試乗レポート

ジープ新型コンパス試乗｜人気のJeepブランドに新たなSUVラインナップ！ 2WDと4WDモデルの違いを徹底評価する(2/2)

公開日:2017/11/10 10:00 最終更新日:2017/11/21 18:03

筆者：藤島知子
カメラマン：茂呂幸正

新型ジープコンパス、乗り比べてわかった2WDと4WDの違い

今回の試乗会では2つのモデルのハンドルを握ることができた。エンジンはどれも最高出力175馬力、最大トルク229N・mを発生する直4 2.4リッターのマルチエアエンジン。ベーシックな2WDモデルには6速AT、4WDのLimitedのみ9速ATが設定されている。まずは中間グレードの2WDモデルのLongitudeから。

2WDモデル“Longitude"は軽快な走りが魅力

足元にはスポーツ性と快適性を意識した225/660R17サイズの低燃費タイヤが装着されている。コンパクトSUVは男性のみならず、小柄な女性がハンドルを握ることが想定されるクルマだが、ドラポジはさまざまな体格のドライバーに対応できるよう、真面目に考えられている。ハンドルは上下前後に調整できる機構が用意されているし、疲れにくい着座位置で理想的な運転姿勢がとりやすいシートは、ハンドルに手が添えやすく、ハンドルの切り遅れも少なくて済みそうだ。実際に狭い場所を走らせてみても車両をイメージしたラインを辿りやすく、コントロール性もいい。持て余さないサイズ感も手伝って不安を感じるシーンが少ない。

走り出してすぐに驚かされたのが乗り味の良さ。路面の凹凸を通過して揺すられそうな場面でも、強固なボディはビクともせず、張りのある乗り心地が得られていて、不快な揺れを感じにくい。コンパクトで背が高いSUVのネガを感じさせない走りは、街乗りや山道の走行では操縦性の良さが得られそうだ。

ただ、高速域の直進性についてはドイツ車などとは異なり、前方から一瞬目をそらした隙にわずかにフラつきやすい場面も見受けられる。このあたりは長距離移動のストレスに影響するので、今後の改良に期待したい。

それにしてもこの2WDモデル、4WD仕様よりも110kg軽いとあって、レスポンスのいいパワーフィールが気持ち良い。高速道路の合流でアクセルペダルを踏み込む時、6速ATはひとつ下のギアにキックダウンして、エンジンは4000～6000回転あたりまで気持ち良く回すことができる。気分を盛り上げるサウンドとともにリズミカルに加速していける感覚は、オフロードのSUVというよりは乗用車的な軽快さが持ち味だ。「普段は街乗り、週末は郊外に足を伸ばすときに爽快な気分で流したい」という場合にはこの2WDモデルをオススメしたい。

4WDの上級モデル“Limited"はクルマとひとつになれる走行フィールが楽しい

一方で、上級仕様で4WDのLimitedが装着するタイヤは225/45R18サイズにインチアップされている。先に述べた通り、エンジンは同じ2.4リッターを搭載しているが、9速AT、4輪駆動のシステム、装備を充実させていることによって、車重は1600kg超え。その重たさゆえに発進加速は2WDモデルよりもゆったりと動き出していく。9速ATは変速時のショックなど感じさせない滑らかさで、乗員に気づかせないレベルで変速し、必要なトラクションを確保して走る。このクラスで9速ATを搭載するのは贅沢であるし、日本の道路環境ではオーバースペックともいえるが、今後、高速道路の速度の上限が120km/hに引き上げられれば、トップギアの9速を生かすメリットが得られそうだ。

また、カーブを駆け抜けるフィーリングは17インチ仕様とは少し異なる。18インチを装着したLimitedのハンドルを切り込むと、鼻先がレスポンスよく向きを変える感触が得られる。ペースよく流していくと、カーブの立ち上がりでハンドルを切り戻しながら、アクセルペダルの操作で姿勢変化がコントロールできるほどにクルマと一体感を得て走れる感覚を楽しませてくれた。

新型ジープコンパス、2WDと4WDはどっちが買い!?

実際に購入の検討に入った場合、走行性能については、自分の生活スタイルやクルマを使う場所で2WD、4WDの選択が分かれるが、オートヘッドライト、衝突被害軽減ブレーキ、車線変更時に死角にいる車両を知らせる機能をはじめとする予防安全装備はLimitedのみにしか設定されていなかったりする。今回試乗した中間グレードのLongitudeと最上位のLimitedの車両価格の差は68万円となり、充実した快適装備を求めるならLimitedとなりそうだ。

ただし、ジープオーナーの裾野を拡げる役割をこのクルマに期待するのであれば、今後は2WDモデルで充実した装備が選択できるようにしたり、4WDモデルにハイスペックなエンジンを搭載するといった、パワーとトレーンの差別化にも期待してしまうところだ。

[レポート:藤島知子/Photo:茂呂幸正]

新型ジープコンパス主要スペック表

ジープコンパス主要スペック表
グレード	Sport	Limited
駆動方式	前2輪駆動	4輪駆動(オンデマンド方式)
トランスミッション	電子制御式6速オートマチック	電子制御式9速オートマチック
価格(税込)	3,230,000円	4,190,000円
JC08モード燃費	11.9km/L	9.6km/L
全長	4,400mm	4,400mm
全幅(車幅)	1,810mm	1,810mm
全高(車高)	1,640mm	1,640mm
ホイールベース	2,635mm	2,635mm
乗車定員	5名	5名
車両重量(車重)	1,490kg	1,600kg
エンジン	直列4気筒マルチエア 16バルブ	直列4気筒マルチエア 16バルブ
排気量	2,359cc	2,359cc
エンジン最高出力	129kW(175PS)/6,400rpm	129kW(175PS)/6,400rpm
エンジン最大トルク	229Nm(23.4kgf-m)/3,900rpm	229Nm(23.4kgf-m)/3,900rpm
燃料	無鉛レギュラーガソリン・60L	無鉛レギュラーガソリン・60L

この記事の画像ギャラリーはこちら

この記事の画像ギャラリーはこちら(全92枚)

　　すべての画像を見る　＞

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

タイトルとURLをコピー

筆者藤島知子

通称「藤トモ」。スーパー耐久のレースクイーンを経験後、軽自動車レースに参戦したことがきっかけで様々なレースに参戦。レースで培った技術と女性ならではの視点が魅力の女性モータージャーナリスト。記事一覧を見る

監修者樺田卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

ジープコンパスカタログを見る

愛車の売却を、もっと楽に！もっと高く！

一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒？

これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。
一括査定は本当に高く売れるの？

これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

『無料』MOTA車買取の詳細はこちら>>