インプレッサスポーツ/アクセラスポーツ/プリウスを徹底比較 ~モデルチェンジで魅力を増したMサイズハッチバック~(2/4)

インプレッサスポーツ/アクセラスポーツ/プリウスを徹底比較 ~モデルチェンジで魅力を増したMサイズハッチバック~
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ボディスタイルはスポーティ感覚を強めて2リッターエンジンは直噴式を採用

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スバル 新型インプレッサは、今後のスバル車に幅広く採用される新しいプラットフォームであるSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)を使って開発された。デザインについても「ダイナミック&ソリッド」という新しいテーマを打ち出した。

外観を先代モデルのインプレッサと比べると、フロントマスクを含めて鋭角的にデザインされているのがわかる。

インプレッサスポーツのボディサイズは、全長が4460mm、全幅が1775mm、全高が1480mmだ。先代型に比べると45mm長く、35mmワイドで15mm低い。

全幅の拡大が気になるが、ドアミラーの両端位置で測ったミラー・トゥ・ミラーの数値は2019mmだから、先代モデルと変わりはない。

ホイー>ルベースは2670mmで、先代モデルに比べると25mm拡大された。これも外観の塊感を演出する効果を生んでいる。最小回転半径は5.3mで、先代モデルと同じ数値に抑えた。

エンジンは水平対向4気筒で、排気量は1.6リッターと2リッターを用意する。初期受注では、2リッターが75%を占めた。

駆動方式は前輪駆動の2WDと、電子制御される多板クラッチで前後輪に駆動力を配分する4WDのアクティブトルクスプリットAWDを設定した。初期受注の63%が4WDだから、要は2リッターエンジンの4WDが人気だ。

2リッターエンジンは直噴式を採用しており、最高出力は154馬力(6000回転)、最大トルクは20kg-m(4000回転)となる。

JC08モード燃費を4WDで見ると、2.0i-Lアイサイトが16.8km/L、2.0i-Sアイサイトが15.8km/L(すべて無段変速ATのCVTを採用)。前者は平成27年度燃費基準プラス5%を達成したからエコカー減税の対象に入り、購入時に納める自動車取得税が20%、同重量税が25%軽減される。2.0i-Sアイサイトは減税対象外だ。

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猛獣チーターをイメージした躍動的な外観が特徴

マツダ アクセラスポーツマツダ アクセラスポーツ

2012年に発売されたCX-5以降のマツダ車は、エンジンからプラットフォームまで「スカイアクティブ」と呼ばれる技術シリーズによって開発されている。さまざまなメカニズムをほぼ同時期に開発したから、機能を大幅に高めることができた。

通常では例えばプラットフォームは、既存のエンジンを搭載することを目的に開発される。そのために遠慮も生じるが、開発を同時期に進めると、互いに連携を図れて妥協を最小限度に抑えられる。

現行アクセラは2013年に発売された。外観のテーマはCX-5やアテンザと同じく「魂動デザイン」。猛獣チーターが疾走する姿が根本にあり、躍動感を持たせた。

ちなみに「魂動デザイン」も「スカイアクティブ」の技術があって可能になった造形だ。エンジンの補機類のレイアウトなどは、外観と協調されている。

アクセラスポーツのボディサイズは、全長が4470mm、全幅が1795mm、全高は1470mmだ。インプレッサスポーツに比べて全幅は20mm広いが、ほぼ同じ大きさになる。

ホイールベースは2700mmだからアクセラスポーツよりも30mm長く、「魂動デザイン」らしい引き締まり感を表現した。最小回転半径は5.3mだから、これもインプレッサスポーツと同じ数値だ。

エンジンは直列4気筒で種類が多い。ノーマルタイプのガソリンエンジンは1.5リッターのみだが(2リッターは廃止された)、2.2リッターのクリーンディーゼルターボ、1.5リッターのクリーンディーゼルターボ(スポーツのみ)、1.8リッターのハイブリッド(セダンのみ)がある。

日本車で排気量の異なる2種類のディーゼルを用意して、さらにハイブリッドを選べる車種は珍しい。

アクセラスポーツで注目されるグレードは、追加された1.5リッターのクリーンディーゼルターボ搭載車だ。最高出力は105馬力(4000回転)、最大トルクは27.5kg-m(1600~2500回転)で、JC08モード燃費は21.6km/L(6速AT)になる。

なおクリーンディーゼルターボ車は「クリーンエネルギー自動車」に位置付けられ、購入時に納める自動車取得税や同重量税は免税だ。

>>アクセラスポーツ エクステリアの写真

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燃費の優れたハイブリッドの主役とあって絶好調の売れ行き

トヨタ プリウストヨタ プリウス

プリウスはハイブリッド専用車。好調に売れた先代モデルからの代替え需要も多く、今のところ日本国内のベストセラーだ。

現行モデルは新たなプラットフォームTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)を採用して、同じベースが今後登場するトヨタ車に幅広く使われることになる。

外観は「アイコニック・ヒューマンテック」をテーマにデザインされた。直感的にひと目でプリウスと分かる外観をめざした。

フロントマスクやリアビューは斬新で賛否両論だが、ひと目でプリウスと分かることは確かだろう。

ボディサイズは全長が4540mm、全幅は1760mm、全高は1470mmとなる。インプレッサスポーツに比べると80mm長く、15mm狭く10mm低い。

ホイールベースはアクセラスポーツと同じ2700mmだから、オーバーハング(ボディがホイールから前後に張り出した部分)が少し長い。最小回転半径は15インチタイヤ装着車が5.1mで小回りが利くが、17インチは5.4mに拡大する。

ハイブリッドシステムは直列4気筒1.8リッターエンジンをベースに、駆動用モーター、発電機、駆動用電池(Sグレードはニッケル水素でAとEはリチウムイオン)、制御機能などで構成される。駆動用モーターと発電機を併用するため、エンジンの動力で発電しながら、同時にモーターを駆動することも可能だ。

エンジンとモーターの駆動力を合計したシステム最高出力は122馬力。2WDのJC08モード燃費はS/Aグレードが37.2km/L、燃費重視のEグレードは40.8km/Lに達する。

平成32年度燃費基準プラス20%を達成したので、購入時に納める自動車取得税や同重量税は免税になる。

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トヨタ プリウストヨタ プリウストヨタ プリウストヨタ プリウストヨタ プリウス

総評

取り上げた3車種のボディサイズは、プリウスの全長が4500mmを超えて少し長いが、ほぼ同程度と考えて良い。最小回転半径も5.3m前後に収まる。それでも全幅は、日本の道路状況を考えると少しワイドな印象になる。

注意したいのは後方視界だ。最近の新型車は輸入車を含めてサイドウインドウの下端を後ろに向けて大きく持ち上げている。インプレッサスポーツは抑制を利かせたが、それでも先代モデルに比べると、斜め後方と真後ろの視界が明らかに悪化した。先代モデルのインプレッサから代替えする時は、縦列駐車や車庫入れを試したい。

またアクセラスポーツとプリウスは、インプレッサスポーツよりもさらに後ろが見にくい。今のクルマには後方の様子をカーナビのモニター画面に映す機能が備わるが、側方から接近する自転車などは分かりにくい。車両の周囲に潜む危険を早期に発見することは安全運転の大切な要素だから、今日のボディスタイルは、安全装備の進化とは逆に退化している。

エンジンにはそれぞれ個性があるが、インプレッサは1.6リッターと2リッターのノーマルタイプのみだ。2リッターであれば実用的に不満はないが、プラットフォームの刷新で走行安定性が向上したことを考えると、レヴォーグに搭載される1.6リッターのターボが欲しい。クルマ好きのユーザーに喜ばれると思う。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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