ホンダらしさが凝縮された2モーターHVシステム「i-MMD」の“凄さ”に迫る(4/5)

  • 筆者: 内田 俊一
  • カメラマン:オートックワン編集部・本田技研工業株式会社
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コイルは角形、重希土類フリーを達成

そのモーターの技術について相田氏は、「モーターに求められる性能は、高効率であることはもちろん、同時に高い出力とトルクをいかにコンパクトに実現できるか」という。

この要求に応えるために、「我々は角形の銅線(通常は丸形)を使いセグメントコンダクターコイル化することにより世界最高水準の密度を達成しました。

さらに調達に大きなリスクを伴う重希土類(いわゆるレアアース)を使わない磁石で、世界で初めて車両駆動用のモーターとして使える技術を開発しました。

製造についても、効率よく品質高く生産するために、独自の製法により、ここ浜松工場で内製しています。今後は日立オートモティブとアライアンスを組んでグローバルでの最適調達を実現します」と説明。

本田技術研究所四輪R&Dセンター第4技術開発室の貝塚 正明氏はこのモーターについて、「一般的には分布巻モーターインサーダー製法で投入しており、2013年のアコードもこの基本技術を使ってi-MMDのモーターを作りました。その後、2016年のオデッセイでは、さらなる高出力密度化と、他機種への適用性向上ということでセグメントコンダクター方式のモーターへ変更。さらに、2018年のアコードとインサイトで調達の容易化として重希土類フリーを採用した。これは2016年のフリードでi-DCDの駆動用モーターとして世界初、かつ未だにない重希土類フリーのモーターを出したことになります」と解説。

また、「角形のコイルにすることによって容積効率を高め、従来比23%の軽量化を達成しています。重希土類フリーに関しては、2016年のフリードの開発の10年ほど前から共同開発しているもので、従来の磁石の製法とは異なった熱間塑性加工という方法で磁石を作っています。従来は磁石の粉を焼結し焼き固める方法だったが、こちらは磁石の原料を超急冷法で粉末化し、その状態で熱間で押し出して整形した磁石を使っています。こうすることで磁石の耐熱性を通常の磁石に対して上げることができた。それと相まって新しいモーターなどを取り入れてi-MMDにおいても重希土類フリー化を達成できました」と説明した。

その結果、「モーターをかなり小型化することに成功し、適用車種が拡大できました。大きさでは高さ方向で10%、幅方向で9%縮小しているが、トルクは上がり、出力も8.9%大きくなっている。それでありながら重量や容積は大幅に削減できた」。

その一方で、圧縮したことによる問題もあった。「(コイルを)曲げる時に隙間が発生しきちんと曲がらなかったり、高さが合わない。曲げすぎると絶縁紙が破れてしまう。このあたりのバランスをどう取るか。また溶接をする前にクランプでコイル抑えるのですが、押さえ方がうまくいかないとコイルに傷がつき、電流を流した時に発熱してせっかくの樹脂膜が破れてしまうこともあった。そのほかにも様々な問題がありましたが、浜松製作所とホンダエンジニアリング、研究所が一緒に、仕様や作り方などを作り上げました」と振り返った。

パートナーシップによりグローバル展開を目指す

バッテリーについてもi-MMDの性能を最大限に引き出すために、高出力で高効率なバッテリーが必要だった。「従来我々はIMAというハイブリッドシステムを展開していましたが、それはニッケル水素タイプのバッテリーを使用していました。しかしi-MMDの開発目標を達成するためには、高性能なリチウムイオンバッテリーが必要でした」という。

しかし、「開発当時では効率の良いハイブリッド用リチウムイオンバッテリーで満足いくものが存在しなかった。そこでその技術を自ら確立するために、GSユアサと合弁会社を作って量産化。今後はさらにパートナーシップを広げてグローバルに展開していきます」とした。

最後にパワーコントロールユニットだ。これは大出力の駆動用モーター、それと発電用モーター、さらには高圧に電圧を調整する昇圧器をワンパッケージ化したものだ。

相田氏は、「これを高効率で小型化するためには、高い電子電気技術、あるいは制御技術が必要なので、関連メーカーであるKEIHINと共同開発し、世界トップレベルを実現し、こちらもさらにパートナーシップを広げ、グローバル展開を目指します」と述べた。

>>すべてにおいてスムーズなi-MMD[次ページへ続く]

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内田 俊一
筆者内田 俊一

1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を生かしてデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員記事一覧を見る

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