思わず見惚れる”綺麗”なクルマ、ボルボ 新型「S90」「V90」に初試乗(4/4)

「エステートがあるシアワセな暮らし」をイメージするならエアサス装備は必須

対して、次に試乗したワゴンモデル、V90 T6 AWD Inscription は、ボルボらしさを最も強く感じさせる仕上がりで、実に素晴らしかった。やっぱりボルボはエステートなのね！と思わせるくらいのまとまり感だ。

実はこちらの試乗車にはオプションのエアサス(電子制御式リア・エアサスペンション/ドライブモード選択式FOUR-Cアクティブパフォーマンスシャシー：V90のみに設定)が装着されており、それがとてもいい仕事をしていたのだ。

おそらくクルマ好き、走り好きの人には、前出のS90に装着されていた前ダブルウィッシュボーン、後マルチリンクのノーマルサスがハマると思うのだが、このV90を選ぶ層を勝手にプロファイリングしたところ、ガシガシに走り倒すというよりも、流れる景色や暮れる空なんかをゆったりと眺めながらクルーズしたい、みたいな、ライフスタイルを重んじるような人々にウケるんじゃないかと考える。

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ラグジュアリーな内外装然り、遮二無二走り込ませるようなサスペンションよりも、このV90 T6 AWD Inscriptionに装着されたエアサスの重厚でどっしりしたフィール、マイルドなアタリのほうが、“らしい”んじゃないかな。

さらに言うなら、ステーションワゴンはセダンよりもリア部分の重量があるため、クルマ全体の挙動がしっとり落ち着いているような印象で、その辺も好感ポイントだったのを追記しておきたい。

往年のボルボ車を想わせる豊かさと心の余裕がここにはある

実に18年ぶりに、ラインナップに大型セダンと大型ステーションワゴンを復活させたボルボ。

今、同社はモデルラインナップを再構築してブランドの確立を図っているのだけど、そのコアターゲットとなっている新しい世代の若いオーナーだけでなく、かつてボルボを愛したオールドファンにも響くんじゃないかと思う。生き急いでいるうちには見えないゆったりした空気、みたいなものが、新型S90・V90には流れているから。

[レポート：今井優杏／Photo：小林岳夫／ボルボ・カー・ジャパン]

VOLVO V90 T6 AWD Inscription(4WD) 主要諸元

全長x全幅x全高：4935x1890x1475mm／ホイールベース：2940mm／車両重量：1840kg／乗車定員：5名／駆動方式：電子制御AWDシステム(四輪駆動)／最小回転半径：5.9m／エンジン形式：「Drive-E」直列4気筒インタークーラー付ターボチャージャー＆スーパーチャージャー DOHC 16V ガソリン直噴エンジン／総排気量：1968cc／最高出力：320ps(235kW)/5700rpm／最大トルク：40.8kg-m(400N･m)/2200-5400rpm／トランスミッション：ギアトロニック 8速オートマチックトランスミッション／使用燃料：無鉛プレミアム／燃料消費率：12.5km/L[JC08モード燃費]／サスペンション形式：(前)ダブルウィッシュボーン式(後)マルチリンク式／タイヤサイズ：255/35R20(前後)／メーカー希望小売価格：7,990,000円(消費税込)

※試乗・撮影車には「電子制御式リア・エアサスペンション/ドライブモード選択式FOUR-Cアクティブパフォーマンスシャシー」(200,000円)「チルトアップ機構付電動パノラマ・ガラス・サンルーフ」(206,000円)「Bowers ＆ Wilkins プレミアムサウンド・オーディオシステム(1400W・19スピーカー)サブウーファー付」(450,000円)等のメーカーオプションを装着

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