スズキ アルトターボRS 新型車解説/渡辺陽一郎(3/3)

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:茂呂幸正/スズキ株式会社
スズキ アルトターボRS 新型車解説/渡辺陽一郎
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ハチロクの半額以下!まさに最廉価のスポーティカーとなった「アルトターボRS」

スズキ アルトターボRS

以上のようにアルトターボRSは、走行性能から内外装まで大幅に手を加えたエボリューションモデルとなった。

価格は2WDが129万3,840円、4WDは140万5,080円になる。トランスミッションは前述のようにパドルシフトを備えた5速AGSで、赤外線レーザーを使って衝突の回避を支援するレーダーブレーキサポートは標準装着した。

アルトXに対する価格上昇は15万9,840円(2WD)で割安だ。エアロパーツ、ディスチャージヘッドランプ、パドルシフトといった装備の価格換算額だけを単純に加算しても、20万円前後には達する。これにスポット溶接の増加といったボディ剛性の向上なども加わるから、16万円弱の価格上昇であれば買い得だろう。

スズキ アルトターボRS

トヨタ86が購入しやすいスポーツカーとして登場しても、売れ筋になるGTの価格は約290万円。若いユーザーが簡単に買えるクルマではない。

その点、アルトターボRSは半額以下だ。ワゴンRスティングレーTと比べても約30万円安いから、まさに最廉価のスポーティカーになった。

一方、中高年齢層にとっては懐かしい。1987年に2代目アルトに設定されたワークスは、550ccのツインカムターボで64馬力の最高出力を発揮して軽スポーツの代表になった。ちなみにアルトワークスの登場から最高出力の自主規制が開始され、以来、64馬力が軽自動車の上限数値になっている。

懐かしさが込み上げる「アルトターボRS」、きっと多くの共感を得られるはず

ホンダ 初代シビックRS

本稿を執筆していて、30~40年前のコンパクトなスポーティカーを思い出した。

例えば1974年に登場した初代シビックRSは、全長が3,650mm、全幅が1,505mmのボディに、最高出力が76馬力の1.2リッターエンジンを搭載して運転感覚が機敏であった。

このほかスターレット、マーチ、シャレードといったコンパクトカーも、ターボを含めて走りの楽しいグレードを設定している。いずれもボディサイズ、車両重量、動力性能などが、新型アルトターボRSにかなり近い。

特に車両重量は、今日のコンパクトカーは大幅に重くなった。衝突安全性能の向上、各種の装備を充実させたことで、ベーシックなグレードでも約1,000kgに達する。安全のためとはいえ、300kgも重くなれば軽快感は薄れるが、アルトターボRSの車両重量はレーダーブレーキサポートなどを装着して670kgだ。価格も安く、昔のスポーティなコンパクトカーと同様、若いクルマ好きのユーザーがさほど無理をせずに購入できる。

アルトをベースに、入念なボディチューニングまで施して真面目に高性能モデルを造るのは、見過ごされていたチャレンジかも知れない。特別にカッコイイわけではなく、コペンやS660に比べれば地味だが、多くの人達の共感を得られると思う。いかにもスズキらしいクルマ造りだ。

スズキ アルト ターボRS 主要諸元

全長×全幅×全高(mm):3,395×1,475×1,500/ホイールベース(mm):2,460/最低地上高(mm):155/車両重量(kg):[FF] 670・[4WD] 720/燃費(km/L):[FF] 25.6・[4WD] 24.6/最小回転半径(m):4.6/エンジン:R06A型 水冷4サイクル直列3気筒インタークーラーターボ/排気量(L):0.658/最高出力(kW/rpm):47(64PS)/6,000/最大トルク(N・m/rpm):98(10.0kg・m)/3,000/燃料タンク容量(L):27/使用燃料:無鉛レギュラーガソリン/トランスミッション:5AGS/タイヤサイズ:165/55R15 75V/価格:[2WD] 129万3,840円・[4WD] 140万5,080円

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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