日産 セレナe-POWERに速攻試乗|これがフルハイブリッドを超えたEVミニバンだ!

セレナe-POWER遂に登場

東京モーターショー2017や東京オートサロン2018に出展されていた“セレナe-POWER(eパワー)”が正式に発表となった。すでに搭載されるエンジンの排気量やシステムなど、様々な情報は流れていたものの、今回限られた状況ながら早くもハンドルを握ることが出来たので、未公表だったスペック&価格と共に紹介してみたい。

>>e-POWERはグリルに青いラインが特徴、セレナe-POWERを画像でチェック

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エンジンで発電し、モーターで駆動する“e-POWER”

まずアウトラインから。

基本的にはノートe-POWERと同じく136馬力のモーター(リーフと同じ)を搭載する電気自動車である。エンジンから直接タイヤを駆動する変速機や、クラッチなどの経路無し。どんな条件であってもモーターで前輪を駆動する「発電機付きの電気自動車」だと思えば間違いない。

搭載されている電池は容量1.8kWh。数字だけ見ても全くイメージ出来ないと思う。大雑把なイメージとして「充電モードを選びフル充電しておけば電気だけで2.7km走る」とのこと。ちなみに運用上はハイブリッド車と同じだから、外部からの充電は出来ない。フル充電したいなら「充電モード」を使う。

充電モードを使うとエンジン始動し充電を開始。フル充電すると2.7km程度モーターだけで走行し、その後、通常のハイブリッド車と同じようなエンジンの使い方を行う。

すなわち

(1)停車時はエンジンも停止

(2)走り出すとアクセル開度にもよるが、通常ならタイヤが2~3転がりした段階でエンジン始動

(3)そこからアクセル開度によりエンジン回転数が上下し、走行に必要な電力量をエンジン直結の発電機で作り出す。

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街中ならパワー不足は感じなくてすみそう

エンジンは84馬力を発生する3気筒1200cc。5馬力ほど増えているが、基本構成はノートe-POWERと同じだ。ここまで読んで「84馬力だと1.5トンを軽く超えるセレナのボディには足りないのではないか」と思うだろう。

そもそもエンジン全開で84馬力。136馬力のモーターをフル稼働させるだけの出力が無い。どうするのか?

短い時間に限り走行電池から50馬力+α分の電力を供給するのだった。つまりアクセル全開にすると、電池から50馬力+αのパワーを出し、同時にエンジン始動し、84馬力を加えて行く。

通常の使用だとアクセル全開の時間は長くて20秒間。そのくらいの電力なら電池から引き出せる。アクセル戻せばすぐ使った分を充電する制御になっている。今回はサーキットでの試乗だったが、1200ccエンジンと思えないほど元気。街中を乗っていてパワー不足を感じることは無いと思う。

登坂性能が若干不安だが・・・

唯一の不安点は長い登り坂など、連続してパワーが必要になる状況。開発担当者に聞いてみたら「例えば東名道の大井松田~御殿場間のような長い登り坂でも、定員乗車で制限速度を十分維持出来る出力を持っています」。「(関越道の)渋川伊香保~赤城はどうか?」と聞いたら「試していません」だそう。

ナンバー付いて公道試乗出来るようになったら、様々な登り坂を試してみたいと思う。

また、意外だったのはエンジン音がけっこう静かだったこと。3気筒ということで振動や騒音レベル高いかと予想していたら、そんなことなかった。ライバルの4気筒ハイブリッド車に勝るとも劣らない。

気になるセレナe-POWERの燃費と価格は?

気になる燃費はJC08モードで26.2km/L。ホンダ ステップワゴンの25.0km/Lやトヨタ ノア/ヴォクシー/エスクァイア3兄弟の23.8km/Lを凌ぐ。最近モード燃費と実燃費の乖離がウルサクなったこともあり、額面通りに受け取っていいかと。

価格だけれど、ベースグレードで296万8920円から。装備内容を揃えればライバルと横並びになる。

[Text:国沢 光宏/Photo:小林 岳夫]

関連コンテンツ:■日産 新型セレナe-POWER最新情報

セレナe-POWERの主要スペック

セレナe-POWERの主要スペック
ハイブリッド(e-POWER)

グレード

セレナe-POWER ハイウェイスターV

駆動方式

2WD(FF)

トランスミッション

価格(消費税込)

3,404,160円

JC08モード燃費

26.2km/L

全長

4,770mm

全幅(車幅)

1,740mm

全高(車高)

1,865mm

ホイールベース

2,860mm

乗車定員

7名

車両重量(車重)

1,760kg

エンジン

直列3気筒 DOHC ガソリンエンジン+ハイブリッドシステム(e-POWER)

排気量

1,198cc

エンジン最高出力

62kW(84PS)/6,000rpm

エンジン最大トルク

103N・m(10.5kgf・m)/3,200~5,200rpm

モーター最高出力

100kW(136PS)

モーター最大トルク

320N・m(32.6kgf・m)

動力用主電池

リチウムイオン電池

燃料

無鉛レギュラーガソリン

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国沢 光宏
筆者国沢 光宏

1958年生まれ。ベストカーガイド編集部員を経て自動車評論家に。空気を全く読まず言いたいことを言い、書きたいことを書くので自動車メーカーから嫌われている。現在所有しているクルマは日産 リーフやトヨタ MIRAIなど多数。趣味はラリーに出場すること。人気のない(本人談)Webサイトを運営中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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