ホンダ 新型フィットRS徹底解説┃復活したRSは内外装や各種のメカニズムを充実させつつ、価格を抑えたフィットの新しい買い得グレード【2022年】

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2022年10月にマイナーチェンジをしたホンダ フィット。新型フィットでは、一部デザインの修正が行われたほか、ハイブリッドモデルの走行性能が向上しています。そして何と言っても走りの質にこだわった「RS(アールエス)」が新設定されたのが注目です。そんな注目の新型フィットRSについて、カーライフ・ジャーナリストの渡辺陽一郎さんが詳しく解説します。
目次[開く][閉じる]
  1. ホンダ 新型フィットRSの復活で国内販売の状況打破を目指す
  2. ホンダ 新型フィットRSのボディサイズ、外観・デザイン
  3. ホンダ 新型フィットe:HEV・RSの価格
  4. 新型フィットの改良点┃e:HEVのモーター最高出力をアップ
  5. ホンダ 新型フィットe:HEV・RSの走行性能
  6. ホンダ 新型フィットe:HEV・リュクスの走行性能
  7. 新型フィットe:HEV・RSはフィットの買い得グレードだ!

ホンダ 新型フィットRSの復活で国内販売の状況打破を目指す

ホンダ車の国内販売状況を見ると、N-BOXの売れ行きが圧倒的に多いです。2022年の1〜9月には、コロナ禍の影響で納期を遅らせながら、N-BOXは1ヶ月平均で約1万7000台を届け出しました。この売れ行きは、国内で売られたホンダ車の約40%に達します。1車種だけで、国内販売総数の約40%を占めるのは、異例のことです。

そのためにN-BOXの販売は、いろいろな影響を与えています。まずホンダのブランドイメージが小さな車種に偏り、ミドルサイズ以上が売りにくくなりました。オデッセイ、CR-V、レジェンドなどは国内販売を既に終えています。新型ステップワゴンの売れ行きも、N-BOXの登場前に比べると減っています。

2つ目の大きな影響はフィットに生じています。フィットはコンパクトカーの主力車種で、かつては国内販売の年間1位になったこともありますが、今は伸び悩んでいます。フィットの売れ筋価格帯はN-BOXと重複しており、顧客を奪われているからです。

このような事情を踏まえて、フィットは2022年10月にマイナーチェンジを実施しました。1番の注目点はフィットRSの復活です。以前のフィットは、ネスというスポーティグレードを用意していましたが、人気が得られずRSに戻しました。

ホンダ 新型フィットRSのボディサイズ、外観・デザイン

新型フィットe:HEV・RSのボディサイズは全長4080mm × 全幅1695mm × 全高1540mm、ホイールベースは2530mmです。

新型フィットRSのボディカラーは、新色のスレートグレー・パールを含む全6色展開となっています。

新型フィットRSはフロントグリル、前後のバンパー、アルミホイールなどを専用にデザインして、サスペンションもRS専用のセッティングです。さらにハイブリッドのe:HEV・RSは、ドライブモードスイッチも装着しています。ステアリングホイールのスイッチを操作して、アクセルを戻した時の減速力と回生による充電の仕方を4段階で調節できます。

新型フィットRSの設定は、今のところe:HEVのみですが、2022年11月10日にはガソリンエンジンを搭載したモデルも発表されます。ただし以前のRSと違って、新型フィットRSでは6速MT(マニュアルトランスミッション)は用意されません。CVT(無段変速AT)のみとなります。

ホンダ 新型フィットe:HEV・RSの価格

新型フィットe:HEV・RSの価格は234万6300円で、新型フィットe:HEV・ホームと比べた時の価格アップを17万500円に抑えました。新型フィットe:HEV・RSには、前述の内容に加えて、16インチアルミホイール、ステアリングのギヤ比を変化させる機能なども採用されるため、販売の主力となる新型フィットe:HEV・ホームよりも割安です。

新型フィットの改良点┃e:HEVのモーター最高出力をアップ

今回のフィットの改良では、すべてのe:HEVについて、モーターの最高出力を従来の98馬力から123馬力に向上させました(最大トルクは25.8kg-mで以前と同じです)。ノーマルエンジンも、従来の排気量は1.3Lでしたが、マイナーチェンジ後の新型フィットは1.5Lです。開発者は「以前の1.3Lエンジンは、e:HEVに比べて動力性能が低く、お客様からも不満の声が聞かれました。そこで新型フィットでは1.5Lに拡大しました」と説明しています。

1.5Lノーマルエンジンの最高出力は118馬力(6600回転)、最大トルクは14.5kg-m(4300回転)です。以前の1.3Lは98馬力(6000回転)・12kg-m(5000回転)だったので、動力性能が約1.2倍に増強されました。その代わりWLTCモード燃費は、1.3Lのホームは20.2km/Lでしたが、1.5Lは18.5km/Lに悪化しています。

ホンダ 新型フィットe:HEV・RSの走行性能

今回は新型フィットe:HEVのRS/リュクス/ホームの3タイプに試乗しました。e:HEVの特性は、基本的に全車共通です。e:HEVは、通常の走行では直列4気筒1.5Lエンジンが発電機を作動させ、駆動はモーターが行います。そして高速巡航時には、効率をさらに向上させるため、エンジンがホイールを直接駆動することもあります。

e:HEVはモーター駆動が基本ですから、加速感は電気自動車のように滑らかです。アクセル操作に対する反応も機敏で、マイナーチェンジでは、走りの上質感をさらに高めました。数値が向上したのは最高出力ですが、実際に運転すると、実用回転域の駆動力も強くなっています。巡航中にアクセルペダルを踏み増した時などの加速にも、余裕が生じました。

新型フィットRSのサスペンションは、前述の通り専用の設定です。ステアリング操作に対する反応の仕方が、従来以上に正確になり、運転がしやすく感じられます。

峠道などのカーブを曲がる時は、ほかのグレードに比べると、旋回軌跡を拡大させにくいです。車両の進行方向が、ステアリングホイールの操舵角に応じて内側を向き、運転が楽しく感じられます。その一方で下り坂のカーブを曲がる時も後輪の接地性が高く、車線を変更する時も、唐突にボディが傾く挙動が発生しないために不安を感じにくいです。

新型フィットRSの乗り心地は、走行安定性を高めた影響もあり、路面の荒れた街中を時速40km以下で走ると硬めに感じます。それでも粗さは抑えられ、適度な引き締まり感があって不快ではありません。コンパクトカーのスポーティグレードとしては、乗り心地も満足できます。

ホンダ 新型フィットe:HEV・リュクスの走行性能

新型フィット e:HEV・リュクスは、豪華指向のグレードで、本革シートを標準装着しています。サスペンションの設定も快適性を重視しました。RSに比べると、乗り心地は柔軟で、車線変更をした時などの揺り返しは少し大きいです。

タイヤサイズは新型フィットRSと同じ16インチ(185/55R16)ですが、銘柄は異なります。新型フィットRSはヨコハマ・ブルーアースGTで、リュクスはブルーアースAでした。足まわりの設定も異なるため、新型フィットRSに比べて路面をグリップする性能は少し低いですが、不満はありません。新型フィットRSは峠道などのスポーティな走りに適しており、快適な新型フィットリュクスは高速道路を使った長距離ドライブに向いています。

リュクスの動力性能は、e:HEV・RSと基本的に同じですが、ドライブモードスイッチは装着されません。従ってアクセル操作に対するe:HEVのコントロール性は、新型フィットRSの方が優れています。

その代わりにWLTCモード燃費は、新型フィット e:HEV・RSが27.2km/L、新型フィットe:HEV・リュクスは27.6km/Lです。リュクスが若干ですがRSよりも優れています。新型フィットe:HEV・リュクスの価格は249万9200円で、新型フィットe:HEV・RSよりも15万2900円高いです。

新型フィットe:HEV・ホームの乗り心地

ベーシックな新型フィットe:HEV・ホームは、タイヤが転がり抵抗を抑えた燃費重視の15インチ(185/60R15)を装着しています。この影響で乗り心地は少し硬く、路上を跳ねる印象があります。その代わりWLTCモード燃費は29km/Lと優れています。

新型フィットe:HEV・RSはフィットの買い得グレードだ!

以上のようにマイナーチェンジを受けた新型フィットのラインナップを見ると、e:HEV・RSは買い得です。新型フィットの販売をテコ入れすべく開発されたグレードとあって、内外装や各種のメカニズムを充実させながら、価格を抑えました。

またハイブリッドとノーマルエンジンの価格差は、リュクスやホームで見ると、34万9800円に抑えています。e:HEVのハイブリッドシステムは、前述のようにエンジンが発電、モーターが駆動を担当しながら、高速巡航時にはエンジンがホイールを直接駆動して効率を向上させる制御も行います。つまりe:HEVは、高機能で割安なパワーユニットです。特に新型フィットe:HEV・RSは、同車の新しい買い得グレードといえるでしょう。

[筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:小林 岳夫]

【動画】ホンダ 新型フィットRS/FIT RSの内外装と走りをチェック! 復活したRSはフィットの中でベストバイのモデルだった!

ホンダ/フィット
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159.3万円266.4万円
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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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