謎の中古車価格「ASK」や「応談」で問われていたのは、購入者側の意識だった!

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中古車物件を見ていると見かけるのが、具体的な価格の代わりに表示されているASKや応談という文字。ASKは英語で「尋ねる」で、応談は「応相談」の略となる。前者は実際の価格は問い合わせて直接聞いてくれ、ということだし、後者は商談で価格を決めるということになる。

このふたつの言葉、高級車や旧車、希少車でよく見られるのも特徴で、単純に問い合わせしてほしいといった意味ではないようにも思える。本当の意味を知らず、額面通り受け取って恥ずかしい思いをする気もするし、実際のところはどうなのか、ショップにも聞きつつ整理してみた。

目次[開く][閉じる]
  1. ASKと応談ではニュアンスが若干異なっている
  2. スポーツカーや旧車の価格高騰による冷やかし対策としてつけられていることも
  3. 最近はネットで気軽に問い合わせられることから逆に関心を高めている

ASKと応談ではニュアンスが若干異なっている

この言葉自体はかなり以前からあって、ASKは「かなり高いし、誰でも買えるわけじゃないから、気軽に聞かないでね」といった雰囲気が込められていた。

一方の応談は、旧車などに多く見られ、「実際にメンテなどに費用がかかっているし、さらに納車時にもいろいろとやらないといけないから、どれくらいの予算が出せるの?」となって、実際に相談していた。とはいえ、個人売買でもないので、あくまでも商売だけに、聞くと「●●●万円」と即答されたりしたが。

スポーツカーや旧車の価格高騰による冷やかし対策としてつけられていることも

このようにどちらももともとは文字通りの感じではあったのだが、最近は違ってきているという。複数のショップで聞いたのが、スポーツカーや旧車を中心とした中古車高騰を受けての冷やかし対策。

「この価格でどんな内容なのか、気になったから聞いてみた」といった感じの問い合わせが増えていて、ASKや応談にすることで、「本気の人だけが問い合わせてしてほしい」ということを暗にアピールして、ハードルを上げているという。

確かに、いくらか表示されていない物件について、気軽に「いくらですか?」とは聞きづらいだろう。店としてもわざわざ聞いてきてくれただけでも、上客の可能性は高まるし、売りたくない場合は高値を提示して暗に断ることもできる。

実際にASKや応談を掲げている車両は、例えばボロボロの軽自動車というのはまったくと言っていいほど見かけない。雰囲気的に、おいそれと聞くのははばかられるのは事実だ。つまり買い手の真剣度が試されていると言っていい。

最近はネットで気軽に問い合わせられることから逆に関心を高めている

ただし、話はこれで終わらない。ネット全盛の昨今、思惑通り、うまくはいかないようで、「逆に関心を高めてしまうこともある」という意見もあった。

つまり「気になったのでとりあえず聞いてみた」というもので、電話で直接聞いてくるよりもメールでの問い合わせで多いのが特徴だ。

ショップとしても、ただ聞いているだけというのは文面からなんとなくわかるというが、無下にもできないから大変とのこと。

そのほか、「同業者にいくらで売っているのか知られたくない」という、やっかみや風評などへの対策という意見もあり、ひと口にASKや応談と言っても、いろいろな理由がある。改めて、その背景にあるものを想像しながら、物件をチェックしてみるのも面白いかもしれない。

【筆者:近藤暁史】

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近藤 暁史
筆者近藤 暁史

男だてらに学習院大学文学部国文学科卒。ファッション誌の編集から一気に転身して、自動車専門誌の編集部へ。独立後は国内外の各媒体で編集・執筆。雑ネタを中心に、旧車、メカ、メンテナンス&レストアなどを得意とする。また、貼って効くなど、業界唯一のオカルトグッズ評論家としても活躍する。愛車は19歳のときに買ったFIAT500(ルパンのやつ)、2代目プントを6台乗り継ぐ(すべて色違い)、フィアット馬鹿一代。さらにバイクは現在稼働が4台。ひっそりとYouTube「こんどう自動車部」も進行中なので、こっそり見てみてください。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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