ホンダらしさが凝縮された2モーターHVシステム「i-MMD」の“凄さ”に迫る(5/5)

  • 筆者: 内田 俊一
  • カメラマン:オートックワン編集部・本田技研工業株式会社
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すべてにおいてスムーズなi-MMD

そういった開発を経て作り上げられたi-MMD。早速クラリティPHEV、CR-V、そしてインサイトを駆ってみよう。なお、インサイトについては燃費チャレンジというゲーム性が持たされた。30kmほどの指定コース(市街地、高速等)を45分以内で走りきりながら燃費を競うものだった。その顛末は文末で。

クラリティPHEVは1.5リッターエンジンにi-MMDを組み合わせたもの。CR-Vは2リッターとi-MMDとの組み合わせだ。

どちらも共通しているのは低重心であることと、すべてが自然であるということだ。低重心というのは多くのハイブリッドやEVで共通することなので、当然といえば当然だが、自然であるということは、なかなか実現できていないものだ。

例えば、信号からスタートするときにEVで発進し、加速途中でエンジンが介入することが多くある。その時の切り替わりなどに違和感を覚えることがままあるのだが、特にクラリティPHEVにおいてはその変化が全くと言っていいほど分からないのだ。さらにエンジン音も非常に静かなので、助手席や後席はもとより、運転している身としても、おしゃべりをしていても気付かないことがほとんどだった。

CR-Vの場合は、少しエンジン音が聞こえるのでそこまで顕著ではなかったが、切り替わり時のショックなどが皆無なのは特筆すべきことであろう。

ブレーキのスムーズさはi-MMDならではのもの

もう一つ、ブレーキに関しても触れておきたい。停止寸前にアイドルストップや、回生ブレーキが介入した場合、ブレーキの踏力が変わり、急激にサーボ(制御信号を操作力に変える電動機または油圧モーター)が立ち上がったり、あるいは、切れたりということが多くあり、スムーズな停止が難しい場面がある。しかし、i-MMDではいずれのクルマもそういったことは皆無で、この点も大いに評価ができよう。

そして最新のi-MMDを搭載したインサイトは、そのサイズや上質感は先代をはるかに上回るもの。もちろんフィットベースからシビックベースへとクラスアップしたことも大きいが、そこに大きく貢献しているのがi-MMDだ。前述のとおり、全てにおいてスムーズため、一クラス上のクルマに乗っているような雰囲気だった。

気になる燃費チャレンジの結果は…。中には35km/Lオーバーを記録する猛者も

さて、燃費チャレンジなのだが、このコースは他の試乗コースと共通であったので、最初に走らせたクラリティPHEVと同じ道順をたどった。

しかしこれが大失敗で、クラリティPHEVのナビが示したコースが間違っており、いきなりのミス。それがたたって時間を3分オーバー(他のチームよりも3kmも余分に走っていた)で大減点を食らい、最下位に甘んじてしまった。

もしオーバーしていなければ27.84km/Lという記録だった。もっとも中には30km/Lオーバーという猛者もいたので、かなわなかったのだが。

ここで驚くべきは、EV走行が62%もあったのに対し、エンジン走行は6%に過ぎなかった(残りはハイブリッド)ことだ。確かに積極的にEV走行を心掛けたのだが、一部高速区間や渋滞もあったことを考えると、比較的容易に到達できる数値といえるだろう。

あらゆる点で優れているi-MMD、これからの進化に期待

今回このワークショップに参加して、最も感じたのはi-MMDが今あるハイブリッドシステムの中で、あらゆる点で優れているということだった。それはドライバビリティの面だけではなく、重希土類フリーであることなど今後の生産面まで踏まえて開発されていることがあるからだ。

開発陣からはまだまだ進化すると宣言されていたので、今後はよりガソリン車では味わえないi-MMDならではの運転する喜びが増していくことを期待したい。

[筆者:内田 俊一/撮影:オートックワン編集部・本田技研工業株式会社]

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内田 俊一
筆者内田 俊一

1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を生かしてデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員記事一覧を見る

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