日本版コンシューマレポート-ホンダ フィット ユーザー試乗レビュー-(4/6)

フィットのユーザー評価・レビュー/試乗

「乗った前と乗った後、車のイメージは同じでしたか?」。

この設問の「いいえ」は43.3%。そのうちの50%が「車内が広い」という種類の回答だった。これぞ、まさに「ホンダの思うツボ」である。

短時間の試乗で、最大限度のイメージアップ。これで、購買意欲をそそらせる。

また「視界が良く、運転が楽だった」が、「年齢分布」「乗車構成分布」ともに平均値が53.3%と高い。「実物より大きなクルマに乗っている感じがした」も、両分布で平均値が30.0%。「フィット」の真骨頂である、「広さ=開放感」を、走行した状態で多くの人が認識している。

だが「ホンダの想定外」の現象もある。それが、「スポーティ」に対する評価だ。

 「キビキビ走る」が、「年齢分布」「乗車構成分布」ともに13.3%。さらには、「走りやすさ」では、「スポーティ」が両分布とも2.6点で、「通勤通学」と「長距離」を大きく下回った。

また「ホンダのイメージをどう思うか?」という設問の「年齢分布」の平均値では、「スポーティ」 が43.3%、次いで「先進的・革新的」36.7%だった。

つまり一般ユーザーは、ホンダというブランド全体、また「フィット」のようなコンパクトカーであっても、外観デザイン・インテリアでは「スポーティ」を感じているのに、そのイメージが走りに直結していない。

筆者の「フィット」試乗感想では、ステアリングの切れ味の奥深さ、中高速コーナーでの柔軟で自然で心地良い旋回性能、さらには剛性感の高いブレーキペダルのタッチなど、「フィット」=「スポーティな走り」に直結している。

だが、一般ユーザーにとって「フィット」は、通勤通学など毎日気軽に使う足。そこに、「スポーティな走り」は実質的に無縁なのかもしれない。

今回のコメントのなかには、「長年のホンダ好き」と思われる方から、スポーティな走りについての賛否両論があった。だが、そうした声はフィットの主力ユーザーのなかでは少数派だと思う。

フィットのスポーティな走りは、フィット全体のイメージのなかに溶け込んでおり、一般的なユーザーはあえて認識していないのだと考える。

また、「ULTRシート」を称する多彩なシートアレンジ効果についても、「実際にどれだけ使われている」かどうかは分からない。

室内空間の広さは「人のため」であり、「物のため」ではないはず。

「物のため」の広さを求めるひとは、(日本国内でならば当然)ミニバンを買うはずだ。ちなみに、「エンジンパワーがもの足りなかった」という回答が、「年齢分布」「乗車構成分布」ともに平均値30.0%となった。そのなかで「乗車構成分布」が、「大人3人以上」で50.0%、「大人2人」で42.9%となった。

試乗車が1.3リッター、1.5リッターどちらなのかは集計していないが、フィットを「多人数乗車」の日頃の足とする人が、日本には多いと思える。

フィット/試乗に関するユーザーコメント

・先代と比べて格段にフロント回りの剛性感があがりました。ショックの吸収性もマシになっています。.以前は固いのに腰砕けになる感じでした。ハイギヤードで燃費重視はかわりませんね。ハンドリングは以前とは別の車のようです (一騎当千さん 大阪府)

・GEはGDに比べて、パワステが軽すぎる感じ。足回りがソフト。少しフワフワ感があり、頼りない感じ。減速比が低くなったせいか、出足に力を感じない。走行音はかなり減少した。静かになった (アオヤマさん 埼玉県)

・外見は小さい車であるが、車内は広く、クラスの違う大きな車を運転しているような錯覚に陥る。エンジンとCVTの完成度・相性が良く、軽快に走ることができるのは乗る前からのイメージどおり (マツモトさん 埼玉県)

・椅子のランバーサポートが、先代に比べ良くなっている (pochiusaさん 千葉県)

・さすがホンダ車って感じがした。大衆車にもホンダイズムがふんだんに盛り込まれていて、スポーティーにも楽しめる車 (yuichii2002さん 大阪府)

・初代と比べて改良点は多いが、まだまだ改善して欲しいところはある。電動パワステの違和感、操舵時に上屋がフラフラするサスペンションセッティングを良くしてもらいたい (GONTAさん 兵庫県)

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桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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