ジープ 新型コンパス 試乗|人気のJeepブランドに新たなSUVラインナップ! 2WDと4WDモデルの違いを徹底評価する(1/2)

多彩なSUVラインナップを揃えるジープブランドにまた新たな1台が登場

アウトドアの趣味を楽しむユーザーに根強いファンが多いジープ。2017年秋現在で販売されているラインナップを見ると、無骨で頼もしいキャラを現代に受け継ぐジープ ラングラーにはじまり、フラッグシップのグランドチェロキー、ミッドサイズSUVとして質感を高めたチェロキー。2015年にはジープのエッセンスを小粒なボディに採り入れたレネゲードも加わって、新たな顧客を呼び込んだ。そして、今回の主役となるジープ 新型 コンパスは、チェロキーとレネゲードの中間に位置するモデル。日本では2012年から初代モデルが販売されていたが、2017年10月末にフルモデルチェンジした2代目が日本市場に導入された。

ジープといえば四輪駆動のイメージが強いが、初代コンパスはジープがもつタフな世界観を街乗りで手軽に乗りこなせるよう、軽量、低コスト、低燃費走行が見込める前輪駆動モデルを設定し、300万円前後という比較的リーズナブルな価格で購入できる“最もお買い得なジープ"と謳っていた。ところが、“ベイビー・ジープ"の異名をもつレネゲードにエントリーモデルの座を譲る形に。レネゲードの登場で、もはやコンパスはフェードアウトするのではないかと思われたが、実際には続投。考えてみれば、今やユーザーニーズの多様化でSUVブームのまっ只中。コンパスはレネゲードよりもひと回りサイズが大きく、実用的な空間が確保しやすい点をみても、消えゆくどころか、存在意義はむしろ増していたのだ。

そこで登場した2代目コンパスは単なるジープの廉価モデルではなく、プレミアム性をまとって一新された。

>>新型Jeep Compassはデザインも質感もひとクラス上! [フォトギャラリー(画像85枚)]

先代コンパスに比べ内外装の質感は大幅にレベルアップした!

アスレチックなイメージをプレミアムに演出した外観

先代のジープ コンパスは、車両価格がお買い得だった反面、装備類や各部の造り込みに“あと一歩"の魅力が欲しいのが本音ではあった。だが今回の新型コンパスは、各部のディテールへのコダワリから、ジープの本気度が伝わってくる。

最も進化を感じさせたのは内外装の質感のレベルアップだ。

フロントにはひと目でジープの血筋を認識させる7スロットグリルを配置。縦方向の長さを控えめに描いたことで、メカ的な強さと対極にある洗練性を結びつける。ブラックのパネルで囲われた7スロットグリルは猛禽(もうきん)類の目のようなヘッドライトと一体化してボディの幅広感を演出する。また、ボディパネルやフロントフードはこれまでのジープには見られなかった繊細なラインで描かれた空力学的な造形を採用。初期のスケッチはSR71ブラックバードと呼ばれる米軍の高高度偵察機からインスピレーションを得たというから、そのあたりはアメリカのメーカーらしく、スケールが大きい。また、台形で描かれたホイールアーチは1941年から脈々と受け継がれてきたジープのヘリテージを思い出させる。

新型ジープ コンパスのラインナップは2WDと4WDが設定されているが、アスレチックなイメージをプレミアムに演出した外観は、郊外のドライブはもちろんのこと、街を颯爽と流すシーンにも似合いそうだ。

外観同様の演出が施された内装

インテリアにも洗練性とアスレチックなイメージを共存させている。ダッシュボードはなだらかでシンプルな造形のもので、インパネ中央に埋め込まれた8.4インチのモニターはボクサーのヘッドギアを彷彿とさせるデザインが周囲に施された。機能面ではナビやオーディオの画面表示以外にも、手持ちのスマホのアプリと連携する「Apple CarPlay」や「AndroidAuto」にも対応。音声入力も可能なので、運転中も前方から目線を逸らさずに使うことができる。ちなみに、手持ちの端末を充電する時に重宝するUSB端子は前席と後席に1個ずつ、AUX端子が1つ、その他にシガーソケットも設定されているので、ドライブ中にバッテリー残量を気にせずに使えるのもイマドキのライフスタイルを考えると重宝されそうだ。

ジープ コンパスよりもひと回り以上広く上質な室内空間

ボディの全長は4400mm。ベースとなる基本骨格はFCAグループがもつモジュラープラットフォーム“スモールワイド4×4 アーキテクチャー"が採用されている。実質的にはレネゲードも同じものが使われているが、コンパスの場合、全長はレネゲードよりも+145mm長く、前後のタイヤの間隔は+65mm延長されて、居住空間と荷室スペースに+αのゆとりが与えている。故に後席の居住性については、膝回りの空間はレネゲードよりも拳2つ分ほど広く、身長162cmの私の体格で足が組めるほどのゆとりは確保されており、ファミリーユースに耐えうる居住空間が確保されていることが分かる。

シートは腰や背のフィット感が優れたファブリックシートとコシのある座り心地のレザーシートを用意。それぞれ質感が高く、ファブリックは6角形のハニカムデザインが一部に描かれて、サイドにブラウンとライトグレーのステッチを施すこだわりよう。レザーシートは体圧が掛かる部分にパンチング加工を施されていて、身体に馴染みしやすい。

室内や荷室の使い勝手も良好

使い勝手を左右する収納装備については、ドリンクホルダーはフロントのシフト手前に2つ、ドアポケットに4つ、後席のアームレストに2つといったが具合で豊富に用意。アクセサリー電源については、USB端子や12Vのシガーソケットのほかに、上級仕様のLimitedの後席には115V AC150Wの電源が標準装備されている。

荷室に至ってはフロアはそれほど低くはないが、後席に家族が座っている状態でも、カバンを選べば乗員分の旅行の荷物が積めるほどの広さを確保。壁際はホイールハウスが張り出しているので、ゴルフバックのような荷物は後席をアレンジして積むことになりそうだ。

後席の背もたれはファブリック仕様が60:40の分割可倒式。レザーシート仕様のLimitedは40:20:40で、中央の背もたれを倒してトランクスルー機構を利用すれば後席に2人座った状態で長尺物を積んで移動することもできる。

ジープ/コンパス
ジープ コンパスカタログを見る
新車価格:
469万円524万円
中古価格:
53.7万円1,129万円
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藤島 知子
筆者藤島 知子

通称「藤トモ」。スーパー耐久のレースクイーンを経験後、軽自動車レースに参戦したことがきっかけで様々なレースに参戦。レースで培った技術と女性ならではの視点が魅力の女性モータージャーナリスト。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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