ガソリンとハイブリッドモデルの差額は本当にペイできる!? ハリアーとクラウンの場合、断然ハイブリッドモデルがお得だった

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ハイブリッドカーが当たり前の存在となりつつあるが、なかには同じ車種で内燃機関モデルとハイブリッドの2種類のエンジンをラインアップしている車種も少ないない。平均すると30〜50万円程度の価格差があるため、購入する際にどちらにするか悩む人も多いはずだ。そこで今回は車両価格のより高いハイブリッドモデルを買って、差額分をペイできるのか? という点を人気車種を例に取り検証する。結論からいえばハイブリッドモデルが断然おすすめという結果となるのだが、実際どの程度の差があるのだろうか!?

目次[開く][閉じる]
  1. ハイブリッドとガソリンモデルはどっちがお得!? 価格差は埋められるのか!?
  2. 算出するにエコカー減税と燃料代、そしてリセールバリューから考えるべし
  3. ホンダ フィットの場合ガソリンモデルがトータルで7万円安い結果に
  4. トヨタ 新型ハリアーはリセールバリューが高いためハイブリッドがトータルでオススメ
  5. トヨタ クラウンたった1万キロ走るだけで差額分をペイ可能! ハイブリッドを選ぶべき
  6. 車両価格は高いが、トータルで考えればハイブリッドモデルがお得な場合が多かった

ハイブリッドとガソリンモデルはどっちがお得!? 価格差は埋められるのか!?

ハイブリッドカーが当たり前のものになって久しい。そして同じ車種でガソリン車とハイブリッドがラインアップされている場合、平均すると30〜50万円程度の差額があるのだ。ユーザーとしては「差額がペイするのか」という疑問を持つ人が少なくないのもよく分かる。

今回はそういった場合に5年5万km走行と、一般的な使い方を例に算出する。5年間所有するなかでの損得を3台のモデルで計算し、この疑問の答えを考えてみた。結論は「差額分は十二分にペイする場合が多い」であった。

算出するにエコカー減税と燃料代、そしてリセールバリューから考えるべし

必要な要素は以下の3つである。

ひとつ目は、実質的な差額だ。計算式としては、(ハイブリッドモデルの価格-ガソリン車の価格)-エコカー減税の差額である。

そしてふたつ目は、1万kmあたりのガソリン代。計算式は、1万km÷燃費(WLTCモードの80%)×ガソリン1リッター(レギュラー169円、ハイオク180円)となる。※2021年11月現在の全国平均価格

最後の3つ目は、5年5万km乗った後のリセールバリューである。ちなみにこちらは残価設定ローンの最終回支払額を参考とする。

実質的な差額を燃料代を数年分ないし、燃料代+リセールバリューで上回ればガソリン車に対するハイブリッドカーの差額はペイできるということになるのだ。さっそく具体例を挙げていこう。

ホンダ フィットの場合ガソリンモデルがトータルで7万円安い結果に

まずはホンダ フィットを例に考えてみたい。

ガソリンモデルの1.3HOME(FF、176万7000円)と同等装備となるハイブリッドモデルe:HEV HOME(FF、211万7500円)から。

価格差は35万500円だが、エコカー減税の違いで約1万1000円縮まるので、実質的な価格差は約34万円となる。

加えて、燃料代で比較していこう。年間走行距離を1万kmと仮定する。

フィットのガソリンモデルは20.2km/L、ハイブリッドは28.6km/Lとなる。実用燃費はそれぞれ16.0km/L、23.0km/Lと仮定すると、1万kmあたりのガソリン代はそれぞれ10万6000円と7万3000円という計算となる。ハイブリッドは1万kmあたり3万3000円安くなるため、ガソリン代だけでも差額は10万km走ればほぼペイするのだ。

そして気になるリセールバリューだが、5年5万km乗った場合、ガソリン車は53万円。ハイブリッドモデルは63万5000円と、ハイブリッドはこのスパンで10万5000円高く売却できる。

ガソリン車の燃費がいいため大差なし!

総合すると5年5万kmのスパンではガソリン代で16万5000円、リセールバリューで10万5000円の合計27万円縮まるが、実質的な価格差約34万円には7万円足りない計算だ。

しかし、5年5万kmのスパンでもハイブリッドの動力性能の余裕や静粛性といったアドバンテージを加味すれば、7万円の差額なら納得できるのではないだろうか。

>>ホンダ フィットがマイナーチェンジでデザイン変更に踏み切らなかったワケとは!? その答えは商品性のアップを最優先に考えたからだった

トヨタ 新型ハリアーはリセールバリューが高いためハイブリッドがトータルでオススメ

お次は大人気のSUVモデル「トヨタ ハリアー」ではどうだろうか? ガソリン車モデルのG (FF、341万円)、そして 同等装備のハイブリッドG (FF、400万円)で比較していこう。

実質的な価格差は59万円だが、エコカー減税の違いで約10万5000円縮まるので、実質的な価格差は約48万5000円だ。

そして燃料代を見ていくと、1万kmあたりのガソリン代はガソリン車15.4km/L、ハイブリッド22.3km/Lなので実用燃費はそれぞれ12.0km/L、18.0km/Lと仮定する。

となるとガソリン代はそれぞれ14万1000円と9万4000円で、ハイブリッドは1万kmあたり4万7000円安く付くので、ハリアーもガソリン代だけでも10万km走れば差額はほぼペイする。

そしてリセールバリューだが、5年5万km乗った場合、ガソリン車は146万6000円、対するハイブリッドモデルは172万円と、ハイブリッドはこのスパンで25万2000円高く処分できる。

5年間所有するならハイブリッドが断然お得

総合すると5年5万kmのスパンではガソリン代で23万5000円、リセールバリューで25万2000円の合計48万7000円縮まるので、5年5万km乗れば差額はペイすることが可能。

さらにハリアーもハイブリッドは動力性能などのアドバンテージも大きいので、その面でもハイブリッドを選ぶメリットは十分あるのだ。

>>【ハリアーの最上級グレードと新型NXのベースグレード比較】内装の質感などは新型NXに軍配も、維持費や装備を考えればハリアーがオススメか!?

トヨタ クラウンたった1万キロ走るだけで差額分をペイ可能! ハイブリッドを選ぶべき

最後に日本を代表する高級サルーン「トヨタ クラウン」を見ていこう。

選択するグレードは、2.0ターボRS (2WD、509万9000円) と2.5ハイブリッドRS (2WD、531万9000円)だ。

価格差は22万円とクラウンのガソリン車はターボということもあり価格差が小さいのに加え、エコカー減税の違いで約13万2000円縮まるので、実質的な価格差は約8万8000円となる。

ガソリン車は12.4km/L、対するハイブリッド20.0km/Lなので実用燃費はそれぞれ10.0km/L、16.0km/Lと仮定する。その場合、1万kmあたりのガソリン代はそれぞれ18万円(クラウンの2リッターターボはハイオクガソリン指定だ)と10万6000円で、ハイブリッドは1万kmあたり7万4000円安く付くので、クラウンの場合ハイブリッドとの差額は1万km少々走った時点でペイできる。

さらにクラウンはリセールバリューもハイブリッド優勢のため、短いスパンでもハイブリッドとの差額はペイすることが可能。ハイブリッドを選ぶ金銭的なメリットは非常に大きいのだった。

>>高級車「クラウン」次のモデルはSUV説は誤報だった!? 2022年中にもフルモデルチェンジの新型クラウンを大予想

車両価格は高いが、トータルで考えればハイブリッドモデルがお得な場合が多かった

このように日本車のハイブリッドの多くは冒頭で書いた通り、長い目で見ればペイする価格になっていることが多い。そのためガソリン車とハイブリッドがあるモデルの多くでガソリン車の方が安く付くのは、走行距離が極端に短い人くらいだろう。

もちろん「内燃機関が好き」といった人などは損得だけでなく好きな方を選ぶべきだが、迷った際にはこの計算式も頭に置いて、自分に合った方を選んで欲しい。

【筆者:永田 恵一】

トヨタ/ハリアー
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新車価格:
312.8万円620万円
中古価格:
57.8万円702.1万円

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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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