両に純正搭載されている車載燃費計を使用
・スピードは流れに乗ったごく一般的なペースで走行
・車両の状態もエアコンは快適に過ごせる温度(オートエアコンなら25度)に設定
・走行モードが選択できる場合にはノーマルモードを選んで走行
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