ホンダらしさが凝縮された2モーターHVシステム「i-MMD」の“凄さ”に迫る(3/5)
- 筆者: 内田 俊一
- カメラマン:オートックワン編集部・本田技研工業株式会社
ホンダハイブリッドシステム i-MMDの仕組み
では、このi-MMDとはどういうものか。本田技術研究所常務執行役員の相田 圭一氏に説明してもらおう。
「環境性能を極限まで高めるということと同時に、ホンダらしい走りの楽しさを両立しようと考えた2モーターハイブリッドです。我々はこのシステムを作るにあたり、世界最高水準の効率と、上質な走りを実現しようと取り組んできました」とその開発の方向性を述べる。
ハイブリッドにはシリーズ方式とパラレル方式がある。シリーズ方式は、エンジンで発電用モーターを駆動し、その電力を使って走行用モーターを回し、それでタイヤを駆動するというシステム。パラレル方式は、エンジンとモーターの動力の両方を使ってタイヤを駆動するシステム。
i-MMDシステムはこのシリーズ方式とパラレル方式を走り方に応じて使い分けることによって最高効率を出していく、いわば良いとこ取りのシステムだ。
具体的なシーンに当てはめて解説してみよう。
発進から市街地など負荷の少ない走行
モーターで走行。これは、市街地の発進や低速のクルーズではエンジンの負荷が小さく、効率も悪いので、この時はエンジンを止めてバッテリーとモーターでEV走行する。
加速時
エンジンで発電をしながらモーターで走行する。その時にエンジンは効率の良い回転域を選んでエンジンを回して発電。その結果、市街地での最高な燃費性能を可能としている。
高速のクルーズ時
シリーズ方式でモーター走行すると、高速ということで発電量が大きくなってしまう。そうすると電気への変換損失が大きくなるのでかえって燃費が悪くなってしまう。そこでi-MMDではシリーズ方式からパラレル方式に切り替え、エンジンを直結し、走行することによって高効率を維持するのだ。またその時にエンジンの効率の高いところにモーターのアシストと回生で負荷を調整することで、高速域での高い燃費を維持する。
このように「様々な走行シーンで、シリーズ方式とパラレル方式を“知能的”に切り替えることで、相互の優位性を活かした3つのモードで最高効率を達成しています」と相田氏は述べた。
走りの性能は軽快で上質
一方、走りの性能については、「燃費だけではなく新しい走りの楽しさを表現したい。タイヤを大きなモーターでダイレクトに駆動するという特徴を生かして、モーターならではの低速のトルク、そして振動のないスムーズな駆動を利用して、軽快で上質な走りを表現したいと考えた」とのこと。
この軽快で上質な走りを実現するために、「高出力かつ大トルクなモーターを独自に開発しました。低回転から発生する大きなトルクにより、従来のガソリン車にはないような軽快な加速を実現しています。そしてドライバーの意思通りにアクセル操作に瞬時に反応し、かつ継ぎ目のないシームレスな加速を可能とする。さらにモーターのダイレクト駆動なので振動のないスムーズな上質な走りを表現しています」とその印象を語った。
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